谷崎泉

細々と小説を書いています。BL、キャラ文など。キャリアは無駄に長いです。 黒柴キジトラ…

谷崎泉

細々と小説を書いています。BL、キャラ文など。キャリアは無駄に長いです。 黒柴キジトラクマ🐻と同居中。

マガジン

  • うずらの話。

    猫を飼うことになった経緯です。

  • 2020みちのく旅行記

    2020年秋の山形新潟長野の旅を記録したものです。

最近の記事

水無月は、とけい。

・壮大な愚痴ですので心おおらかな皆様向けです。 ・カバー写真が猫なのはせめてもの配慮で猫は一切出てきません。 イソップ寓話にあるオオカミ少年のお話をご存じだろうか。 正式には「嘘をつく子供」というタイトルで、オオカミが来たぞと嘘を吐いてばかりいたら信じて貰えなくなり、結果として本当に助けが必要な時に助けて貰えなかったというアレである。 あの少年には子供ながらのいたずら心とは言え、面白がるという態度が見られ、そこには悪意が感じられる為、同等には扱えないのだが、教訓としては

    • あの、国道の明かり

       全てが詰んで、もうどうにもならないと思い知って、巻き返そうという気力も失って、自分の何もかもを手放したくなった時。ふいに食べたくなったものがあった。懐かしい味をもう一度だけ、味わってから、自分を終わりにしよう。  そう決めて、乏しい金をかき集めて、故郷への旅費にした。それを使ってしまったら、本当に自分が無一文になるのは分かっていたけれど、どうせ最後だから構わなかった。  電車を乗り継いで、懐かしい町の駅に降り立ったのは、夜の十時を過ぎた頃だった。秋が深くなり、東京でも朝晩は

      • フロアタイル貼ってみた

        私にはインテリアセンスがない。 エクステリアはあるのかと言えば、もちろんないので、ざっくりセンスがないとするべきだろう。 センスと言えばファッションセンスもない。 センスのいい人に憧れるけれど、真似したところでどうにもならないと分かっている。 センスばかりは才能としかいいようがないのだ。 私もいい歳なので自分の問題点はよく分かっている。 統一性がない。 その一言に尽きる。 センスって様々なベクトルがあると思うのだが、優れている人の共通点はただ一つ。 統一性だ

        • 引越し、それは春の嵐。

          私は人生で二度、引っ越しをしたことがある。 一度目は二十歳を過ぎた頃。 それまで賃貸暮らしだった両親が家を建てたので、それに伴い引っ越した。 母は何もしない人なので、ほぼ全て私がなんとかした。 二度目は実家から出る際のもので、自分の荷物だけで、問題は大量の本だけだったから、さほど苦労はしなかった。 そんな私は昨年来、「引っ越し」に悩まされていた。 自分の引っ越しではないのに、いや、自分の引っ越しではないからこそ、苦労が多かったように思う。 この先はプライベートな内容で

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        水無月は、とけい。

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        • うずらの話。
          18本
        • 2020みちのく旅行記
          6本

        記事

          2023沖縄旅行記

          沖縄である。 これまであちこちを旅しているのだが、実は最多で訪問しているのは沖縄である。 一時は毎年沖縄の離島を訪れていた。 初めて行ったのは石垣島。 そこで沖縄にはまり、何度も石垣島を訪れ、その後、西表島や宮古島にも勢力を広げ、最終的に本島へ戻った。 というのも離島はリスクが高い。 一緒に行くクマの休みは夏が多く、夏といえば台風で、一ヶ月くらい前になると天気予報と睨めっこだった。 夏以外の季節でも乗り継ぎがあると、天候による欠航リスクが高まり、無事に着けるかな&無事に

          2023沖縄旅行記

          諦観の春

          光陰矢のごとし。 昔の人もそう思ってたんだから過剰な情報にまみれた現代に生きる我々にはカケル100くらいの光陰が矢のごとしなのだ。 とにかく月日があっという間に過ぎる。歳をとるほどに月日が過ぎるのが早い。とにかく早い。 お正月だなと思ってたら桜が咲いてGWが終わってクソ暑くて死にそうになってたらいつの間にかお盆が終わってて師走が来てる。 このスピード感が年々増しているのでこのままだと正月が来たなと思ったら年末が来そうなくらいだ。 だって、前回のアレを書いてからもう半

          諦観の春

          霜月騒動

          私は毎朝午前四時五十分に目覚ましをかけているのだが、それよりも早い、四時過ぎにラインの着信を知らせるメロディが聞こえて来た。 ベッド周りにスマホを置かないようにしているのですぐには確認出来なかったが、こんな早朝に誰だろうと半分寝ながら考えていた。 半分寝ているものだから夢の中の出来事だったのかと判断が曖昧になり、そのまま再び寝てしまった。 そしてアラームの音で起床し、何気なくスマホを確認するとラインは夢ではなく、相手は妹だった。 深夜に母が救急車で運ばれたので起きたら病院

          霜月騒動

          猫の愛。

          猫の愛は重い。 いや。そうでない猫もいるのかもしれないから、「うちの猫」とするべきだろうか。 この場合のうちの猫は、私が人生で初めて飼うことになった「うずら」である。うずらとの出会いと飼うことになった経緯はすでに「うずらの話。」で書いているので、そちらをお読み頂きたい。 生後半年以上、外の世界を生き抜いた後にうち猫になったうずらは警戒心が強く、私しか触るのを許さず、私とも距離があった。 うずらの方から膝に来てくれるとか、一緒に寝るとか。猫飼いあるあるな楽しみは得られない

