「遺跡を学ぶ」通信

シリーズ「遺跡を学ぶ」などおもに考古学関連の書籍を編集しています。刊行の予定や編集の一…

「遺跡を学ぶ」通信

シリーズ「遺跡を学ぶ」などおもに考古学関連の書籍を編集しています。刊行の予定や編集の一コマをお知らせいたします。

最近の記事

【勅使河原先生の縄文検定】 最終第10問

『縄文時代を知るための110問題』の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第10問 縄文時代に何を学ぶか?   ↓ 【答え】 自然と共生し、スローライフを選択した縄文時代に学ぶことは多いと思いますが、みなさんは縄文時代から何を学びますか。  面積が約五四九〇万平方キロ、約四七億の人びとが生活をする世界最大の大陸、ユーラシア大陸の東端に、南北に弧状をなして大小の島々

    • 【勅使河原先生の縄文検定】 第9問

      『縄文時代を知るための110問題』の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第9問 縄文時代に戦争はあったか?   ↓ 【答え】 縄文人は、人を殺傷する目的をもった武器というものをつくらなかったし、武力による集団間の争いである戦争もおこなわなかった。  戦争とは、武力による集団間の争いのことである。そして、戦争は、弓矢や剣などから鉄砲、機関銃、長距離砲が生まれ、やが

      • 【勅使河原先生の縄文検定】 第8問

        『縄文時代を知るための110問題』の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第8問 縄文時代に身分階層はあったか   ↓ 答え 複雑で高度に組織化された社会であることから、首長や貴族などの身分階層があったとの主張もあるが、特定の身分や階層の制度はなかったと考えられる。  縄文時代が複雑で高度に組織化された社会であることから、その社会を指揮する首長層ないし貴族層などの

        • 【勅使河原先生の縄文検定】 第7問

          『縄文時代を知るための110問題』の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第7問 土偶って何?   ↓ 答え 土偶の用途は縄文社会の呪術や信仰、祭祀などにかかわる道具であったことは間違いないが、一義的なものではないだろう。考古学界ではいまだ大きな謎の一つ。  土偶の古い用例は、平安時代中期の承平年間(九三一から九三八年)ごろに編纂された『倭名類聚抄』の「祭祀具第

        【勅使河原先生の縄文検定】 最終第10問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第6問

          『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 「縄文時代に弱者のケアはあったか?」  縄文時代にもケガをしたり、病気になった人はいたはず。こうした人たちは・・・。   ↓ 答え 縄文人は、社会的弱者のケアをおこなっていた。  縄文人骨は、骨折例が多いことで知られている。その頻度は五パーセント前後と高く、男女比では、男

          【勅使河原先生の縄文検定】 第6問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第5問

          『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第4問 縄文人は蕎麦を食べていたか?       ↓ 答え 縄文人は、ソバを栽培していなかった(つまり食べていなかった)というのが、最新研究からの結論である(小畑弘己『東北アジア古民族植物学と縄文農耕』同成社、二〇一一年)。  タデ科のソバは、寒くてやせた土地でも栽培でき

          【勅使河原先生の縄文検定】 第5問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第4問

          『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 第4問 竪穴住居に住んでいたのは何人家族か?       ↓ 答え 一組の夫婦とその子どもからなる単婚家族を基本とし、それに祖父母や兄弟姉妹が同居する、いわゆる拡大家族だった、と私は考えている。  社会生活の基礎単位となるのが家族であるが、縄文時代の住居の家族構成を証明す

          【勅使河原先生の縄文検定】 第4問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第3問

          『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 【第3問】縄文人の主食は何か?      ↓ 【答え】植物質食料、なかでもドングリ、クリ、クルミ、トチなどの堅果類を主食としていた。  約一万一五〇〇年前にはじまる完新世の日本列島は、その大部分が落葉広葉樹林と照葉樹林でおおわれ、そこにはドングリ、クリ、クルミ、トチなど

          【勅使河原先生の縄文検定】 第3問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第2問

          『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行記念。 著者勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」。 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 【第2問】縄文時代はいつ終わるか?      ↓ 【答え】日本列島で水稲農耕が開始される弥生時代の開始をもって、その歴史を閉じることになる。  縄文人は、早い時期から栽培植物を利用していながら、日本列島が畠作に不適な自然条件ということもあって、列島の環境の多様性を最大限

          【勅使河原先生の縄文検定】 第2問

          【勅使河原先生の縄文検定】 第1問

          近刊『縄文時代を知るための110問題』(11月8日出荷開始)の刊行を記念して、著者の勅使河原彰さんが本書から厳選した10の「問題」を、出題します。 11月8日~不定期開催。#新泉社 #縄文時代 https://www.shinsensha.com/books/4447/ 【第1問】縄文時代はいつから始まるか?      ↓ 【答え】いろいろな考え方があるが、いまから約一万一五〇〇年前、完新世初頭。早期初頭、関東地方の土器編年で撚糸系土器の時期がふさわしい。 【解

          【勅使河原先生の縄文検定】 第1問