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【夏におすすめの本】夜市/恒川光太郎

怪談やホラーは好きなジャンルのひとつなので
夏におすすめの本は沢山ある。
その中でも特におすすめしたいものを
少しだけでも8月中に紹介したいと思っています。
8月が終わってもまだまだ暑い日が続くと思いますので
残暑のお供にも、ぜひ。


今日は、私の大好きな作家でもある
恒川光太郎さんの作品から、
夜市(よいち)
を紹介したいと思います。
夜市は表題作で、もうひとつ、
風の古道という作品も収録されています。

まず最初に

この夜市、夏の話ではないはずなのです笑。
それなのに何故か私の中で夏の夜、
というイメージになってしまっていて、
正直何故だかは自分でも分かりませんでした。
というのもこれを読んだのはかなり昔で
もう記憶が薄れておりまして。
そして今回、noteで紹介するにあたって
改めて目を通しました。

読み始めると、やはり夏の話ではないのです笑。
ですが、私の中で夏のイメージがついていた
その理由が、読み返してわかりました。

まず一つ目が、
物語の中に出てくる夜市という、
特別な市場の雰囲気が、夏祭りの屋台や
夜店のイメージです。

そして二つ目が、
主人公が幼い頃に夜市に迷い込む場面があるのですが
それが、夏祭りの途中で神社の森の奥へ入っていき
気づいたら夜市に紛れ込んでしまっていた、
という設定だったのです。
それはほんの数行しか出てこないのですが、
どうにもその印象が強く映像のような鮮明さで
私の頭の中に焼きついていたようです。

物語の内容

物語に戻りますが
夜市は、何でも手に入れる事が出来る
本当に特別な市場です。
どんなものでも、です。
能力や人間、伝説の剣、若返りの薬まで、
本当になんでも。

あらすじはざっとこうです、

主人公は小学生の時に弟と夜市に迷い込み、
なんと、自分の弟と引き換えに、
「野球の才能」を買ってしまうのです。
その後野球部のヒーローとして成長しますが、
弟を売った罪悪感から逃れられません。
そして数年後、再び夜市が開かれることを知り、
弟を買い戻すために再び夜市を訪れ…

こうやってあらすじを書くと
ただの不思議ホラーのように見えてしまうのですが
結末が秀逸なのです。

どんな結末かは、ぜひ読んでみてください。
正直、恒川光太郎ワールドは、
どれもかなり好き嫌いの分かれる世界観、
作品だとは思うのですが、
中には心を鷲掴みにされる方もいらっしゃるのでは
と思っています。
初めて読んだ時の私がそうでしたので。



夏にというわけではありませんが、
昨日紹介した大好きな作家さん、大好きな本も
合わせてぜひ。


それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。


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