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#51 えっ、沖縄は日本の捨て石だったの?【一笑門 マガジン】

どうも、伊志嶺海です。

このマガジンでは、毎朝配信しているPodcastプログラム「伊志嶺海【一笑門 RADIO】」の内容を発信しております。

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※今回の内容はあくまでも諸説があり、多くの学者によって言われているものの事実でない部分も含まれている可能性は0ではございませんので、あらかじめご容赦ください。

おはようございます。伊志嶺海です。

「日本の夜明けを創る。」を合言葉に、相棒とともに夜明創造プロジェクト旦 -TAN-を運営しております。

今日は沖縄と米軍の歴史についてのお話です。

今からおよそ78年前に、太平洋戦争(第二次世界大戦)があらゆる場所で巻き起こり、多くの犠牲者が出ました。世界史においてとても悲しく悲惨な出来事です。

今日8月6日は広島県に原爆が投下されてからちょうど78年となる日で広島市の平和公園で「平和記念式典」が行われています。原爆によっておよそ14万人もの死者と、およそ8万人もの負傷者が出ており、その被災率は63%にも上りました。

相応しい場かどうか分からず恐縮ですが、ここで哀悼の意を表します。

また、僕の故郷である沖縄県も、アメリカ軍が島に上陸して非常に悲惨な戦場となった場所です。沖縄はあっという間にアメリカ軍に占領されてしまうのですが、その呆気なさのあまり、激戦を予想していたアメリカ軍は「ピクニック気分だった」などの記録もされているようです。

しかし一方で、アメリカ軍を沖縄に引き入れたのは、戦いを長期化させて本土攻撃を遅らせるための日本の作戦だったとも言われており、となれば沖縄は日本にとって「捨て石」だったということになります。

アメリカ軍を引き入れたことにより住民を巻き込んだ戦いが展開されることになりました。このことが住民含む20万人以上の犠牲者を出す結果となったのです。

簡単に制圧されてしまった沖縄ですが、沖縄に上陸したアメリカ軍は、占領地域に対して軍が直接行政を行うと宣言したのです。沖縄は以後27年間、アメリカ軍に占領されることになりました。

このときアメリカ側はこのように考えていたと言われています。

「歴史的にも文化的にも沖縄は日本と区別される。日本人によって差別されてきた沖縄の人々は、日本に帰属することを望んでいない。」

楳澤 和夫「これならわかる沖縄の歴史Q&A〔第2版〕」, 大月書店, 2020年5月

そこで、日本政府とは別の政治組織を沖縄につくり、アメリカの民主主義の考え方を植え付けることがアメリカの役割だと考えていました。沖縄を日本から分離させようとしたわけです。

なぜアメリカがわざわざこのようなことをしたかというと、戦後の米ソ対立を想定し、日本から米軍基地をなくす代わりに、沖縄を日本から切り離して軍の要塞にし、アジア戦略の中心に位置付けようとしたのではないかと言われています。

そこからアメリカ軍政府は沖縄の各地区から選んだ住民の代表128名を石川市に集め、そこからさらに15名の委員を選出し、沖縄に新しい中央政府を作る準備機関として、沖縄諮詢会が設けられます。本土とは違う独自の政治機構を沖縄に作ろうとしたわけです。

しかし、アメリカが本土を占領するようになると、アメリカの関心は本土に向くようになりました。沖縄への関心はだんだんなくなり、予算は縮小、軍政要員も本土に引き抜かれていきます。しまいには沖縄を日本から分離するのか、それとも日本に返還するのかといった議論も起こり、結局今後どうするかもまとまらず、1946年〜1949年の3年間は「忘れられた島」として混乱状態が続いたんです。

沖縄は27年もの間アメリカの統治を受けることになりますが、1972年に本土復帰を果たします。あまりにも厳しい27年間であったこともあり、沖縄県民の日本復帰に対する期待はものすごく大きかったと思います。

しかし実際は、「米軍基地問題は一向に解決しない」、「米軍の不祥事は頻繁に起こる」、「軍用機の騒音問題や部品の落下」、「県民1人あたりの所得全国最下位」などなど、とてもポジティブな状況とは言い難いです。

令和4年の沖縄振興予算はなんと300億円もカットされました。昨年は本土復帰50周年で県民が一丸となりこれからの沖縄を盛り上げていこうと改めて歩み出した1年でもありました。

これからは日本政府に頼りすぎるのではなく、沖縄県が自立していく道も本気で考えていく必要があると思います。日本政府に期待ばかりせず、沖縄県でできることは自ら徹底して取り組んでいき、日本とタッグを組んでWin-Winになるものは積極的に協力していくという、ある意味フリーランス的な立ち回りのできる沖縄になるべきだと思います。

戦争をご経験された高齢の方もかなり減っていく一方で、世界ではロシア・ウクライナをはじめとする戦争はなくならず、そして日本は日本で人口減少の一途を辿りながら成長のない30年だと言われています。

若い世代である今だからこそ、これからの沖縄、そして日本がどうするべきなのか、自分なりに考えていきたいと思います。

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