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【連載小説】少年時代#18

「母ちゃん!今度の日曜日に奈々ちゃん家で『お誕生日会』があるんやて、なんかプレゼント交換するんやて」

「あらそう、じゃプレゼント買わないとね、」

「プレゼント交換って何すんの?」

「みんなで持ち寄ったプレゼントを交換するのよ」

「三百円ぐらいでだって」

「お小遣いはあるの?」

「九十円しかない」

「それじゃ買えないわね、」

と、母ちゃんは三百円くれた。
でもその内百円は来月の小遣いの前借りだと言う。

"百円前借りかー、相変わらず母ちゃんケチやなー、でもやったでー!"

ポンタは内心ほくそ笑んだ。

"これで『くみあいマーケット』で新発売の『パチパチキャンディー』買って、残りで奈々ちゃんのプレゼントを買えばいいや、
ウッシッシ!"

ポンタは一瞬で悪巧みを思いつく。


奈々のお誕生日会に招待されたポンタ、ようちゃん、のいねめ君、はざま君のいつもの四人は学校が半ドンの土曜日の午後に奈々のお誕生日会のプレゼントを買いに行った。


ポンタ達の住む団地の入口には唯一のスーパー『くみあいマーケット』がある。その並びに数件の店が並んでいた。

四人は、まず文房具屋に行ってみる事にした。

「先にくみあいマーケット行こうや!」

ポンタは新発売のパチパチキャンディーが欲しくてたまらない。
最近テレビでしきりに宣伝している口に入れるとパチパチはじけるキャンディーだ。

少年達はくみあいマーケットのお菓子売り場を隅から隅まで探すが、代わり映えしないいつものお菓子があるだけで新発売のはじけるキャンディーはない。

"くみあいマーケットはいつも遅いんだよなー"

今まで新発売のお菓子がくみあいマーケットに発売直後に置かれた事などない。


ポンタ達はパチパチキャンディーを諦め文房具屋に行った。

ポンタとようちゃん、はざま君は文房具にした。
ノートと鉛筆と消しゴムのセット。
ポンタはついでに自分用の『ねり消し』も買った。授業中に小さく丸めて飛ばしている内に無くなってしまったのだ。

のいねめ君は漫画にすると言うので、隣の本屋へ向かった。

四人は散々立読みした挙句、のいねめ君は『がきデカ』の第四巻をプレゼントに選んだ。


つづく

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