          猫の愛。

          発行書籍リスト

          作家として活動しております。 これまでに発行された書籍リストを置いておきます。(2022年10月現在) 発行年などは省略しております。 気をつけておりますが、お名前の間違いなどございましたらすみません。 キャラ文芸作品 ■KADOKAWA・富士見L文庫■ 月影骨董鑑定帖1~3 鎌倉おやつ処の死に神1~3 <装画:宝井理人様> ひきこもり作家と同居します。 <装画:高野苺様> 高遠動物病院へようこそ!1〜3 <装画:ねぎしきょうこ様> 老舗酒蔵のまかないさん~初夏の梅酒と七

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          2020みちのく旅行記6

          四日目。 長野から我が家まで。 さほど遠くはないので、朝食後に宿を出たら昼には着いてしまう。何処かへ寄って行こう…と相談し、久々に善光寺へ行くのを決めた。 行ったことのない戸隠神社にも惹かれたが帰宅日であるのを考慮し、手近で済ませるとした。 牛に引かれて善光寺参りということわざで有名な信州善光寺。 最後に参詣したのは十五年以上前で、久々に訪れた寺近辺はすっかり綺麗になっていた。どこもかしこも似た感じになっていくのはコンサルタントだのマーケティングだのの影響なんだろうか。必

          2020みちのく旅行記6

          2020みちのく旅行記5

          三日目。 新潟を出て長野へ向かう。 観光のメインは山形と考えており、その先は移動ついでに何かあったら寄ってみようみたいなアバウトさだった。 新潟。ご飯は美味しいし、日本酒も多いし、最高なんだけど、如何せん、観光するところが…その、あまりない…。 行ってみたいなと思ったのは佐渡島で、それはさすがに無理だ。それでも、「旅をする時は車以外の乗り物に一度は乗る」というポリシーに基づき、観光船を調べてみたところ、あったのだ。 月岡温泉のすぐ近く、しかも移動方向に。 阿賀野川ライン下

          2020みちのく旅行記5

          2020みちのく旅行記4

          二日目。 銀山温泉の旅館でローカルニュースの天気予報を見ていたら濃霧予報というのがあった。中部地方では見かけない予報である。 こんな予報が出るほど濃霧が出るのかなと不思議に思いつつ、宿を出たが、前日の曇り空が嘘のように晴れていて、真っ青な空に心踊った。 こんなに天気がよかったら紅葉も楽しめるねとうきうきしながら車を走らせて間もなく、あっという間に前が見えなくなった。 マジ濃霧。そりゃ予報もいるわなという濃霧ぶりであった。 (先が見えない…) そんな濃霧を抜け、羽黒山を目

          2020みちのく旅行記4

          2020みちのく旅行記3

          グーグルマップ先生に尋ねてみると、宿までの所要時間は約九時間。宿へ行く前に二つ寄りたいところがあったので、午後三時から四時頃に宿につこうと思って逆算していくと…家を出なきゃいけないのは深夜十二時だということが判明した。 ほぼ車中一泊である。 全ての用事を段取りよく済ませ、早めに就寝し、十二時に起きて出発。現地は雪という情報もあったので、極寒→普通寒→小寒の全てに対応出来るような用意をした。 ここが車旅のいいところで、こんなに持てないから荷物の量を減らさなきゃとか考えなくても

          2020みちのく旅行記3

          2020みちのく旅行記2

          2020、コロナ禍における経済対策として始まったGOTOトラベル。宿泊代金の割引に加え、地域共通クーポンなるお小遣いも貰える太っ腹な施策は、第三波の影響を受け、年末年始は運用停止となったわけであるが、私が旅した十一月中旬はまだその気配には遠かった。 そもそも宿の手配などをしたのは施策が始まって間もなくの…夏の頃だった。 よし、GOTOするぞとなったものの、以前から行きたかった旅行先には難がある。出来るだけ公共交通機関を使わず、自家用車で移動したかったので、沖縄や長崎は難し

          2020みちのく旅行記2

          2020みちのく旅行記1

          初めて東北を訪れたのは、十年以上前のこと。 福島の秘湯と言われる温泉を目当てに車で向かった。新潟を抜けてようやく福島に辿り着き、ああ、やっぱり遠いなあとしみじみ思った。 夜中に出て、昼前に着き、会津若松城を見て温泉へ。玉子湯という有名な温泉宿では名古屋から車で来たのか、それは遠いなと驚かれた。噂に違わず素晴らしいお湯で、ご飯も滋味深くて感動した。 福島には小さな思い出があった。 中学か高校の頃だったと思う。その時住んでいた家の近くに建設会社の寮が建ち、そこに住み始めたサブ

          2020みちのく旅行記1

          猫の可愛さ

          うずらが庭にいた頃に姿を見せていた猫さんたちは、うずらを家に入れた後、ぱったり見かけなくなった。 一体、あの子たちは何処から来ていたのだろう。知らないだけでご近所では意外と猫さんを飼っているお宅があって、その子たちが様子を見に来ていたのかもしれない。皆、まるまるとしていて貫禄があって野良さんという感じでもなかったし。 そして、最大の疑問はうずらが何処からやって来たのか?ということだ。 母猫が産み落としていったというわけでもなく、いつの間にか住み着いていたというわけでもなく、

          猫の可愛さ