まぁいっか。の先に

まぁ、いっか。

わたしにとっての、便利な魔法の言葉。

ずっと、そう信じていた。

何かしらの悩みに片足を突っ込みかける度、
まぁいっか。とつぶやいてきた。

たわいもない悩みから、深刻な悩みのときまで、色々。

そしてその度に、悩みから解放された。

いや、解放された気になっていた。

考えてもどうしようもないときに、まぁいっか。で済ませることは、決して悪いことじゃない。そう思って生きてきたし、そういう側面もあるだろうと思う。

でも、今、わたしは何もかもを、まぁいっか。で済ませすぎてきたことを、少し後悔している。

本当にまぁいっか。と思えていなかったことも、かなりあったんじゃないかって。

例えば、小学校高学年の頃。
仲のよかったはずの友達からある日突然無視をされるようになった。
なぜなのかは、今なお、わからない。
多分、特に理由なんてなかったんだろうと思う。

無視をされたとき、本当は悲しかったし、腹も立った。自分がみじめに感じた。
なぜ無視をされるのかわからなくて、いつまでこの状態が続くんだろうって、すごく不安だった。
でも、私はそこで魔法の言葉、まぁいっか。を持ち出した。
無視をされても死ぬわけじゃないし、まぁいっか。って。半ば自分に言い聞かせるかのように。

実際(当たり前だが)死ぬわけでもなかったし、数日後には無視をしてきた子たちと普通に会話を交わすようになっていた。
なぜ無視をされていたかはわからないままだったけれど。
それでも、辛い無視から解放されて、すべてを許せているように感じた。

まぁいっか。正解!そう思った。

あるいは、高校生の頃。
電車内で、痴漢の被害に遭った。
スカートの中から太腿を触られる感覚。
電車通学半年で初々しかったわたしには、
声を上げることすらままならなかった。
ただひたすら最寄り駅まで耐え、降りるしか
できなかった。

そんなときでさえ、こうつぶやく。

もっとひどい目に遭う人もいるんだし、痴漢に触られるくらい、まぁいっか。って。

何かで煮詰まったとき、辛くてどうしようもないとき、自分の力だけではどうしようもないとき。
わたしと同じように、まぁいっか。で済ませてしまう人って他にもいるんじゃないだろうか。

本当の本当に心から まぁいっか。 と思えているなら何も問題はない。

でも、もしそうでないとしたら。

自分の不快感や悲しみや苦しみに、蓋をして言い聞かせているのだとしたら。

今もこれから先もずっと、自分の心がすり減っていくのを、ただただやり過ごしていくことになるんじゃないだろうか。

そしていつしか、自分の気持ちにすら気付けない、ピエロになってしまうんじゃないだろうか。

そんなの嫌だ。

だから、問う。

魔法の言葉が思わず口を突いて出そうになる度に、自分に。

自分を蔑ろにすることでしか守れない何かは、そんなに大切なものですか?

本当に、心から まぁいっか。と思えていますか?

そうすることで少しでも、未来の自分を守れるように、ね。

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