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#26 大器をつくるには、急ぐべからず。

この言葉は、正しくは「大器をつくるには、急ぐべからずこと」です。

書いてから「しまった」と思いましたが、このままアップすることにしました。

江戸時代後期の思想家、教育家である吉田松陰先生の言葉です。

松陰先生を語り始めると何万字もいってしまいそうなので、今回は少しだけにとどめておきます。

松陰先生といえば、「松下村塾」ですよね。
実は、松陰先生が松下村塾を開いていたのは、約1年ほど。
とても短い期間なんです。

その間に、明治維新を代表する人たちを大量に排出したというのですから、驚きですよね。

松陰先生の教育法は、今、わたしが目指しているインクルーシブ教育に近しいものではないかと推察しています。

また、最近セミナーなどで開催される「大人哲学・子ども哲学」の要素があったり、熟議(熟慮と議論を重ねながら共通認識や課題解決をしていくこと)や学びあいの要素があったりと、なんとなく講義をただ聞くというよりは、発信することに重きをおいているイメージがあります。

松陰先生は、口調も穏やかで、怒るようなこともほぼないのでアドラー心理学やモンテッソーリの思想にも通じるところがあります。

「口調が穏やか」というのがなぜわかるのかというと、松下村塾の再現シーンが見れる場所があるからです。

松下村塾の近くに「道の駅 萩往還」という場所があります。
そこに松陰記念館が併設されており、松下村塾の再現シーンを見ることができますので、松下村塾に行く際にはぜひお立ち寄りいただければと思います。

だいぶ話が脱線してしまったので、元に戻します。

今回の「大器をつくるには、急ぐべからずこと」に近い言葉としてあげるならば、老子の「大器晩成」という言葉となりますが、意味もほぼ同じであると私は解釈しています。

大器という言葉を、「偉大な人物」と置き換えると、
「偉大な人物は、時間をかけてゆっくり育てていくことで、のちに頭角を現すことになるだろう。だから、焦る必要はない」と考えればいいと思います。

ちなみに、「大器晩成」の「晩成」というのは、きちんとした「〇0歳」という数字というよりは、焦らずじっくり時間をかけるという意味で使っているものと思われます。

昔の水泳選手や体操選手だったら20代で「晩成」になってしまいますので、分野によっても変わってきますよね。

現代社会では人手不足や、有能な人材の確保を「即戦力」という形でとって、急ごしらえで新人教育をする会社があります。

そうすると、中には急ごしらえについていけず脱落してしまう人が出てしまう。そういうふうになるとせっかくの才能が花開かずに終わってしまうという悲劇にあってしまいます。

昔、ヤクルトに伊藤智仁選手というものすごく曲がるスライダーを武器にしていた投手がいたのですが、彼は、新人の年からフル稼働していたのでほどなくして肘を痛めてしまい、本当に活躍していたのは1、2年だったのではないかと記憶しています。

伊藤選手のような選手はほかにも過去に数多くいました。

その反省を踏まえて、今の球界はあまり無理をせず、新人をじっくり育てようとしている動きがみられます。

大谷選手や佐々木投手は組織ぐるみで「じっくり育てる」プランに則って育てたからこそ、若いながらも大活躍できる選手になったのでしょう。

子どもがうまく育たないと思っても、ゆっくりじっくり見ながら、子どもとともに育っていこうと意識すれば、いつか大成すると信じて、日々過ごしていきたいと思います。

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