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日本BL映画「窮鼠はチーズの夢を見る」

主演: 大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ
2020年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=ファントム・フィルム公式サイトより)

ついにジャニーズもBL‼︎

「ボク、歌手だけど主演俳優やっちゃうよ」シリーズ、最初はK-POPアイドルを採り上げたが、アイドルといえば日本、日本といえば、そう、ジャニーズである!
この映画の制作発表を聞いた時、誰もが驚いたのではないだろうか。まさかジャニーズがBLをやる日が来るとは思ってもいなかった。というわけで、第2弾は日本。

あらすじは公式サイトより

すでに漫画作品としても有名なものなので、あらすじはファントム・フィルムのサイトより:

学生時代から「自分を好きになってくれる女性」ばかりと受け身の恋愛を繰り返してきた、大伴恭一(大倉忠義)。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、二人は一緒に暮らすことに。ただひたすらにまっすぐな想いに、恭一も少しずつ心を開いていき。。。しかし、恭一の昔の恋人・夏生(さとうほなみ)が現れ、二人の関係が変わりはじめていく。

やはり安定感、成熟度のあるストーリー

私はいつも日本以外のアジアBL作品ばかり観ているが、こうして久しぶりに日本のを観ると変なツッコミどころもなく安定感がある。もちろん漫画が原作だし、ジャニーズだから変なものは出してこないだろう。新人や無名のアイドルなどを出す他の国のBLに比べると、その点日本はもはや成熟市場なので、それなりに経験のある俳優などが出てくる。そしてストーリーも漫画や小説原作にしろ、オリジナルにしろ、さまざまな設定や背景があり、高校生などのCOMING OF AGEものばかりでなく、登場人物の年齢層も幅広い。私はBL漫画やBL小説は読まないが、もっと様々なストーリーがあるのは想像できる。

チェリまほもそうだが、やはり日本で職業的には人口の多いサラリーマンが主人公というのは現実味があり、しっくりくる。警官とヤクザとか、おぼっちゃまとボディガードとかもまあ、ドラマとか映画ってわかってるからいいんだけど。
大倉君は受け身で、優柔不断っぽい恭一の役をとてもうまくやっていたと思う。私はジャニーズは歌は嵐以外は聴かないし、ドラマ・映画では草彅君やニノといった黄色派で、正直関ジャニは全く興味がなくて、ニノと一緒にドラマに出てくる子ぐらいしか昔はわからなかった。しかし、ちょっと前に大倉君が出演した「モンテ・クリスト伯」もよかったし、今やっている「知っているワイフ」もいい。ある意味似たような役柄だが、今の彼にはあっている。
ラブシーンも女相手に、男相手に、きちんとやっていたので、ジャニーズも変わったなぁと感心しながら見てしまった。

成田君はすでに「ニワトリ★スター」とか観たので、またエキセントリックな感じかなと思ったら、何だか7年間も想い続けて、ストーカーみたいで暗い(笑)。スマホのデータ復元とか頼んじゃいけないタイプ。しかし、そんな役もまた彼だから良かったと思う。
でも成田君、一言言っていい???
「痩せすぎ!!」
この映画は韓流オタク友と一緒に鑑賞していたのだが、韓流俳優をいつも観ている彼女、華流&タイ俳優をいつも観ている私、思わず裸のシーンで二人で叫んでしまった(笑)!

窮鼠は誰だったのか?

結局、恭一以外は全員、程度の差はあれ追い詰められていたのではないだろうか。
まずは恭一の妻。離婚したいが切り出せない。探偵を雇って何か原因になる証拠を掴みたい。そして彼女はある意味、別のチーズを手に入れた。
恭一の元カノの夏生。恭一を取り戻すために必死で、渉と女の意地をかけて張り合う。
恭一の部下および後の婚約者となるたまき。彼女は自分の家庭環境、そして恭一の両方から追い詰められたといえるかもしれない。
そしてずっと恭一のことを好きだった渉。恭一を好きになったが最後、ずっと追い詰められていた人物像だといえる。最初は片想い。やっと気持ちが通じ合ったと思ったら嫉妬。最後に捨てられる絶望。
みんなが欲しがったチーズは、のんびりと一人でまたどこか別の冷蔵庫でも探すことにするのかもしれない。

こちらの記事では他にも私も感じたことをそのまま語ってくださっているので、ぜひぜひご覧ください(ネタバレありですが)↓

こちらは予告編。現在この映画はAmazonプライムで視聴可能。


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