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第二章 初のアメリカツアー

「#17 遂に海外へ」

人物、バンド名等説明
・ GABBA
:CHAOS U.K.のギタリスト。現在FUKというバンドで活動中。
・ HG:FACT:1990年代に、日本のHARD CORE PUNKバンドの作品を 活発にリリースしたインディーズレーベル。
・ 佐藤君:HG:FACTの運営者。雑誌「フールズメイト」での業務経験もあり、俺たち周辺とは旧知の間柄。
・ KGS:1980年代から埼玉で活動していたHARD CORE PUNKバンド。
・ EIEFITS:2012年頃、元LIP CREAM、THE COMESのベーシストMINORU、The heckのボーカルSAHO、FAMILY MANのドラムTAMAZOU、FORWARDのT.Tで結成。現在はThe SlowmotionsのドラムIZUMIが参加。
・ UGLY POP:HARD COREをリリースするカナダのレーベル。

#17 遂に海外へ

 新しいバンドFORWARDを結成し、レコードやCDなどの作品を発売して全国ツアーを回った。さらに俺の一番好きなバンドであるCHAOS U.K.との日本ツアーが決定する。
 こうして新しいバンドをスタートさせたが、実際バンド活動を始めてからの話は、全て自著『ISHIYA私観 ジャパニーズ・ハードコア30年史』(株式会社blueprint)。Note連載「ISHIYA私観 平成ハードコア史」第一章第二章第三章第四章』に書いてあるので、読んでいただければ全ての流れは分かる。
 なるべく今まで出版していない話を書いて来たが、「ISHIYA私観 ジャパニーズ・ハードコア30年史」には書かれていない話の中で、読者が知らない部分がかなり多いものが海外ツアーに関する話だと思うのだがどうだろうか?
 新バンドFORWARDを結成し、1998年にCHAOS U.K.との日本ツアーを行うことで、それまでずっと持ち続けて来た海外進出を現実のものとするために具体的に動き出した。
 CHAOS U.K.とのツアーを終えた後、メンバーと「本格的に海外ツアーを行いたい」という意見にまとまり、CHAOS U.K.のギタリストであるGABBAに手紙を書いた。
 SOUICHIが家に来てくれて手紙を書いたのだが、英語が堪能なSOUICHIはそれまでにも海外と手紙のやりとりなどをしていて、具体的な方法を知っていた。
 実際に海外での生活経験もあり、現実的に海外というものを知るSOUICHIがメンバーにいるのは非常に心強く、誰かを介して連絡をするのではなく、メンバーの意思をダイレクトに伝えられるコンタクトを初めてできたのである。
 間もなく届いた返信には「最初は鉄アレイを呼びたい」という意向が記されていた。FORWARDは駆け出しバンドであり、それまでの実績などからすれば納得せざるを得ない内容ではあったが、個人的には非常に悔しい思いをした。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!