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「ミニマリズム-本当に大切なもの」から学ぶ意図と意思を持った買い物方法

「断捨離」「ミニマリスト」など、ものを持たない生き方が注目されています。買い物をしないと経済は回らなくなる! とエコノミストや多くのメーカーから反論されそうな気もしますが、果たして本当にそうなんでしょうか? 幸せとモノとの関係と経済、環境について考えてみました。
題材として選んだのはコチラの映画「ミニマリズム」です。

↑2016年に放映された映画。2人のミニマリストが出版ロードツアーで全米を廻り、考え方や生き方を指南。途中でどんどん注目を集めるようになる。他にも多くのミニマリストが登場。2021年9月現在Netflixにて見られます。

お金があったら幸せ! は嘘なのか?
エリートがお金より求めるものはなんなのか???

主人公の2人は年収が10万ドル(1000万円超)も稼いでいたものの、5歳の子どもにケータイを売るような仕事に疑問を持ち始めたそうです。

また、途中で登場するウォール街のエリート街道まっしぐらだった人物も、シニアパートナーになれると聞いた途端に、「このままでは、経済的に安定した生活から逃げられなくなる」「もう冒険を楽しむ自分らしい暮らしはできない」と恐れ、そのままその仕事を捨てたと言います。

コレはどういうこと? 私たちは幸せになるためにお金を稼ぎ、より豊かになるために便利で素敵なモノを買ってきた、そう思いますよね。

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ある調査結果から、年収約700万円までは増えることで幸せな気持ちになるのに、年収約700万円を超えると幸せ度はたいして上がらないのだそう。

どういうことか? 年収700万円くらいだと、欲しいもの・やりたいことがある程度は叶うようになり、不足が満たされる。でも、年収1000万円を超えても喜びが感じられない。コレは、マズローのいう人間の上位欲求である精神的な部分での欲求が強くなった、ということのようです。

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精神的な欲求を満たすためになぜミニマリストへ?
持たないことで満たされるって、どゆこと?

ココまでは理解できる。でも、お金じゃ欲求が満たされないとなった先がミニマリストになるってのは、展開が極端すぎて理解不能!?  になるよねw ここを理解するためには、逆説的なアプローチの方がわかりやすそう。

例えば、毎日食後にデザートを出してもらえる子どもと、1ヶ月に1回くらいしかデザートが出ない家の子ども。デザートに対しての喜びは当然、後者の方が大きい。毎日出る子は当たり前だと感じてしまうから。

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私も海外旅行から帰ると日本に感動することがある。駅でも公園でもきれいなトイレがあるって素晴らしい!とか、水道水が飲めるってすごい!とか。

つまり人間はたくさん与えられたり、日常にあるものには慣れてしまい、感動しなくなる。そして悲しいかな、物質的な欲求はどれだけあっても満たされない。だから、もっともっと!と求めてしまう。

その辺りで気付く。自分が求めているものは物質的なものではなく、精神的な豊かさなんだ、と。モノを手放してもいいんじゃないか?を考え始める。

2020年我が家のプチ断捨離
手放すことで代わりに手に入れたもの

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↑リビング壁面に家中に分散された本を一堂に集めた本棚を置き、↓家族が気軽に集るキッチンカウンターをバースタイルにした。

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実は、私も2020年のコロナ禍で、プチ断捨離をした。
自慢じゃないが、”捨てられない女”だった。捨てる=悪だと思っていたから。母から「もったいない」をしっかりと叩き込まれていた。

でも「いつか使えるモノ」は、倉庫で10年くらい眠ったまま。本当に役に立つ人の元に届けた方がいいよね。また、実は、喪失を恐れていたことにも気づいた。捨てる=喪失はとてつもない痛みを伴うような気がしていた。

そこで捨て方にこだわってみた。再活用できそうなものは、施設などに寄付した。喪失を恐れていた名刺やハガキ、過去の思い出の品などは写真やデータ化することで現物は一気に捨てた。

書類の山

↑資料類➡️再生ゴミ 服➡️古着deワクチン 絵本と積み木類➡️保育園 おもちゃ➡️近所の方にご自由にどうぞ(コロナ禍だったため、めちゃ喜ばれた) 

本当に好きなものに囲まれる幸せ
買うものを「考えて」選ぶようになる

自分なりのプチ断食を通じてわかったこと。

1つ目。人間はもともと何も持たずに生まれてきた。それなのに、途中で増えた持ちモノを手放すことに、驚くほどの不安を感じるということ。

2つ目。モノを手放すときの痛みは大したことないw それより、手放した時の解放感の方がクセになる。自由になれた感じ。

3つ目。何も持たないってことじゃない。本当に大事なモノを側に置けることの幸せ。私の場合はいつでも本がズラーっと見えるのは何より幸せ。

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4つ目。「本当に必要なのか?」考えて買うようになった。結果、買い物量が減るため、本当に欲しいモノは高額でも買ってよし!と思える。

5つ目。モノに頼らないと、精神的な充足感に大きくシフトできる。人の内面をより重要視し、人との関係性に満たされたいと思ってもいる。

ミニマリストはマインドフルネスや瞑想にハマる
そして環境活動とも繋がっていく

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ミニマリストたちは、瞑想や座禅、マインドフルネスなどの精神的な世界を好みます。映画でもそんな話が出てきました。コレは先に言った通り、物質的なモノより精神的な世界で満たされたいと感じるから。

瞑想は自分自身の「今ココ」に集中すること。過去の後悔や栄光に囚われず、未来への不安や計画に焦らされずに、自分の心や体に意識を向ける。

鳥の声や家族、近所の音、季節で違う温度やその場の匂いを感じて五感が研ぎ澄まされていく。そんな時間を過ごした後は思考がクリアになる。本当の自分が求めているモノを見つける練習になっている気がする。

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本当の自分が求めているモノを探していくと、より本質的なところへと人は向かうらしい。自分の心身を見つめ直し、さらに自然へ回帰していく。
今の時代にSDGsの思考がフィットしているのは、当たり前の人間性を取り戻そうとしているだけなんだと感じます。

ミニマリストになろう!なんて強要するつもりはないけど、現代のモノや情報に溢れた世界が、本当に自分が求めているモノなのか? そこを考えることで、SDGsへの理解も深まると思います。

SDGsはやらなきゃいけないことではなく、みんなが幸せになるために利用するツールのようなモノなんです。

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下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!