共感ではなく理解をすること
感動の演出
今年の夏、加山雄三さんが24時間テレビで一つの区切りをつけました。ラストサライと称してステージで歌うのは今回を最後にすると言うことで、谷村新司さんと二人でラストに相応しく熱唱していました。
この番組自体かなり賛否両論ある様ですが、総合的に見て「ヤラセ感」満載は否めないですね。ただ、コレをビジネスの観点からマーケティングスキームの演出と言うふうに見ると、うまく創ってるな〜と感じるワケです。
例えば友人の悩みや痛みを相談された場合、辛い話を聞いているうちに相手の気持ちが伝わり、辛い感情を共感しますよね。「大変だね」と感情的に言葉をかけたくなりますが、コレは同情です。
一方で、辛い思いや苦しんでいる人がいる場所まで心理的に下りて行き、相手の気持ちをリアルに考えるとどうなるのか?というと、要するにコレは理解レベルです。
自分がもし相談ごとを誰かに持ちかけるとしたら、ただ同情して聞き流す人よりも自分の立場になって考えてくれる人を選びますよね。
24時間テレビのように共感を以て総合演出しようとすれば、いかに同情の多さで感情を惹きつけられるか?がポイントになってきます。
番組の構成上、共感、感動、同情が伝われば演出は成功です。そこにどれだけの理解があって、得られるものと与えられるものが創出できたのか?って話です。
実際この演出で番組が求めるものはどこなのか?募金の金額なのか?視聴率なのか?または、継続率の手がかりなのか?その辺よくわかりませんね。
と言う事で、今回は感情移入によって起こる同情と、理解に至るまでの共感についてビジネスの観点からお伝えしたいと思います。
2つの共感
相手の心をつかむには「共感」が重要とよく言われています。この「共感」って英語にすると2つに分けられます。
1)シンパシー(sympathy)
2)エンパシー(empathy)
です。それで、多くの人が認識している共感というのはシンパシーの方です。コレはギリシャ語で、「syn」(シン)は「共に」「pathos」(パトス)は「悲哀・情念」を語源としているそうです。
つまり、同情するというニュアンスが強いって事です。「同じ体験をしたことがないから相手のことがわからない」と言う人がいますが、それは共感=シンパシーと捉えているからなんです。
けど、シンパシーを意識してお客さんやクライアントに接すると「立場が違うあなたに何がわかるの?」と心理的に反発されやすくなります。
理解すること
だから、必要なのはシンパシーではなくエンパシーの方だと言えます。なぜなら、エンパシーとは他人の気持ち・感情を理解することなんです。
つまり、同情とか感情の一致はなく、ただ「理解する」ってことがポイントとなります。しかし、同情して感情移入してしまうとシンパシー側に振り回されてしまう場合もありますので注意は必要です。
お客さんやクライアントを理解することがビジネスの基本です。がしかし、同じ感情になる必要はなく、あくまで「理解する」ってスタンスが大事です。
この解釈であれば、同じ経験をしている必要は全くないです。共感が苦手という人も一定数いるかと思います。
しかし、シンパシーとエンパシーの違いを別けて解釈すれば、感情的に共感することは難しくなり、論理的に理解できるようになると考えられます。
感情と別ける
要するに相手を理解さえすればいいってことです。しかし、概念的には相手に対して心理的に深く入るイメージですが、同情とか感情の一致は無視して構わないので「理解レベル」で捉えるって事が重要ですね。
共に苦しみを味わうシンパシーの共感に比べて、エンパシーは理解すればいい。そうなんだと、解釈してお客さんやクライアントの悩みに対し真摯に向き合い、理解さえしてあげれば相手は安心すると思います。
感情を動かすと人の心は揺れ動きますが、そこには解決策は生まれません。しかし理解レベルで向き合うと、解決策が見えてきます。なので、お客さんやウライアントに対しては先ず理解する様に心がけたいものです。
はい、ってわけでぜひぜひ今後も戦略講座、参考にしていただけると嬉しいです。
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