双方の体験をしてみると気持ちが分かる!~葛原ウェルクラブ福祉の講座〜
北九州市小倉南区の葛原校区社会福祉協議会の実施している子ども講座『ウェルクラブ』にて、『福祉体験』に関するご依頼がありました。
この校区は、校区内にリハビリの専門学校があることから、福祉の活動にも力を入れてらっしゃいます。
子ども達に体験を通じて、福祉に関することを指導してほしいということで、そこまで専門家とは言えないのですが、やってみよう!ということで実施いたしました。
今回、大切にしたかったのは以下の3点。
●障害のある人に障害のない人が助けて「あげる」というような上から目線ではなく、フラットな目線で対応できるようになってほしい。
●支援する人、支援される人の双方の立場を体験することで、体感・共感してほしい。
●専門的なこととして壁を高くせずに、気楽に楽しく実践してほしい。
資器材の準備や、協力スタッフの人数や配置、進行内容などをしっかりと打合せたうえ、
市民センターにて、資器材を借りてきていただいたり、
当日の地域の皆さんにご協力いただきました。
こうした講座は初めてだったのですが、
とても楽しく、そして有意義な講座になったと実感しています!!
もっともっと、こうした講座を実施していきたいと思いました!
まず、オープニング!
先ほど書いたような趣旨を説明しつつ、
ぼくも(覚えたての)手話をまじえて自己紹介しました。
とても専門的だねぇ!難しそう!!
続いて、
ぼくがマスクを外して、喋らずに、口の動きだけ見せて、
「はい、何て言いましたか?」
『おはようございます』⇒正解!!
身振り手振りや、口の動きを見て理解できることもあります。
とても難しいと考えるのではなく、こうした延長線上に手話なんかもあるんだねって、そんなアイスブレイクでした。
さぁ!早速、3班に分かれて、順番に体験していきます!!
①高齢者・片麻痺体験スーツ着用
②目の見えない体験
③車イス体験
①高齢者・片麻痺体験スーツ着用
リハビリの専門学校にお借りしてきた特製のスーツです!
関節が固められたりして、半身が麻痺している人の体験をするものです。
高齢者は、思った以上に身体が重く、前かがみになってしまいますね。
また関節もまっすぐ伸びなかったり、足元のバランスもフラフラしてしまいます。
ぼく自身は、このコーナーは全然見れなかったのですが、ご対応いただいた館長さんによると、
体験してみて分かることもあったようだということと、
これらのスーツを外してみて、普段の自分になったときの解放感があったそうです。
それだけ違いがあるということを認識しますね。
これらのスーツ着用は、特に足元に注意が必要です。
コケてしまったりしそうです。
その人の気持ちになってみて、体感したものがあると思います。
②目の見えない体験
とても原始的なやり方ですが、アイマスクをして、目の見えない人の体験をしてみよう!!
目の見えない人は、自分の前や周囲の状況を知るために、『白杖』というのを持ってるんだね。
これを上手に使いながら進んでいこう!
廊下、階段に出ていきます。
ペアになって支援してあげて!
どんな風に声をかけてもらえると良いかな?
自分がやってみると分かるよね!
いつもは何気なく歩いている廊下も、目が見えないと障害物だらけ!?
杖を使ったり、壁をつたいながら歩いてみます。
階段にもチャレンジしてみます!
上りも下りも、コワイですよね!!
このコーナーも、ぼくはチラッとしか見れてないのですが、体験を増すほどに、『声かけ』が上手になっていきました。
最初は「あっち」とか、ほら「そっち」とか言ってましたが、
「あと3歩ぐらい先」とか、「もう50センチ左に壁があるよ」とか、
「いま、足元に点字ブロックあるの分かる?」とか、
「階段はあと3つね」とか。
上手に誘導できるようになりました。
双方の立場を経験してみると分かりますね!!
③車イス体験
車イスの体験!
とにかくやってみる!!
