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仕事とわたし4〘 介護編〙


きょうは、介護の話を聴くと悩まれてる方が多い認知症の方との付き合い方を書きたいと思います。


認知症も、現在では予防できる方法があるみたいですね。サプリメントがあったり。。。


栄養のとり方や運動によっても認知症予防になるとか。。。

詳しくないので、書けないですが。。。


認知症で悩む家族さんは今まで相談にのってきた中で1番多いです。


『ご飯まだかぁ?』と言われることが多数。

『さっき食べたでしょっ!』


という会話も、ドラマでも代表的な気がします。


和果流(わたしの考えや方法)はというと。。。


施設での経験がほとんどなんですが、おうちでも使えると思うので、ちょっと試してみようと思って頂けると嬉しいです。


Q→『ご飯まだかぁ?』

A→『今煮物作ってるところだょ』と話してみたり。。。

『隣の店のご飯が美味しいんだって!今度一緒に食べようね』と会話しながら洗濯ものをたたんでいただくなど、違う動作をすすめて《ご飯を食べたい不安》を取り除く工夫をしていました。


『さっき食べたでしょ!』は逆効果です。

それを聞く認知症の方は、ご飯のことが頭から離れなくなります。


認知症に対しての対応は、まずは受け入れてから不安を取り除く工夫をオススメします。

Q→『この杖わたしのじゃない!!』

A→その人のものだとしても、『本当だ!ちょっと杖探してくるね!』と杖を持って利用者様に見えない所に行き、また同じ杖を『あったよ!あっちに忘れてた!』と話して渡すと納得して、不安がなくなります。


Q→『きゃー虫がいっぱい飛んでるんよ!!』

A→見えなくても、『うわー本当!』手ではらう動作をしながら、『手ではらったから、もぅいなくなったよ!』

Q→『わたしの通帳盗られた!』


A→本人の通帳を用意して、『通帳ここにあるよ!銀行行ってきて言うてたから預かってたんよ!』


Q→『もう帰らないかん!家に送ってくれる?』

A→『わかった!行こうか!』と話して、落ち着くまで散歩をしてみる。

散歩するのが不可能な場合は『うん!今ね息子さんが迎えに来てくれるって!道混んでるらしいよ!』など否定しない会話に努める。



まだまだあるかと思いますが、よく聞く内容を書いてみました。


認知症にも、軽度から重度まで様々です。


介護スタッフとしては、物盗られ妄想が1番困りました。

他の利用者様を巻き込んでしまうので、本人も、他の利用者様も安心して頂けるまで時間がかかります。

酷い時は、利用者様同士で叩き合いをしたり、叫んで暴れる方もいました。


奥さんがいなくて、『嫁よーーーどこいったんや?』と歩きまわり、扉があるところ(トイレや掃除道具入れなど)ひとつひとつ確認しながら、小さなゴミ箱のフタを開けてまで『ここか?』と探しまわる利用者様もおられました。


認知症の方は、不安で頭がいっぱいになります。


そのことだけしか考えられなくなってしまいます。


何度も同じことの繰り返し。


同じ不安が頭の中でぐるぐると。。。



なので、根気がいります。


何度同じことを言われても、否定しない。


初めて聞いたかのように接し、安心させてあげる。



不安を取り除き、そのためについてしまうウソの話を納得させることが秘訣かもしれません。



本当のこと。。。通じる方ならもちろん本当のことを話して対応していいと思います。



しかし、わたしが出会ってきた何十人もの認知症の方に本当のことだけで安心された利用者様はいませんでした。


どうにもならないことがあります。


求めているものが、この世に無いもの、すぐには手に入らないもの。


本当のことを伝えることで、もっと酷く不安定になりました。


苦しい気持ちに、苦しさを。


辛い気持ちに、辛さを。


それはとても、残酷なだけです。


認知症によって、世界が変わってしまった方には、ついてもいいウソがあるとわたしは思います。


少しでも不安が安心に変われば、その世界もその人らしく生活が送れます。



家庭での対応は、本当に厳しいものだろうなと思います。


わたしの祖父も中度の認知症でした。


何が辛いかって、、、家族を忘れられることがキツいですよね。


でも、祖父は時々忘れてもすぐ思い出してくれていました。

『一緒にお風呂入ってくれて、体洗ってくれたんよ!』と年に数回会えたかなーというくらいのわたしの夫のことをちゃんと覚えてくれていて、涙が出ました。


印象が強い。最高な思い出。など本人にとって特別なものは、何かしらの形で記憶されてるのかなと思いました。


わたしも、こう書いているけれど親のこととなると、やっぱり介護経験のない方と同様な感覚になってしまいます。


物忘れがよくあると、『また言うてる!!!』と言ってしまったり。

口調が強くなる自分に反省するばかり。


不思議です。

血の繋がりがない家族(施設の利用者様のように毎日一緒にいるので家族同然だと思っています)の方が、わたしはいい介護できてるなぁと自信があります。

ダメですね。。。血の繋がってる家族にこそこの和果流を実践しなければいけないのに。


今後は、歳をどんどん重ねる親のことも和果流で優しく向き合っていこうと思います。


介護編はいかがでしたでしょうか?

たった5年ではありますが、介護スタッフとしての自分の生き方には後悔していません。


介護業界を辞めたのは、夜勤等でホルモンバランスが崩れたり、身体に負担になり過ぎていたようで、気を失うことが2回ありました。ドクターストップがかかってしまいました。

また、椎間板ヘルニアにもなり身体が介護の仕事に向いていないために、結婚して1年後を機に退職しました。


わたしのことを孫のように、娘のように思ってくださった利用者様が涙を流してお別れしたときは、本当に家族と離れる気持ちで辛かったです。

わたしを思って涙を流してくれる存在。


わたしに自信をつけさせてくれた存在。


特別養護老人ホームは、もうひとつの実家のような場所でした。


介護スタッフの仕事は、利用者様にとっても自分にとっても、もうひとりの家族になる素敵な仕事です。


大変でしょ?と言われる介護業界。どの仕事もどこか大変なことありませんか?


でも、大変だけどやりたい仕事だからしてる。

介護も、他の仕事も、感覚は同じではないかと思います。


どんな仕事も、誰かを笑顔にする仕事だと思います。


介護スタッフとしてのわたし。


幸せでした。


介護編の次はなににしようかな。


26歳からの新しい仕事をまた書きたいと思います。


きょうも読んでくださってありがとうございました♡



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