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〜 星空の空に アート作品 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 星空の夜に アート作品 〜

手を繋いで歩く
それだけで、すごく嬉しくて私は知らない間にニヤけてしまう
『どうしたの?何か嬉しいことあった?』
『はっ!いや違うの、別に手を繋げて嬉しいとかそんな・・・あ!』
『くくく。本当お前はおもしろいな』
慌てる私を見ながら、彼は歯を見せて笑う
そんなに笑わなくても。と思う私は、顔を赤らめる
付き合って半年経つのだが、私の好きは毎日更新されている
恋愛初心者の私にとって、初めての彼氏なのだ
手を繋ぐだなんて考えただけで、ドキドキして胸が苦しくなるし、彼の事を考えるだけでキュンとする
他のみんなもそうやって大人になっていったのだろうか
高校3年の春、私は受験生という事も忘れそうになるくらい、彼に夢中になっていく
·
公園で日向ぼっこをしながら、今日の課題について話しをする
図書館へこのまま行くか、家で勉強するかと話す
結局、一緒に図書館で頑張ろうという事で急いで向かう
シンと静まり返った図書館は、本の香りと共に、ページをめくる音だけが響いていた
手を繋ぎ入る図書館は、一人で来る時とはどこか違う気がする
ただ一緒にいるだけで、こんなに嬉しくて楽しいのかと、私は一人わくわくして心を躍らせる
受付を済ませ、自習室へと足を運ぶ
2階に上がり、自習室へ繋がる廊下を進む
いつもは、5部屋ある自習室は満室なのだが、今日はラッキーな事に1部屋空いていた
『今日は、運いいね!』
『いつもいっぱいだもんな』
大きなガラス窓の付いた自習室が5部屋並ぶ
一番奥にある部屋を私達は目指し、中へと入る
ドサっと勉強道具が入ったリュックを置き、中から教科書とノートを出す
私は、英語。彼は数学
『さっ!課題終わらせようぜ』
『終わるかな?』
『とりあえず、今日の分はこれだけだろ?』
『私、こないだ提出してないから、もう一つある』
『え!?一緒にやっただろ』
『家に忘れちゃったから追加された』
『ばかー』
などと、軽く会話もしながら勉強は進む
·
自習室は、ところどころガラス張りになっており、中は見えるものの、自分の部屋のようにリラックスして会話が出来るのがいい
『あー。疲れた、甘いもの食べたい』
『糖分補給!チョコ食うか?』
彼の手に持っているチョコを見ながら、私はこくりと頷いた
『ほら、あーん?』
『ふぇっ!?』
机に突っ伏していた私は慌てて起き上がり目を丸くする
『あれ?いるんだろ?』
『や!え!?そうじゃなくて!あーんって!?あーん??!』
『そんな慌てる事なくない?』
『恋愛初心者の私に、このような上級者な事は!』
あたふたしながら、私は身振り手振りで説明をする
『ははは。おもしろいなぁ本当。なんで?普通だよ、ほらあーん?』
また同じ事を。これは受け入れる方がいいのかなと思った私は、顔を真っ赤にしつつ、意を決して初あーんで、チョコを頂くことに
大きく開けた口にコロンと、一口大のチョコが入る
『何か、おっとせいに魚あげる気分だな』
口に手を当て笑いを堪える彼
『でも、可愛いからいっか』
『うぅ。あ、ありがとう』
ドキドキしっぱなしの私は、お礼を言うことで精一杯だ
もう味もしないくらい恥ずかしい
『いつまでたっても、慣れないのな?』
『慣れないというか、その、毎日更新されるので』
『何が更新されるの?』
『え?・・・すきが』
自分で言ってて恥ずかしくなるので、思わず声も小さくなる
『もっかい言って?』
『す、すきが更新されるの』
『・・・なんて?もっかい大きな声で』
『すきが!好きが更新されるから、毎日新鮮なの!』
思わず全力で言ってしまい顔も余計に赤くなる
今日は、湯沸かし器のように常に顔が火照る
·
『ふふふ。俺も。俺も毎日大好きが更新されるから、もっとお前のこと知りたいって思うし、もっと色んな事したいって思うよ?』
ニヤッと笑いながら、私の心を満たす言葉を並べ出す
『ほらー、そんな全力で言うから、消しゴム落ちちゃっただろ?』
『あ、ごめん』
消しゴムを拾おうと、椅子をずらし、かがみ込む。そしてそのまま机の下を覗く
『こっちむいて?』
彼の顔がなぜか目の前にある事にビックリしながらも、私は思わず目を瞑る
優しく口元を包む気持ちは、私をもっと満たしてくれる
『好きだよ』
少し照れながら言う好きは、私をまた包み込む
『私も好き』
目を見合わせ恥ずかしげに微笑み合う
春の陽射しが、壁にかかった『星空の夜に』を優しく照らす
書きなぐった単語と共に、私の青春の1ページに彩りを添えてくれた
·

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