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9割のイラストサイトは仕事の役に立っていない

【いしつく!の教科書 まえがき】
イラストサイトを自作してみたけど、仕事の問い合わせなんか全然来ない……というイラストレーターさんへ。また、これからイラストサイトを作りたいけど、どうしたらいいのか……と思っているイラストレーターさんへ。

この記事は、「いしつく!の教科書」のまえがきとして書きました。ウェブサイトを仕事に役立てたい、ちゃんと仕事を受注できるウェブサイトにしたい、というイラストレーターさんのための記事集です。


イラストレーターのウェブサイトの大半は、問い合わせの来ない無駄サイト

私はこれまで、100名以上のイラストレーターさんとお会いしてお話ししてきました。最近は当然のごとく、ほとんどのイラストレーターさんがウェブサイトを持っています。

私は必ず聞くようにしています。「そのウェブサイトから、仕事の問い合わせが十分来てますか?」と。

すると、ほとんど全員が「いいえ……」と答えます。

「はい、それなりにですけど、来てますよ」と即答してくれたイラストレーターさんは、たったの数名でした。

イラストレーターさんの多くはウェブの知識がほとんどないですが、それでもなんとかがんばってウェブサイトを作ります。ウェブサイトが必要だと思っているからこそでしょう。

なおかつ、なぜそこまでがんばるのかといえば、ウェブサイトから仕事を受注したいと望んでいるからに他なりません。

なのに、仕事の問い合わせが来ない。せっかく時間をかけて作ったのに。勉強しながら作ったのに。これでは、仕事のための投資としては全く無駄ということになってしまいます。

なぜそうなってしまうの?
いしつく!の教科書」は、そんなふうに思っているイラストレーターさんに読んでいただきたくて書きました。


地方在住・経験ナシ・コネ人脈ナシでも東京の大手出版社と取引できたイラストレーターの話

そもそもウェブサイトを仕事に役立てること自体が無理なのでは?

そう思っているかたに、私の体験をお話しします。

私はあるとき会社勤めをやめて個人事業主となり、イラストレーターとしての一歩を踏み出しました。インターネットは十分普及していましたが、SNSなどはその走りがようやく現れ始めた頃の話です。

独立したはいいものの、出版社などにコネや人脈があるわけでもなく、しかも地方在住です。最初は全く仕事がありません。

イラストレーターの取引先として今も最も多いのは出版社ですが、その大半は東京にあります。少ない貯金を取り崩して生活するなか、東京で営業行脚をするのは金銭的になかなか辛い……と思いました。

そこで、私はウェブサイトを作りました。昔はCGIプログラミングが流行っていて、経験が多少あったのです。イラストを掲示したり、CGIで問い合わせフォームをつけたりしました。

首尾よく、とある広告代理店からイラスト制作を受注するに至りましたが、後から思えばこの1件は単なるビギナーズラックでした。その後しばらくは散々で、飲食店から「タダで描いて」とか、一般の人から「イラスト素敵ですね!応援してます」とか、有料掲載パンフレットの営業とか、そんな問い合わせしか来ませんでした。

転機となったのは、ウェブ寄りの仕事でとあるネットショップ運営会社のお手伝いをしたことでした。

そこのメンバーはこう言っては何ですがそれほど、ウェブやデザインのエキスパートというわけではありませんでした。ですが、ショッピングサイトを良くするために皆情熱をかけていたので、そこで私はクリティカルなことを学びました。

売上を上げるためには、まず何よりお客様から信頼を得ることが大事。お客様がそのショッピングサイトを見てどう思うか、本当に安心して買物できるか。徹底的に調べ、想像し、改善を繰り返すこと、ウェブサイトは育てるものだと知りました。

振り返って、自分のイラストサイトはどうだったんだろう。自分はプロのつもりでいたけど、「絵の好きな素人が発信したくて作ったイラストサイト」に見られていなかったか。

そこから私は、ウェブサイト制作についての本を買いあさりつつ、イラストサイトのリニューアルを繰り返しました。

そうするうちにきちんとした企業からの問い合わせが舞い込みはじめ、日本人なら誰もが名前を知っている大手出版社や大企業、数百万部を発行する媒体など貴重な経験をさせていただけるようになりました。


ウェブサイトは、ちゃんと作れば強力な仕事の窓口になってくれます

せっかく時間をかけてイラストサイトを作ったのに、全く仕事の役に立ってくれない。そう嘆いているイラストレーターさんが大勢います。

なぜそうなってしまったのかというと、それは、ウェブサイトの作りかたが間違っているからです。

ウェブサイトなんか作ったって仕事の問い合わせなんか来るわけない、というのは僻みです。ましてや、あなたのイラストが良くないからでもないんです。

イラスト仲間のやっていることを横目で見ながら真似をして、これでいいのかな?正解はわからないけどなんとなくこうしよう……を繰り返して作ると、ほぼ間違いなく、仕事の役に立たないイラストサイトができあがります。

では、どう作ればいいのか?

とてもひとことでお伝えできるものではないので、そこで「いしつく!の教科書」を書くことにしました。

ぜひ、あなたのイラストサイトも仕事の取れるウェブサイトに作り変えてください。決してかんたんな道のりではありませんが、取り組む意味は大きいはずです。あなたが営業が苦手だったり、口下手だったりするならばなおさら、ウェブサイトを育てて強い味方になってもらいましょう。

イラストレーターさんに素敵な仕事が舞い込みますように。

いしつく!の教科書は、以下の5章で構成されています。

1章では、ウェブサイトについてイラストレーターさんの多くがしている勘違いを挙げます。

2章では、イラストサイトが仕事の問い合わせ窓口として機能するために、どう作り、どう利用していくべきか、といういわば「作戦」をお伝えします。

3章では、その作戦にそってウェブサイトを作るための準備のしかたをお伝えします。料理でいうと、材料の揃えかたと下ごしらえです。サーバーの話、プロフィール文の書きかた、画像の準備のしかたなどが登場します。

4章では、実際に運営され仕事の役にも立っているイラストレーターの業務サイトを、スクリーンショットを交えながら、なぜそのレイアウトになっているのかを詳しく説明します。オシャレなデザインを作るのではなく、配置には意味があることに注目してください。

5章では、作ったウェブサイトをそのあとどう活用していくかについてお伝えします。SEOの話や、現実の営業に役立てていく方法が登場します。

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お好きなところだけ読んでいただいても構いませんが、できれば全体を通して読んでいただくほうが、仕事の役に立つはずです。特に「作戦」をお伝えする2章は読んでいただくと他の理解も深まると思います。

ベテランだけどウェブ活用とか全然わからなくて、というイラストレーターさんや、これからイラストレーターになりたいけどnoteやSNSで自分の絵を流す以外に何をしたらいいかわからない、という方に読んでいただきたいです。

いしつく!の願いは、イラストレーターに対するやりがい搾取的な買い叩きがなくなることです。しかしそのためには、多くのイラストレーターさんがビジネス意識をしっかり持つことが必要だと考えています。

ウェブサイト作りに取り組むことが、そのきっかけになり得ます。決してかんたんなものではありませんが、時間を割くだけの意味はきっとあるので、ぜひ読んでみてください。


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00年代にイラストレーターとして独立、地方在住&営業困難だったのでウェブサイトを活用したら、大手出版社や企業との取引がいっぱい舞い込む結果に。制作実績:朝日新書、週刊文春、リクルート、飛鳥新社、あまから手帖、ダスキン機関紙などなどなど。現在はウェブコンサルタントとしても活動
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