私の脳内検索エンジンはいつだってボンクラ
『記事を執筆する際にはGoogleで検索をかけ、上位10記事には目を通しましょう』
これは、情報の整合性を取ったり、コンテンツの網羅性を高めたりするために必要な手順だと言われている。
ウェブライターの仕事に携わった方なら1度は聞いたことがあるかもしれない。
裏を返せばGoogleの検索エンジンは非常に優秀であり、Googleで上位表示された記事は信頼性が高いということでもある。
しかし、Googleは知識を検索するのは可能だが、私の経験や思い出までは表示してくれない。(まぁ、全世界にそんなものが表示されても困るのだけれど)
そこで、経験や思い出に関しては、私の脳内に設置されている検索エンジンに頼らざるを得ないのだ。
以下、私の脳内検索エンジンを『くーるくる』と呼ぶことにしよう。
くーるくるは名前の通り、なんでもかんでもくるくると情報を更新する検索エンジンである。
お察しの通り、くーるくるはまったく役に立たない。
情報を出したり、出さなかったりするいい加減さは然ることながら、何に対しても曖昧で煮え切らないところがある。
また、ピンポイントで何か検索しても、数百字程度の情報しか出てこないことなど日常茶飯事だ。
そのくせ、あとから記憶を追加することもザラである。
さて、前回私は「私が自己顕示欲に負けた話」というnoteを公開した。
ところが数日経ってから自分の文章を見直すと、どこか引っかかるのだ。
もちろん、書いた文章にウソや偽りなどはない。
そこで、嫌な予感はしたが、くーるくるに再度尋ねてみた。
案の定、奴は【やっぱり、なんかあんなこともあったような気がする】と無責任なことを言ってきやがったのである。
私の日記など毒にも薬にもならないので、ほうっておいても特に問題はないのだが、一応前回のnoteの補足説明を入れておこうと思う。
ちなみに前回のnoteはこちら↓
その1
『情報の発受に苦手意識を持っているため、発信できなかった』という件について。
これは、今までネット上で、一切発信したことがないということではない。
情報疲れにより発信していなかったのはここ2年くらいである。
それ以前はSNSの鍵アカウントで友人のみとつながっていた。
10年以上前ではあるが、某コンテストに応募するために別のアカウントを取ったこともある。そこで大賞を頂いたのだが、もうそのアカウントは閉じてしまった。
その2
『小学4年生の時に授業で手を挙げるというマイルールがあった』という件について。
この件についても事実である。小学校4年生当時はたしかに挙手をしていた。
その一方で、私は授業を真剣に聞くような子どもではなかったようにも思う。
特に、低学年のころはまったく先生の話を聞いておらず、親に嘆かれていた。
つまり、私は常時意欲的に、授業に取り組んでいたわけでは決してないのだ。自己顕示欲はあるが、そこまで意識の高い子どもではなかったこともまた事実である。
むしろ、4年生のときの授業態度こそがまれなのだが、それでも先生にされたことや感じたことは事実であり、記憶として残っているのだろう。
このような経緯から、くーるくるが信用に値しないと判断した私は、幼少期から現在までの出来事を時系列にまとめる作業を行うことにした。
もちろん、これもくーるくるとの共同作業にはなるが、少なくとも投稿する前に1度記憶を整理できるという利点がある。
幼稚園、小学校、中学校……
私は、順々にくーるくるで検索をかけていった。
『その時に何があった?』『どんなことを感じた?』
時刻は、悪い意味でエモい感情に浸りやすくなる深夜0時頃。
それもあってか、自分史の検索結果には人間関係のトラウマしか出てこなかった。
しかし、事実には必ず背景がある。トラウマとて例外ではないと考えた私は、思いっきり落ち込んだあと、くーるくるに尋ねてみた。
どうしてこうなった?
それは、私が他人とうまくコミュニケーションを取れなかった上に、いろいろやらかしていたからだ。
端的に述べるとASDとHSP気質のせいである。
コミュニケーションに関しては、子どもの頃より改善されたと言われるが、親にすら「厄介な子だった」と思われていたらしい。
つまり、赤の他人との人間関係において上手くいかないのは、至極当然なのだ。
だが、私も傷ついていないわけではない。
人並みに生まれていればこんな風にはならなかったはずだ、と何度も自分を責めた。
くーるくるは重要な情報は出さないくせにふとした瞬間、嫌な記憶を蘇らせる。
その記憶が、忘れていた心の傷を抉ることとなり、自己肯定感を下げる原因にもつながるのだ。
けれども、数年前と比べると、過去に囚われ人生を悲観することは少なくなった。
幼少期よりも人間関係に恵まれているため、過去を頻繁に思い出す必要がないのかもしれない。
また、私自身もくーるくるを補助するために、重要な情報はメモを取るなど工夫を行っている。
恐らく、現在の環境や私の行動が、くーるくるにも良い影響を与えているのだろう。
もしかすると、気づいていないところで、くーるくるもアップデートしているのかもしれない。
そう考えるとくーるくる、もとい私自身に対しても否定ばかりしなくていいのかもしれない。
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