ドミニカ移住 #12 : ドーノバンと初対面（現地の日本語学校へ訪問）。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿2018.6.9（土）
この日は、アラニスが彼女の通う日本語学校へ一緒に行こうと誘ってくれた。6月1日にトニーさんの紹介で知り合ったアラニス（↓#9）は、前々日の7日にも私のiPhoneの件（↓#10）で現地警察まで一緒に付き添ってくれた。

グアグアで日本語学校へ

　私とアラニスはグアグア（現地の乗り合いバス）で首都中心地近くにある日本語学校へ向かう。グアグアに乗るときはいつも一人ぼっちの私だが、この日はアラニスとおしゃべりしながら過ごせるため、グアグアの「ネック」である車内の窮屈さや埃っぽさも全く気にならない。

アラニスは彼女が過去にグアグア内でスマホをスられた話をしてくれた。彼女が音楽を聴こうとバックからスマホを取り出していると、近くにいた乗客がアラニスのスマホを奪い、ちょうど停留所に着いて開いていた乗降口からあっという間に走り去ってしまったのだという。数日前にビーチでiPhoneをスられたばかりの私にはとても他人事とは思えない話だった。また同時に、たとえドミニカ人の若者であったとしてもグアグア内でスリ被害に遭う治安の悪さを改めて痛感した。

（グアグアの参考）

アラニスの友達と初対面

　日本語学校では、アラニスのクラスに混じり一緒に授業を受けさせてもらった。彼女の親友であるドーノバン（同じ日本語学校へ通う当時19歳の男の子）とダビットらを紹介してもらったが、みんなフレンドリーでとてもナイスガイな人たちだった。

　授業後、アラニスに誘われてドーノバンと3人で近くのショッピングモールへ遊びに行くことになった。ドーノバンは車を持っているため、同じく日本語学校へ通う彼の弟を含めた4人で彼の車に乗り込んだ。しばらくして広い駐車場に着いたことに気がつき、私が「おなかすいたね」と車を出ようとした。すると、「アスカ！これはショッピングモールじゃなくて僕（ドーノバン）の家の駐車場だよ！笑」と言うドーノバンとアラニスが、驚いた様子で私を引き留めた。どうやら、私がショッピングモールと勘違いした駐車場は、ドーノバンの家族が住むマンションの駐車場だったらしい（乗っていた弟を降ろすために寄ったのだという）。「あまりに綺麗で広大な造りだったから勘違いしちゃったよ」と、アラニスとドーノバンと３人で可笑しくなって大笑いした。

▲車内で2人が教えてくれて好きになった
Danny Ocean - Me Rehúso

首都のショッピングモールで語り明かす

　目的地に着き、３人で雑談しながらモール内を歩く。ドーノバンはできるだけ日本語を話そうとしているのか、カタコト交じりの日本語で話しかけてきてくれる。普段スペイン語漬けの生活を送っているせいか、日本語が通じるというだけで、それまでに溜まっていたちょっとしたストレスが一気に消えていくような感覚になる。

（変な）日本語が書かれたTシャツを発見

　３人で服屋さんや雑貨店を適当にまわりながら会話を楽しむ。カタコトの日本語を一生懸命に話すドーノバンに抱いた第一印象は、”背が高いけど可愛い年下の子”だった。しかし、彼がアラニスとスペイン語で会話する際に見受けられるレディーファーストが染みついたさりげない行動や声のトーン、会話のスピード感から、彼がとても知的な人物であるということが伝わってきた。彼は、「安心・信頼」というワードを身にまとったような空気感（オーラ？）を醸し出していた。この空気感は、常に貴重品に注意を払わなくてはならず、夜はひとりで歩くことが許されないような環境とはかけ離れたもののように感じた。アラニスも同様の空気感をもっており、彼女たちに対しては「騙されているんじゃないか」「お金目当てで私に近づいてきているんじゃないか」などという疑心感を一ミリももたずに接することができた。

そして、彼やアラニスと接すれば接するほど、「彼らが醸し出す空気感」と、「私が普段調査に通うイポドロモや私が住むエリアに漂う空気感」との間に（綺麗に言語化はできないけれど）明確な違いを感じるようになった。

一通りモール内を見終わった私たちは、最上階のフードコートで席について話し続けた。会話中に出てきたわからないスペイン語を教えてくれたり、私がふたりに漢字を教えたり、それぞれの国の早口言葉を言い合ったり、おすすめの歌を聴いたり…。「変な」遠慮や気遣いが必要のない、互いの興味関心から自然に広がるコミュニケーションがとても心地よかった。この日初めて出会ったドーノバンも、ドミニカ生活で何度もお出かけをしてたくさんお世話になった、大切な友人の1人である。

モールで話してるときにとったメモ
青字で書かれた長めのアルファベットは
ドミニカの早口言葉