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コラム_自然観察会ってなんぞや?①

こんにちは!森から庭まで、まちの色んなところで自然ガイドをしている、おおくまですm(_ _)m

noteでは自然ガイドのしごと内容の紹介や、さんぽが楽しくなる自然観察のコツなどをご紹介しています。
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わたしは約10年前から「自然観察会」をするようになりました。自然観察会とは… という話をすると長くなるのでとても1回のコラムではまとまらないのですが、簡単に言うとたこ焼きパーティーみたいなものです。

一人で食べても美味しいたこ焼き。みんなで食べるとより美味しい。だって、それぞれたこ焼きの好みが違うから話が弾むのです。たこ焼きにはネギを載せるのかどうかとか、うちはお餅を入れます。うちはたくあんを刻んで入れます、とか。むかしよくばーちゃんと一緒に食べてこんな話をしました、とか。たこ焼きを味わうことを中心に話が弾んでいき、いつのまにか自分の中になかったモノの見方や価値観が、自分の体に根を下ろしている。これがわたしの思うたこ焼きパーティーの醍醐味です。

頭の中でたこ焼きを野鳥や、野草や、小川や木立に置き換えれば、それが自然観察会です

例え話ではかえって分かりにくいよ、という方もいらっしゃると思うので、現時点でのわたしの自然観察会の定義を書きます。

自然観察会とは、個人が手で触れる、香りを嗅ぐ、目で形を確かめるなどして自然を観察した結果(感想や発見)を、その場で他の人と共有して味わいを深めること。

自然観察会は必ずしもグループでやる必要はありませんし、講師役と生徒役に分かれる必要もありません。たとえば、小さなお子さんが帰り道にキイチゴを採って食べて、一緒に帰っている友だちと「おいしいね」「これはすっぱいや」と言い合う。これも立派な自然観察会です。

自然観察会をガイドツアーにして商売にする方もいますし、親子でのさんぽの一つや保育園での活動の一つとして捉える方もいます。子どもの頃から自然体験が豊かな人の中にはデートとして自然観察会をする人もいます。自然観察会のあり方は人によってそれぞれです。共通しているのは、①五感をつかっていること②誰かと感想をシェアすること の2つだけ。知識は必ずしも必要ありません。生きものの名前がわからなくたって、自然観察会はできるのです💡 キイチゴ属の植物にはかなりいろんな種類があり、シロバナノヘビイチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴ、クマイチゴ、ノウゴウイチゴをはじめまだまだありますが、子どものころキイチゴを食べたことがある人のうち、ちゃんと種名まで把握していた人はかなり少ないはずです。だから、自然観察会をするときは、名前を知っておくことが必須というわけではありません。

もちろんツタウルシやツチハンミョウなど、触れることで人間がケガをしてしまう野生生物もいます。生きものによっては人間の生活と関わりが深かったり、味わい深い生態をもっているものも多くいるので、野生生物の名前や生態をより多く知っていたほうがより安全でより味わい深い自然観察会ができます。ただ、だからといって「知識がないと自然観察はやってはいけない」という考え方になるのは本末転倒で、心配のあまり入り口を閉ざしてしまう行為だとわたしは思います。も、も、もったいない!!!!

これまで自然観察会をしてきた多くの先輩方が引用してきた言葉ですが「知る」ことは「感じる」ことの半分ほども重要ではないという言葉があります。「沈黙の春」の著者で生物学者・作家のレイチェル・カーソンが、自著「センス・オブ・ワンダー」の中で記した言葉です。自然観察(会)の根っこにはこの考え方があります。

自然観察会ってどうすればいいの、やってみたいけど自信がないよ、という方は、きっと自然が好きな気持ちや自然を大切にしたい志が高いけど、技術を持ち合わせていない方だと思います(少なくともわたしはそうでした)。いま自然観察会をやっている人の多くも、最初はそんなものです

まずは一人で河川敷や公園の園路をお散歩することをおすすめします。人目が気になることも多いでしょうから、人の少ない早朝がおすすめです。まずはじっくり自分の感性と向き合うことが大切です。きっと多くの人は、最初はタンポポやハルジオン、クローバー、ドバトやカラスなど、誰でも目にするようなものにしか目がいかない(つまらない)自分に気づくと思います。それがスタートです。そろそろ家に帰ろうかなと思ったときに、あなたにしか気づけないおもしろいものが、必ず一つ見つかります。騙されたと思って、一度さんぽしてみてください。その発見を誰かと一緒にやりたいなと思ったときに、自然観察会をすればよいのです。

このnoteでは、自然観察会について理解を深めるためにまだまだコラムを書いていきます。わたし自身もまだまだ(おそらく永遠に)勉強中です。よければコメントなどで意見をいただいて、一緒に理解を深められれば嬉しく思います☺

おわりに)筆者のおおくまは、日本自然保護協会(NACS-J)の自然観察指導員講習会を受講して自然観察(会)についての理解がぐっと深まりました。わたしは回し者ではありませんが(笑)、講習会は毎年全国でやっているのでとってもおすすめですよ!
https://www.nacsj.or.jp/education/about2/

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