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コラム_毎日自然を楽しみたいあなたへ

こんにちは!森から庭まで、まちの色んなところで自然ガイドをしている、おおくまですm(_ _)m

noteでは自然ガイドのしごと内容の紹介や、さんぽが楽しくなる自然観察のコツなどをご紹介しています。

さて、この記事をクリックしてくださったということは
もしやあなた…自然が好きなんですか…?(驚愕

メタバースやらICTやら言われているこの時代に?
ジャポニカ学習帳の表紙から昆虫が消えてしまったこの世界線で?
あなた…こちら側なんですか…?うっわーうれしー!!!!!

近年、虫とりしたり野草のお花をつんだりする「自然体験」がどんどん減っていることが明らかになってきました。自然体験の経験の差は世代間に見られるだけでなく、親の収入の影響もあるそうです。つまり若い人ほど、また貧困家庭の子どもほど自然体験の機会が少ないそうです(参考:NACS-J すべての子どもに自然を!プロジェクト https://www.nacsj.or.jp/2021/09/20780/)。国土の開発が進んで豊かな自然が減少しているとはいえ、通学路や公園など自然あそびができる場所はまだまだたくさんあります。それでも自然を楽しむという文化が衰退の一途をたどっている。そんな時代にあなた、自然が好きなんですか?

うっわーうれしー!!!!!(2度目

僕も自然好きなんです。なかまがいると嬉しいものです☺

さて、自然がお好きなあなたとはいえ、おそらく毎日自然観察をしているわけではないと思うのです。してるあなたは変態です(褒め言葉)。

あ、僕は変態ですよ。自分の家に家庭菜園があって、毎朝見回りをしているのです。今朝は野菜の葉の上にのっているカタツムリの目をつつきました😏このコラムの趣旨は、毎日自然を楽しむちょっとしたコツをお伝えすることです。君も変態にならないか?

コツはたった1つです。
毎日1文だけ、観察記録をつけること

そもそもですね… この記事をクリックして開いたあなたはすでに毎日自然を観察してるんです。

心当たりはありませんか?
駅で電車を待っているときに線路に生えている雑草が揺れている姿を目でとらえたり、「あーハトが駅の鉄骨を歩いてらぁ」と感じたり。
雨の日に「雨降ってるけどカラス飛んでるなぁ」とか。「雨だれがめっちゃトテトテ鳴ってるなぁ」とか。
それそれ、それよ。もうやってるのよあなた。毎日自然楽しんじゃってるんですよ。すでに。すげーじゃん、あなた。

日常のふとした瞬間に、ひとりでに起きた物事が「種」として、あなたの豊かな感性という「土」に落ちた。そして「あー○○だなぁ」という、感想という花をつけた。これが自然観察なのです。

土に赤玉土、腐葉土、培養土と種類があるように、人の感性も種類があります。ロジカルな考え方が好きな人は「なぜ、ハトはホームではなく鉄骨の上にいるのか?」と感じたり、メルヘンな考え方(※1)が好きな人は「ハトが楽しそうにおさんぽしている」と感じるなど、人によって抱く感想は異なります。人によってぜんぜん違う感じ方はとても魅力的です。ただ、残念ながらこうした記憶は忙しい日常の中で忘れ去られがちです。忘れてしまうので、1週間後にまた、2週間後にさらにまた「あーハトが鉄骨を」と同じように感じます。このループを抜け出すことが大切です。毎日別の視点でハトを見ることができれば、ハトをじっくり味わうことができるのです(※2)。ある日はハトの羽の模様、ある日は歩き方。ハトを題材に俳句を読むのも立派な自然観察です。これをするために大切なのがループを抜け出すこと、同じ考えを繰り返さないように1文だけ、観察記録をつけることです。

※1 批判的な意味で「メルヘン」と言っているのではありません。豊かな感性が成す一つの表れ方です。
※2 ハトはあくまで例で、あなたのお好きな生きものに置き換えて考えてください。お庭のお花、カブトムシ、メダカ・・・なんでもOKです。

4月1日にハトの歩きかたについて「秒速15cmくらい」と感じたなら、メモや日記にこのことを書きます。書いたことを見返す習慣を付ける必要はありません。わざわざ見返すのってわりと手間ですから(^_^; ) 4月2日、3日(ちょっとサボったり他のものに浮気したりして)7日、8日と記録をつけたころに「あれ、羽の色ってもう観たっけ?」なんて思う日が来ます。過去について疑問が生じたときにのみ、記録を見返せば大丈夫です。この瞬間がループを抜け出し、めくるめくハト自然観察ワールドへ突入するスタートラインです。

わたし、おおくまはフィールドノート(コクヨさんの測量野帳です。分野問わずフィールドワーカーたちの御用達ですね)を常に自分のカバンに入れていて、会社に出勤した直後やお昼休み、寝る前の時間にその日の観察記録を1文だけ書いています(ノッたらもっと書きますけど基本1文)。フィールドノートっていいよね…響きが。「ウワー!ぼく研究っぽいことやってるー!Foooo!」とテンションあがります。もう10年以上使い続けてるのに未だにこう思います。変態ですね。でもこの自己肯定感というか、なりきってる感が大事だと思います。

まとめ
・あなたはもう自然観察を毎日やってる。すごいのだ。
・有って無いような程度でいいので記録をつけよう。積み重ねが次の新しい視点を生む。

…これはカンペキに僕の偏見なのですが、僕がこれまでお会いしてきた自然が好きな方々は、その多くが自己肯定感が低い方々でした。これは決して当人たちのせいではなく、批判すべき点ではありません。自然好きってほら、冒頭でお伝えした通りこの時代ではマイナーな存在なので、ひょっとしたら自然好きな方の中には教室や近所の輪の中で浮きがちになっている方が多いのかもしれません。推測ですが。僕も高校生の頃、ミミズを素手でつかんだら友だちに引かれてしまって、悲しい思いをしたことがあります。だからかどうか分かりませんが、自然を楽しむときもどこか引け目を感じていたり、自分はにわかで専門家の人たちのように自然を楽しんでいるわけではないと、自分を責めてしまう方を僕はこれまでなんども見てきました。

あのね、

ちゃうでーーーーーーーーーー!!!!!(違うぞーーー!!!!)

あなたはもう十分、すでに自然をしっかり楽しんでるんやでーーーーー!!!

自分を認めて大切にしたってくれーーーー!!!!

ぼくがなかまやでーーーーー!!!!


・・・と、いうことが言いたくてこのコラムを書きました。
自然について感じたことを誰かとシェアすることを自然観察会といいます。これがとっても奥深くて、ゆたかで、面白いです。果てしない世界なのでぼくもまだまだ勉強中ですが、いつかいっしょに、おたがいの「おもしれーー!!!」を会わせてみましょう。そのコラムもいずれ書きます。

ではまた!!!

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