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線形代数学のオススメのコラムで逆行列を余因子展開で求めます

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余因子展開を使い逆行列を求める方法自体は難しくありません。具体例を使って、その方法を説明しています。大学の線形代数学の単位を落としそうな方や、とにかく手っ取り早く逆行列の求め方を… もっと読む
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線形代数学で4行4列つまり4次正方行列の行列式を余因子展開で求める方法 【実用数学】

線形代数学で4行4列つまり4次正方行列の行列式を余因子展開で求める方法 【実用数学】

この記事では、行列の行列式の求め方を説明しています。線形写像は、行列で表すことができるのですが、この行列式の値が0でなければ、その行列の逆行列が存在するということになります。

そのため、行列式を具体的に計算することができると、逆行列が存在するかどうかを確かめることができます。

また、逆行列が存在するとき、その線形写像は、線形同型写像(全単射である線形写像)であり、その逆写像を表すのが逆行列とい

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外積を理解して平行六面体の体積へ【物理などでも使用】

外積を理解して平行六面体の体積へ【物理などでも使用】

2つの空間ベクトルに対応する空間ベクトルを対応させる外積という二項演算があります。大学数学や大学物理のベクトル解析を学習するときに、ベクトルの外積が出てきます。

この空間ベクトルの外積ですが、高校生の段階から使えると、大学受験の数学や物理で、楽に平面に垂直なベクトルを求めたりすることができて便利です。

以前のカリキュラムで、高校数学で、2行2列の行列を学習していたときは、セットでスムーズに外積

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ケーリー・ハミルトンの定理を3次やn次で

ケーリー・ハミルトンの定理を3次やn次で

線形代数学の固有値の内容を学習するときに、Cayley-Hamiltonの定理(ハミルトン・ケーリーの定理というときも)が出てきます。

この定理は、n次正方行列Aについて、xを変数とした行列式|xE - A|の値をφ(x)としたとき、φ(A)が零行列となるというものです。

φ(x)の最高次の係数が1なので、「Aのn乗」をnより小さい指数を使って表すことができるので便利な定理です。

一般の自然

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行列式の二つの列を入れかえると符号が逆さま(行の入れかえでも)

行列式の二つの列を入れかえると符号が逆さま(行の入れかえでも)

行列式の二つの列を入れ替えれば、行列式の符号が変わるということを証明するために、より一般的な定理を証明します。
 
複素数を成分とするn次正方行列Aの列に、n次対称群S(n)の置換τを作用させると、その行列式は、行列式|A|にsgn(τ)を掛けたものに等しいということを証明します。
 
τとして、互換のときを考えると、互換(i, k)の符号sgn((i, k)) = -1なので、二つの列を入れ替え

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行列式の多重線形性をn次正方行列で

行列式の多重線形性をn次正方行列で

行列式の多重線形性について2次正方行列で使って練習する内容になります。

行列式の多重線形性で、行列式のある列が和の形になっているときに、2つの行列の和に書き換えることと、ある列が一斉にc倍されているときに、その行列式全体をc倍したものに書き換えるということをやってみます。

この2つを合わせて、線形性といいます。3次以上の行列式について、どの列についても線形性が成り立つので、多重線形性といいます

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行列式|AB|=|A||B|の証明を解説【行列の積について重要】

行列式|AB|=|A||B|の証明を解説【行列の積について重要】

線形代数学で行列式を学習するときに、1つの行列をいくつかの区画で分割した区画を考えることをするときがあります。

このnote記事では、対角上に区画が並んだ行列について、その行列式を求める公式(定理)を証明します。

この記事で扱っている行列の成分は、すべて複素数の範囲内としています。この証明をするために、行列式についての1つの定理を使います。

それは、2つの p 次正方行列 X と Y につい

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