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【詩】あのこと行ったパスタ屋さんが思い出せない


あのこと行ったパスタ屋さんが思い出せない
隣町にある小さな店でおじいさんだったかな
ひとりで営業していて隠れ家のような場所で
秘密基地を教えるように連れて行ってくれた
関係ないはずなのにあいみょんを聞いてたら
蘇ってきちゃったあの記憶とあのこのことが
気になる今はどこで生きているかな仕事とか
うまくやっているのかな辛くて転職したとか
聞いたっきり私は勝手に全ての関係を絶った

あのこと行ったパスタ屋さんを思い出したい
できればまた昔の延長線上の友達に戻りたい
わたしたちをあいみょんみたいなうたにのせ
続編のあるハッピーソングを弾き語りしたい
あのこと行ったパスタ屋さんを思い出したい
明太子パスタの味も見た目も思い出せるのに

私のことをときどき恋しくなっていてほしい
私のことなんてもう消えた存在だろうけれど

私はまだここにいるからきみを探そうと思う

古いインスタを覗いたらすぐに見つかったよ
パスタ屋さんの看板もプリクラもきみもいた
すぐそばにいると思うとまだ勇気がないけど
私がもう少し大丈夫になったら元気だよって
連絡しにいくねきみも元気だよって言ってね

あのこと行ったパスタ屋さんを思い出せたよ


JIBACO(千葉県君津市)


二年前に書いた作品
たまに思い出す友達のこと、あの店のあの味のこと

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