初恋の重さ
私は相手の初恋相手になると言ったら、大方の人はまさかと思い自信過剰と捉えるかもしれない。
初めての相手側は小学校二年生の時、帰り道に車道を挟んだ向かい側に二人の女の子が歩いていた。AちゃんとBちゃんだ。
Aちゃんは虚言癖があり、クラスでも近寄るのはBちゃんくらいだった。Bちゃんは何事かAちゃんに相談し、投げキッスをしてきた。
逃げた。
そんな二十何年前のことを覚えているかというと、猛烈な拒否と嫌悪からである。AちゃんもBちゃんも一色は嫌いだった。正直、関わり合いたくなかった。
だが、なぜ嫌いだったか覚えていないので、生理的に受け付けなかったのだと思う。数年後、Bちゃんは一色と同じ中学に入学し、バレーボール部に入った。
そんなに気になるって、もしかして…。
いや、そんな生易しい物ではない、運動部にいるのに背中が曲がって目元は暗く、希望を感じさせなかった。不気味で触りたくない重い目だった。
人生で初めて女の子の恨みを見た。そう感じた。