桜の季節が特別になった。

桜が嫌いだ、という方は、あまりいらっしゃらないように思います。
わたしも多くの人と同じように桜が好きで、さらに超単純人間なので、毎年桜の季節がやってくると、「今年も頑張ろう!」とひとり燃え盛っています。

特にここ数年間は、新生活など関係のない生活をしていましたが、それでもやっぱり、桜にはなにか、スタートを切りたい、と思わせてくれるようなものがあります。

去年の桜

桜の季節、春アルバム


去年、桜の満開の時期は今年よりも少し遅く、4月の頭に満開になっていた桜の木の下、わたしはほとんど白のようなピンク色の花びらを眺めていました。

写真映えがするのは、もう少し引いた位置での鑑賞でしょう。
ですが桜の木の真下に立っていると、なんだか桜に抱きしめられているような気がして、この場所がお気に入りなのです。

ちょうどその頃、「桜」を題材にした小説を書き始めていて、いつも以上にしげしげと、桜を観察していたところでした。

突然、猛烈な吐き気がぐっ、と上がってきて、慌てて帰宅したのです。
そこからは3日通して吐き続け、食べる物を受け付けなくなってしまいました。

仕事から帰宅し、心配する夫。
そういえば数日前、子宮がカチカチに硬くなって、お腹がすごく張ってしんどかったことが。

それに、毎月決まった周囲できちんとやってきていた生理が、今月はまだ来ていません。

も、もしかして…?
いや、でも期待しすぎると、陰性だった時に辛いから…

ここ1年弱くらい、赤ちゃんがやってきてくれるようになんとなく頑張っていたわたしたちでしたが、過度に期待しすぎてはいけないと、なるべく冷静にすごそう、と話し合ったのでした。

その後も吐き気は続いていましたが、検査薬の結果が出る時期を待ち、検査してみると…陽性!!!
次の日すぐに病院に行き、エコー写真で赤ちゃんの入っている胎嚢という小さな袋が映っているのを見たとき…もはや自分の身体が大きく変わり始めているというその事実に、不思議な気持ちになったのを覚えています。

わたしたちの息子は、桜の季節にやってきたのです。

今年の桜

桜の季節、春アルバム


先日、家族3人で近所のお花見スポットに出かけてきました。

去年この世界に発生したいのちが、今年は家族の一員として一緒に桜を見ている。
あの不思議な気持ちから、もう1年も経ったなんて信じられませんが、初めてのことばかりで不安な気持ちと、いのちが身体の中で育っていく神秘的なワクワクする気持ち、一生の中でもほとんど経験できないような貴重な経験をさせてもらったんだな…としみじみ感じました。

妊娠中は身体的に大変なことも多かったけれど、その大変さは息子が産まれてからはどんどん更新されていきます(笑)
でも、幸せなことも楽しいことも、妊娠中の何百倍もあるんです。

赤ちゃんの目はガラスみたいにぴかぴか。
そのぴかぴかの目に映る満開の桜を見ながら、去年よりもずっとずっと幸せだな、と感じたのでした。

これからの桜

桜の季節、春アルバム


桜が大好きなわたしですが、これからは桜を見て「キレイだな。今年も頑張ろう」と思うだけではなく、「◯年前の今頃、妊娠がわかったんだね」と思い出すこともできるようになりました。

きっとこれから、桜の季節が訪れるたびに、いのちを授かったあの時の気持ちを思い出しながら、目の前にいる息子の成長をしみじみと感じることができるのでしょう。

どうかどうか、そんな幸せな日々がいつまでも続きますように…。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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