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エッセイ | ショートパンツは座った時が1番恥ずかしい

暑い。暑すぎる。どうして毎年こうも暑くなるのか不思議でならない。こんなにも暑いとロングのチノパンを毎日着ている私はかなわない。

「ロングのチノパンしか着ません!」というような強いこだわりがあるわけでもないためより涼しくなるパンツを着たいのだが、では何を着ようかと考えると頭に浮かぶのはショートパンツしかない。

最近は出かける先でショートパンツの人をよく見かける。「涼しそうでいいな」と私は思っており、この暑さに耐えかねて私もショートパンツを着ることにした。


とりあえずお店に行って商品を眺めてみるとたくさん種類がある。素材が違ったり、機能が違ったり、さまざまなショートパンツが存在している。店頭に並んでいるものは思ったよりも短くなく、「これなら着られそうだな」と思いながら物色していた。

良さそうなものを2つ選んで購入した。これで夏の暑さともおさらばできると思うとすでに涼しくなった気分になる。

お店を出て歩いていると、行き交う人々の中にもショートパンツを着ている人がたくさんいる。私も今度からはこの中のひとりになると思うと、「先人たちのコーディネートを参考にしてなじめるようにしないと」と考え、視界の端でチラチラと追うようにしていた。


家に帰った私は買ってきたショートパンツを早速着てみた。どんだけ涼しいのだろうかと期待に胸を躍らせている。

「思っていたよりも涼しい。パンツが短くなっただけでこんなにも変わるのか」パンツしか着ているものは変わっていないのに、体感温度が全然違うことに私は驚いた。

歩きながら鏡の前に来るとショートパンツの短さにまた驚いた。
「こんなに短いの? お店で見た時はもっと長かったと思ったのに」だまされた気分になった。だが、街中で見かける人たちもこんなものだったと思い自分を納得させた。

まずは近所への買い物の時にでも着てみようかと考えながら椅子に座る。繊維強化プラスチックの座面が太ももの裏にあたりひんやりと冷たい。

座った時の私の足を見てまたも驚かされる。「こんなに丈が短いのか……」立っている時のショートパンツとは別物かと疑ってしまうくらい短い。私の足が今までに見たことないくらい露出している。

人前で座るには勇気がいる。電車に乗っても座れないのではないかと思ってしまう。


私の足がどれだけ見えていようと、他のショートパンツを着ている人と比べたら遜色がないのは分かっている。私なんてそこまで気にもされないことも理解している。

ただ、どうしても恥ずかしさはある。まずは散歩の時にでも着てみよう。



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