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うずらの話。

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猫を飼うことになった経緯です。
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うずらのこと。

うずらのこと。

うずらとの出会いを書いておきたくて始めます。
#ねこ #エッセイ

登場。

2016年の年末近く、11月の終わり頃だったと思う。
月日が経つのって早い。もう一昨年なのか。

晩ご飯も終わった夜、猫の鳴き声がどこからか聞こえてきた。うちの近辺は交通量が多く、うるさいので猫の鳴き声が聞こえることは滅多にない。発情期の頃にうるさくしているのを一二度聞いたくらいだ。
クマも聞こえたようで、「猫じゃない?近くで鳴いてない?」と話し、外へ出てみた。鳴き声のする方へ向かうと家の近くを通

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幼い頃からずっと犬がいる暮らしを送って来た。
最初の犬は父親が当時働いていた職場に寄りついた野良犬で(まだ街中にも野良犬がいるような時代だった)可哀想だからと家に連れ帰って来た。二歳頃、雪の中で犬と遊ぶ写真があって、その記憶は自分の中にも残っている。

その子が亡くなるとすぐに新聞屋さんが犬を持って来た。(そういう時代だったのだ)雑種なのに長毛の、シェルティみたいな子だった。この子は私が成人する

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ご飯あげてみる。

うちの庭に猫が来た。
犬がいるせいもあるのか、庭で猫を見かけたことはなかった。そもそも、家の近くでも見かけない。近くにある公園の方でたまに見るくらいだった。

夜の帳がおりた頃、ニャアという鳴き声が庭から聞こえるのに気付き、慌てて一階へ下りて外へ出てみると、黒い影がさっと視界を横切った。隠れてしまったが、猫がいるに違いない。それもたぶん、この前の猫だ。

もしかすると、お腹が空いているのかもし

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罪深きキャットフード。



それから猫は庭にやって来るとニャアと鳴いて知らせるようになった。猫と触れ合うのは初めてだった私は、「呼ばれている!」と喜んで出て行ったのだが、つまりそれは「ご飯!ご飯、まだ?」という催促であったのだ。
相変わらず、お腹を空かせているようで、可哀想に思い、私はとうとう猫缶というものを購入しに走った。犬のフード売り場へは足繁く通っていたのでフードのブランドも種類も熟知していたが、猫は初めてである。

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ノラミ(仮)

ノラミ(仮)

カルカンパワーで猫は頻繁に庭に姿を見せるようになった。そうなると、居場所を作ってあげたくなるもので、世間では猫は段ボール箱が好きだと言うからと思い、屋根のある自転車置き場に段ボール箱を置いてみた。季節は冬になり、寒さが増して来ていたこともあり、猫は段ボールハウスで寛ぐようになった。

夕方になると窓の下で「ニャア」と鳴いて知らせる。来た!と喜び、出て行ってご飯をあげる。がつがつご飯を食べる姿を

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チュール。

ちゅーるちゅーるちゃおちゅーる♪

そんな耳聞こえのいいフレーズを覚えてはいたが、それがいかなるものであるかは知らなかった。当時はまだ犬用のワンチュールなるものは発売されていなかったのだ。(ちなみにうちの犬にワンチュールは試していない。袋ごと食べてしまいそうで…)
カルカンを買いに行った際、何気なく見た棚でチュールが特売されていた。ほほう。これが噂のチュールとやらか。物は試し。うちのノラミも喜

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捕獲ファーストチャレンジ

捕獲ファーストチャレンジ

うちの辺りは毎冬、一度か二度は雪が降り、時にはうっすら積もったりすることもある。その日、天気予報では午後から降り始め、夜は吹雪くかもしれないと言っていて、ノラミが心配でならなかった。予報通りに暴風と共に雪が舞い始めたので、せめて段ボールハウスを使ってくれたらと思うのに、そういう日に限ってノラミは来ない。

(翌朝のベランダ。猫、寒くないのか…と心配しているかどうかは分からない犬)

この風雪の

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揺れ動く猫ビギナー

吹雪の中、ノラミに引っかかれた傷は、相手が野良猫でもあるので、悪化するかもしれないと怯えていたが、とりあえずさほどひどくならず…あとは残ったけれど…よくなった。しかし、私の心についた傷は癒えず、ノラミとの距離はぐんと開いてしまったように感じていた。

しかし、ノラミの方はそんなこちらの気持ちに気付いていないようで、またやって来てニャアと鳴く。無視することは出来ず、餌はあげていたが、可愛がるよう

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春は恋の季節

ノラミが現れる以前、うちの庭や付近で猫の姿を見かけたことはほとんどなかった。少し離れた公園でたまに見かける程度だったし、ノラミが来るようになってからも二ヶ月ほどの間は見なかったのだが、ある日を境に次々猫が現れるようになった。
灰色の猫、ノラミと同じキジトラ、白ぶち、ハチワレ…。どれもノラミよりもずっと大きく、太っていて、餌をねだりに来ることはない。ノラミがご飯を食べている間、私が傍にいるせいもある

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ノラミ確保!

ノラミを家に入れて保護する。それはつまりうちでノラミを飼うということだ。果たして犬と共存出来るのか?野良猫であるノラミは、ノミや伝染病を持ってやしないだろうか。犬に悪影響を与えたらどうしよう。

考え出したらきりがないのでその辺りの問題は棚上げし、ノラミがどうやったら家の中に入ってくれるかを必死に考えた。

考えた結果……やはりチュールで釣るしかないという結論に達した。(考える意味なし)

ノラミ

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二兎を追う者は。

我が家で黒柴を飼うことになったのも偶然だった。ずっと犬が飼いたいと思っていたが、漠然と頭にあったのは黒ラブだった。以前、友人Tが飼っていた黒ラブが本当にいい子で可愛くて、私もいつか飼ってみたいと思っていた。
しかし、ラブラドールは大きいし、現実的には無理だろうと思い、ならばバーニーズと同じようなトライカラーの黒柴かキャバリアかなとぼんやり考えていた。
特段探していたわけじゃないのだが、ある日、偶然

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うずら誕生

住まいがあるのが地方都市近郊部であるせいか、コンビニと歯医者と美容院と獣医は歩けば当たるほどある。歩いて行ける範囲にも獣医があるのだが当てにならない。
どれくらい当てにならないかというと、二代目バニを連れて行っていたのだが、大型犬が扱えず、皮膚病で耳がただれてしまった際、治療するのに全身麻酔をすると言い出したのだ。
でも、先生、耳の治療って一度じゃ終わりませんよね?
こりゃ駄目だと思い、友人Tがお

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初めての獣医

まだ七ヶ月。
まだ子猫。

驚愕の事実が判明したうずらを先生は丁寧に診察してくれた。その様子から猫好きだというのがとても分かり、更に家の庭に居着いた猫を保護し、飼おうとしている私を褒めてまでくれて、なんていうか、猫好きな人は全ての猫を愛してるというのだ。

さて、診察でうずらには寄生虫の類いもおらず、皮膚病などもなく、この月齢まで外で暮らしていた割には非常に綺麗な状態であると太鼓判を押された。伝染

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