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【i.schoolから通年生/修了生への3つの質問!】2021年度修了生_中島さん

イノベーション教育プログラムのi.schoolではどんな学生がどんな思いで学んでいるのでしょうか?i.schoolの通年プログラムに実際に参加してきた通年生・修了生の声を、3つの質問に答えてもらう形でお届けします! 今回は、2021年度に公募にて修了をされた中島さんに、i.schoolの様子について紹介してもらいました!

目次
質問1:i.schoolに応募しようと思った、入ろうと思ったきっかけは何ですか?
質問2:i.schoolでどんなことをしたかったのですか?もしくはこれからやってみたいことはありますか?
質問3:実際にi.schoolに入ってみて、どうでしたか?
最後に一言!


中島千鶴/ Chizuru Nakajima
2021年度i.school修了生(公募)

質問1:i.schoolに応募しようと思った、入ろうと思ったきっかけは何ですか?

 i.schoolには、社会人学生として働きながら大学院に通っていた修士2年の時に参加しました。所属していた大学院では、修士1年の前期にイノベーション創出に関するPBL型の授業があったのですが、ツールやメソッドを覚えて使いこなすことが重視されていて、その過程において勘所を自分たちで体得していくスタイルでした。模索しながら進めていくことで体感として得られるメリットはあったのですが、そこに至るまでは無尽蔵に時間を使ってしまった感じもあって。
 自分自身がやるのであればそれでもいいのですが、業務で活用しようと思った場合、そこまで工数を掛けられなかったり単発のワークショップで何かしらの結果を出さないといけなかったりすることも多いので、違うアプローチも知りたいな、と思っていました。それで事例などを調べていくうちに堀井先生の講演に辿り着いて、そこで初めてi.schoolを知りました。その講演の中で私が学びたいと思っていたことの数々が紹介されていて、「コレだ!」と思ってi.schoolへの応募を決めました。


公募にて修了を果たされた中島さん

質問2: i.schoolでどんなことをしたかったのですか?もしくはこれからやってみたいことはありますか?

 前提として、大学院の入学直前にコロナが流行りだして対面の機会が限られていたため、学生でいる間は、視野を広げられることは可能な限り何でもやってみようと決めていました。その上で、i.schoolに対しては、イノベーション創出への関心が高い人たちが集まった時、一体どんな議論になるんだろうという興味がありました。大学院の授業は必修科目ということもあって熱量にばらつきがありましたし、所属している会社でやるワークショップでも、誰もがイノベーション創出に前向きという訳でもないですから。
 
 これからやってみたいことは、見て見ぬふりをされている社会課題の解決です。近年は社会課題解決型のビジネスが増えてきていますが、まだまだ「筋がいい」社会課題に限られています。一見収益化が難しい課題であっても視点を変えれば解があるのかもしれませんし、ビジネス以外の方法で解決できる可能性もあります。i.schoolでもバイアスブレイキングという手法を学びますが、今の社会にある当たり前を壊すことで解決につながる課題はあると思うので、それに取り組みたいと思っています。ただ、私自身は人を巻き込むことを含めた実行力がまだまだ足りないので、アイデアを頭で考えるだけでなく、アイデアの実現と社会実装に向けてリードする力を高めていくことが今後の課題です。


ワークショップ中の様子

質問3:実際にi.schoolに入ってみて、どうでしたか?

 残念ながら通年生の選考には漏れてしまったのですが、i.schoolではWSによっては公募生を募集していたので、予定が合うものにはすべて応募して参加していました。毎回テーマや学ぶ内容が異なり、またメンバーも変わるので、どの回も学びがありました。長期で取り組んだWS7はアイデアの実現性も重視した内容で、仮設検証でいろんな方にインタビューしたり対面での見学をさせていただいたりもしたので、特に記憶に残っています。また、WS6では100円ショップにあるものを使ってプロトタイプを作ったのですが、メンバーそれぞれのキャラクターが出てすごく楽しかった思い出があります。
 
 それとi.schoolで印象的だったのは、アイデアの精緻化と総括的分析で議論の振り返りを丁寧に行うことです。アイデア発想法は書籍なども多く出ていますが、精査についてはあまり扱われていない気がします。いいアイデアの種が出ていても、その後の議論で忖度が働いたり多数決になってしまったりすると、アイデアは芽吹きません。どのようにアイデアを選び育てていくか、またアイデアを生んだり育てたりする過程に問題はなかったのか、そういったことをチームで頻繁に議論して、トレースを取りながら進める大切さを知ったことは大きな収穫でした。その結果として、アイデアを感覚ではなくロジカルに示せることは、他者に伝える際の強力な武器にもなると感じています。
 
 現在、仕事とは別に、健康寿命の延伸を目的として、加齢によって生じる嗅覚低下の防止に向けたソリューション策定を大学院の同期数名と進めています。ありがたいことに、展示会、デモ、トークセッションなどで、デザインのコンセプトだけでなく、そこに繋がる過程についてもお話しさせて頂く機会があるので、i.schoolで学んだ精緻化や振り返りはすごく役に立っています。

最後に一言!

 i.schoolでの議論の濃さ、深さ、広さは期待以上のものでした。また、修了後もそれぞれ志に基づいて各方面で活躍するメンバーも多く、プログラムを修了してなお刺激を受けています。今とは違う目で世の中を見たら、そこにはどんな景色が広がっているんだろう?そんな風に思える人にとって、i.schoolは1つの選択肢になると思います。

i.schoolとは

i.schoolは、東京大学 社会基盤学専攻教授・堀井秀之が2009年に始めたイノベーション教育プログラムです。社会の価値観を塗り替えるイノベーションを本気で起こしたいと考える学生が、アイディア創出法を体系的に学びます。単位も学位も出ませんが、毎年優秀な学生が幅広く集まっています。修了生は200名以上にのぼります。


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