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<BACK NUMBER>「万全ではなくても、なんとかなる!」+基礎法学「日本の裁判制度」

みなさん、こんにちは。
伊藤塾行政書士試験科の高木美雪です。

いよいよ本試験も近づいてきました。
焦りや不安、反省や緊張など、色々な思いがよぎる頃ですよね。
「知識も体調も万全にして臨みたいのに、全然万全ではないんです…。どうしたらよいのでしょう?」とのご相談を多く受けています。 
私個人としては、アドバイスなどというおこがましいものではなく、実体験も踏まえて共感しきりです。
「なかなか万全とはいかないですよね。万全は奇跡。万全ではなくても、なんとかなっています、大丈夫!」
思えば、家族の行事で模試を受験できず、首ヘルニアで日々の勉強はままならず、満員電車に揺られて疲れ果て、前日は反抗期の息子とバトルしてろくに眠れず。
挙句の果てに、いざ出陣の当日には、「今日のお夕飯、何~?」の合唱…怒。
今思い出しても、なんだかもやもやしてきました笑。

仕事に家事に子育てに介護に…受験生のみなさんは多くのことをこなしながら、学習を進めてきましたよね。
ここまでたどり着いたご自身に、どうぞ自信を持ってください。
葛藤を含めた日常の全てが、みなさんの糧になっているはずですから。

行政書士試験は、6割取れれば合格する試験です。
全問正解する必要などないですし、見たことのない問題はとりあえず飛ばしてしまいましょう。
それでも、合格できる試験なのです。
万全とは思えなくても、当日は、伊藤塾で学んできたことを出し尽くしてしまいましょう。

さて、呼吸を整えて、今期最終のチリツモ作戦!
今回は、基礎法学「日本の裁判制度」!
公開模試でも、刑事訴訟・民事訴訟について問われていたので、ちゃちゃっとおさらいしておきましょう。

Q.刑事訴訟においては、有罪判決が確定した場合であっても、あらたに証拠が発見されるなど重大な理由があるときには、有罪判決を受けた者の利益のために再審を行うことができるが、民事訴訟においては、再審の制度は認められていない。

さて、〇か×か、どちらでしょうか?
制限時間は15秒!

…はい、15秒!

正解は、×。
時事問題を理解する上でも役に立つ知識なので、ご一緒にみていきましょう。

まず、刑事訴訟においては、有罪の言渡しをした確定判決に対し、再審の請求をすることができる場合が定められています(刑事訴訟法第435条)。
一方、民事訴訟においても、判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったなど、一定の事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって不服を申し立てることが認められています(民事訴訟法第338条1項)。

10月末日、袴田巌さんの再審公判が始まりました。
1966年11月の初公判で無罪を訴えてから、すでに57年。
そして、2014年に再審開始を認める決定を出した裁判官が、検察の即時抗告(不服申し立て)に反論する意見書を、東京高裁に提出していたことも分かりました。
拘禁反応で意思疎通も難しくなった袴田さん。袴田さんを信じ、代わって毅然と被告人席に立つ90歳のお姉さん。支援者。
感情論では解決しない問題ですが、法律に則って人が人を裁く難しさや危うさに、そら恐ろしくなるのは私だけでしょうか。
「疑わしきは被告人の利益に」、「推定無罪」、刑事訴訟の大原則が重く響きます。

私たちの学びが、社会のどこかで役に立つ。そう信じて、本試験に全力投球しましょう。
あと少し、応援しています!