まず、車イスの開き方から。
これが案外知らないんですよね。
そして閉じ方。
次に、ブレーキやレバー、フットレストなどの使い方や機能の説明。
そして、タイヤのブレーキをかけてから座ったり降りたりすることや、フットレストを踏んで立たないことなど、危険になりえることを最初にしっかりと説明します。
それらを理解した後、さぁやってみよう!
ちょっとした上り坂でも押すとキツイね!
ちょっとした段差にも苦労します。
大きな段を降りるときは、前向きに降りるとコワイから、後ろ向きに降りると良いんだね!
乗ってみるとそれを感じたね!
急な下り坂でも、後ろ向きに進むのに、そっちの方が怖くないって分かりました!
また、声かけも大切だと双方の立場で感じました。
じゃあ、最後に、一人で操作してみよう!!
こんなに小さな段差なのに、上がれなーい!!!
こんなにちょっとの上り坂なのに、キツイー!!!
体験してみると、普段は気付かなかった傾斜や段差が、凄く大きな壁に感じました。
乗ってみて、手伝ってあげての感想を聞いてみます。
大変だったこと、難しかったこと・・・。
『車イスの人が上り坂にいたら押してあげたい』
『ちょっとした段差でも無い方が良い』
とっても素晴らしい気付きを教えてくれました。
④手話をまじえて歌ってみよう!
全グループが集まって、次は耳の聞こえない人をテーマにした活動です。
「こんにちわ」とか、
「ありがとう」とか、
いくつかの代表的な手話を練習した後、
地域の手話サークルの皆さんが、
『めだかの学校』を手話をまじえて歌ってみることを教えてくださいました。
「め」は、目のカタチを作るようにとか、
「学校」は、建物の中で教科書を開く仕草だったりとか、
「川」の流れる様子を手で表現したり
「のぞいてみる」も動作で表します。
手話って、それぞれのポーズや動作に意味があるんだね!
教え方も上手!!!だったのもあり、
子ども達は、ぼくが思っている以上に呑み込みが速かったです!!
驚きました!
一緒に口ずさんで、踊るように手話を覚えましたね!
きっと覚えていてくれると思います。
そして、手話にも興味をもってもらえると思います。
⑤足だけで靴下が履けるかな?
では最後に、手を使わずに、靴下をはいてみよう〜!!
『えー!!!』
これがまた、結構難しい・・・
ぜひやってみてください!
生まれつきや、事故やケガや病気などで、手が使えないひとは、足だけで器用に生活されてらっしゃいます。
お出かけの一歩目を踏み出す前の靴下を履く場面から、こんなに大変なんて!
この後に、利き腕を使わずに、
片手でジュースを飲むっていうのもやりました。
夏場なので、靴下はかずにサンダルで来る子もいるかなぁと思って、その子には、手袋を片手でつけるっていうのも準備してくださっていましたが、みんな靴下履いてました(笑)
トイレで利き手じゃない方だけでティッシュを使うとか、
利き手じゃない方で歯を磨くなどの宿題も出ました!
心のこもった活動になりました。
体験することで、支援される方も、支援する方も、双方の気持ちが分かるようになりました。
大切なのは、気持ちを理解・共感することなんだろうと思います。
ところどころで、ぼくからのお話を挟ませてもらいました。
ぼくの友達にも、突然の脳の病気で、半身が動かなくなった人。
ぼく自身も利き手をケガして、利き手じゃない手で生活したことがあること。
突然の事故や病気で、車イスだったり、目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなってしまったりすること。
生まれつき障害のある人もいます。
自分もいつ、そんな立場になるかもわからないし、
助けて「あげる」ということじゃなく、同じ生活者の一員として、フラットに過ごせたら良いなという想いをお話させてもらいました。
子ども達はちょっとした段差に気付きました。
ちょっとした心の壁も、スッと無くなったり、低くなったりすると良いですね。
大切なテーマでの活動だったけど、楽しかった!!
うん、とっても良い感想です!!
教えてもらった『め』のポーズで集合写真!
め組のめ!とは違うんだ・・・(笑)
今日もご覧いただき、ありがとうございます。
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