日本ドラマ「地面師たち」(&原作小説)
主演:綾野剛、豊川悦司、
2024年 全7話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=Netflix公式サイトより)
原作小説『地面師たち』 新庄耕 2019年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
人気ですねー、このドラマ!
毎日のように色々な方の感想記事がアップされているが、私も観ようと思っていたので、まだ一本も読んでいない。この記事をアップしたら読みに伺います。
ネトフリに出てきて、いつか観ようかなーぐらいにしか思っていなかった本作、偶然こちらの記事を読み、原作に興味を持ったので、まず原作を読んでみた。
原作が面白くて、ほぼ一気読みしてしまったので、早速ドラマも視聴した次第(視聴中の中国ドラマ、どうする⁉️)。
こちらの記事では、いつもの如く原作小説とドラマの比較が入るので、多少のネタバレはあるかもしれません。
ドラマで良かったのはここ!
あらすじなどについては、もう色々な方が書いているので、省略。原作のことも書きたいので、私が気に入ったことなどについて書いていきたい。
キャストが良かった!
本作、タイトル間違ってない?いやもう、これこそ『日本で一番悪い奴ら』でしょう!(笑) この映画好きだったなぁ。
綾野剛と豊川悦司だけでなく、ピエール瀧、北村一輝、小池栄子、本当に悪い奴をやらせたら一流のキャストが集合。
被害者となる駿河太郎と山本耕史もうってつけの役。ビジネスにもギラギラしてるし、愛人ともギラギラやっちゃうところなんかも、彼らならでは出せる雰囲気だったと言える。
尼ちゃん役の松岡依都美の裏表ある役も面白かった。彼女のプロフィールを見たら、「寺巡りが趣味」なんてなっていたが、お経はもともと知ってたのかな。
石洋ハウス事件、うまくアレンジされていた!
全体的なプロットは原作に沿っているものの、ドラマで大きく変わっているのは、尼ちゃんこと川井菜摘が地面師たちにつけ込まれてしまう弱点。
ホスト狂い(原作では単に愛人がいる)に設定することにより、よりストーリーにもビジュアル的にもインパクトがある展開になっていた。
他にも細かい設定はいくつか変えられていたが、どれもドラマとして説得力があるものになっていた。
綾野剛がやっぱりいい!
いや、なんだかんだ言って、綾野剛が好きなんだな。推しとかそういうんじゃないけれど、彼の出演する作品はなんとなく気になって観てしまう。
元々は『GANTZ』や『セカンドバージン』からずっと気になる存在だったと思う。
本作では、黙々とハリソン山中の下で仕事をしているものの、大きな闇を抱えている、そんな表情がなかなかいい。ホストの下っ端になって下手に出ると思えば、尼ちゃん相手にヤリまくっちゃう。
派手なアクションはないけれど、拓海という役の中に、彼の魅力が思う存分含まれていたと思う。
本作では豊川悦司の評価が高いが、実は私的にはちょっとコレジャナイ感があった。これについては、下の原作の方で書いてみよう。
原作で良かった点
ドラマで気に入った点を上に挙げてみたが、ドラマには反映されていなかった、今度は原作で気に入った点を挙げてみたい。これは全て、ドラマのキャストとも関係している点でもある。
長井と拓海の関係
原作である意味とても気に入っていた部分が、拓海とニンベン師の長井が知り合う過程。短いエピソードではあるけれど、ドラマでは端折られているし、人物像も全く違う。どう違うかは是非原作を読んでほしいが、少なくともイメージ的に染谷将太ではなかった。
ドラマの長井は割とチャカチャカと、ビジネスライクに詐欺に参加している印象だが、原作ではちょっと違う。うーん、難しいが、『池袋ウエストゲートパーク』の高橋一生みたいな感じが近いかな。
執着心が感じられた辰刑事
警察側の設定は、ドラマは結構違う。まず池田エライザはいない。定年前の、なんかうだつの上がらない雰囲気は、リリー・フランキーも悪くはなかったが、ちょっと地面師たちへの事件へのこだわり、執着が低かった印象。
捜査の進展具合が、ドラマでは異なるので、まあ、甲乙つけ難い点もあるが、原作は続編も出たようなので、ちょっと若いかもしれないが、上川隆也みたいな、正義へのこだわりもあり、粘着力のありそうなキャストが良かった気がしないでもない。
ハリソン山中、ちょっと違う
しかし、一番イメージが変えられていたのはハリソン山中だった。キャストとして豊川悦司は良かった。
原作ではハリソンは、ヤクザ上がりの根っからの詐欺師。しかしドラマでは、どちらかというと人殺しが好きなサイコパスっぽい描かれ方がしていた。
原作では、人を使って殺人はするが、自分の手は絶対に汚さない、より狡猾な人物像。詐欺も地面師だけではなく、なんでも手がけてそうなもっと怪しい雰囲気であると感じた。
ドラマではハリソンに、「土地」や「獲物」といったものに関する独自のフィロゾフィーを披露させ、それはそれで面白かった。ただ、原作の方がよりミステリアスな面も持ち合わせていたと思う。
豊川悦司は十分そういう特徴を出せるので、ちょっとドラマの人物像が個人的には物足りなかった感があったのである。
💰💰💰💰💰💰
これから観ようという方には、まず原作を先に読むことをオススメしたい!設定が変えられたり、アレンジされたりしている点で、原作ならではの良さ、ドラマならではの良さを両方感じ取ることができるのではないかと思う。
原作の方は続編『地面師たち ファイナル・ベッツ』が出版されたばかり。あー、まだ単行本価格だから、高いなぁ。Kindleで読む身としては文庫本価格になるまで待ちたいが、読みたいなぁ。
こちらが予告編。