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101.何歳になったら日本に永久帰国するか問題

海外に住む日本人なら1度は、いや、歳を重ねるほど絶えず頭によぎるテーマと思います。
いったい自分はいつまでここにいるのか。
当初の私の計画では70歳になったら日本に永久帰国するつもりだったのですが……。


帰りたくても帰れない

イタリアに住む日本人、とくにイタリア人男性と結婚した日本女性は、子どもを産み家庭を築きこの地の義理の親族とも付き合い、すっかりイタリアに慣れているかのように思っていました。
しかし、そういう人に限って、隙あらば日本に帰るチャンスをうかがっているような気がします。

とくに子どもが独立して以降、配偶者が亡くなったりしたらどうするのか。
やはり懐かしい生まれ故郷に帰りたいと思う人が多いようで、そんな悩みを聞いたりもします。

と同時に、帰りたくても日本に居場所がない、という人もいて、具体的には両親もすでに他界して家そのものがなかったり、日本に親しく付き合っている親戚がいなかったり。
イタリアで家族のために一生懸命に生きてきた人ほど、きっとそんな境遇に陥りがちでしょう。

可哀そうなことです。

そうした事態を避けるには、イタリアと日本と、両方に軸足をかけてバランス良く生きていくのがいいのかなぁと思います。
日本に帰ったら、どこでどのように生きていくのか。
誰かと一緒なのか、または一人なのか。

海外移住をしたなら、そんな先のことまで意識しながら日々を過ごしたほうが転ばぬ先の杖となるのではないかと思います。

70歳で日本に帰るつもりが

私自身はアラフィフで移住したとき、最初から70歳になったら日本に帰ると決めていました。
70歳という年齢は自分の両親を見ていて、それぐらいが気力・体力、共にガクッと老化するころだろうなと思ったからです。

48歳から70歳まで、22年間のイタリア移住。
こうして期限を決めていると、将来の不安から少しは解放されるように思います。
どうせいつかは帰るのだからという気持ちが、イタリア暮らしの困難も面白エピソードに変えてくれるような感覚です。

そして、そんな話を周りにすると、皆が口をそろえて言うのです。
70歳までイタリアにいたら、むしろイタリア生活が身に染みて、日本の慣習になじめないのではないかと。

奇しくもコロナ禍で、3年間も一時帰国できないという不可抗力でその疑似体験をしました。

本当に日本の生活様式になじめなくて自分でも驚きました。
10年ほどの移住でこうだったのに、22年後、しかも歳を取って変化に弱くなっているはずです。
この時は10日ほどで何とか慣れましたけど、70歳になっている私はどうでしょうか。

日本とイタリアと滞在比重をシフトする

いま考えているのは、今年あたりから日本滞在時間を増やそうかということです。
これまでは年に2ヵ月ほどだったのを、具体的には4、5ヵ月にしようかと思っています。

というのも、歴史的な円安が確実に私のこれまでのイタリア生活を脅かしているからです。
コロナを何とか乗り切ったと思ったら、ウクライナ紛争でロシア上空を飛べないし航空運賃も爆上がり。
それに追い打ちをかけるかのような円安です。

日本からのお客さまも現時点で8月のお盆以降、まったく予約が入っていません。
例年、秋に滞在されるお客さまたちに聞いても、今年はイタリア行きを控える、というお返事ばかり。

来ないお客さまを待ってイタリアでぼんやりしているより、日本に滞在して積極的になにか別の活動をしたほうが良いのではないかと思っています。

次はどこへ行こうか

noteをはじめ、各種SNSで「イタリアで暮らすような旅」を提案しているのですが、本当に多くの方から「いつか絶対に行きたい!」というお話をいただきます。
コメントやDM、メールなどでイタリア滞在への熱い思いをうかがうと、その受け皿として私はまだまだブラッチャーノで頑張らないといけないなぁと勇気づけられること、度々です。

その反面、物価高と円安で日々の生活費や家賃、税金支払いに四苦八苦しているのも事実。
まずはもっとも負担の大きい家賃から解放されたいと思っています。

狭くはなるけれど家賃の安い家へ引っ越すか、広さを確保するため辺鄙な場所に移るか。
はたまた住所は友人宅にでも移し、イタリアでの居場所を物理的に手放すか。

次はどこへ行こうか……この半年ほど悩んでいますが、結論はまだ出せていません。

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