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災害対応は四次元。刻々と変化する時間軸の中で。

先ほど、ニュースで、能登の地震で確認された死者が100人を超えたとのことでした・・・。
どんどん積み上がっていく数字。
だんだんと全容が見えつつありますが、まだまだ安否が確認されていない人も多数いらっしゃいます・・・。

各種の報道を見聞きしたりして、動けずにいる自分がいます。

また、報道だけでなく、SNSもチェックしています。
現地の人が発信している内容も目にして、報道の内容だけでないリアルも実感します。


災害の状況を掴むには、2次元ではダメです。
縦と横の2次元では、奥行きが分かりません。
平面である2次元ではなく、立体としての3次元で情報を掴んでいかねばなりません。

崖が崩れたという文字だけでは、どれほどなのか分かりません。これはいわば一次元。
土砂が1mほどあり、幅5mほどの道路が通れなくなっています。という二次元の情報も、たった数メートルの奥行なのか、もう何百mにわたってその状態なのかで全然違います。

立体的に、どれぐらいのボリューム感があるのか、掴んでいく必要があります。
規模感を正確に知っていくためには、3次元で情報を掴んでいくことを意識するのが重要だと考えます。

ぼくの経験でも、
「道路が浸水している!!」という通報で、とんでもない被害が起きているかもと思って行ってみると、直径30センチほどの水たまりのような状態だったり、
「家の前に木が倒れている」という通報で、大したことないと思っていってみると、4階建てのマンションよりも大きな木が倒れていたり。

そういう意味でも、写真で状況が分かると良いのだろうと思います。
国民総カメラマン時代にあって、写真などの情報はとても便利ですよね。

もっと言えば、動画だと、さらに入手できる情報が3次元化したりします。
ニュースの映像などは、本当に貴重な資料だと思います。


さらには、四次元。
つまり、4つ目の軸を意識する必要があります。

4つ目の軸は、時間軸です。

それが、
『いつ』の情報なのか?
『いつ』の状態なのか?

また対応する側として、いま、なのか、もう遅いのか、早すぎるのか。

刻々と変化していく時間の中で対応を迫られていきます。


例えば、72時間の壁とよく言われます。
建物倒壊などで下敷きになって身動き取れない人が、飲まず食わずで生き続けられる可能性のある時間と言われています。

この時間のなかで、助けられる人を助けていく。
申し訳ないけど、後回しになってしまった人も多くいると思われます。
それは苦渋の選択ですが、時間軸を意識するならば、仕方のない決断です。


災害対応も過ぎてみれば、初期から応急期、復旧期、復興期と、繋がっていく時間のなかで、様々な反省も出てくるでしょう。
でも、後からとやかく結果論的に言う人も多いですが、そのときどきを全力で奮闘されているものと思います。
時間軸のなかで戦っているという事をみんなが理解してあげたいと思います。


そんな時間の中で、各種報道やSNSなどを見ていると、居てもたってもいられなくなった方々が支援に向かわれたり、とにかく何かしたいという行動を起こそうとしている人も多いようです。

とても素晴らしいことです。
そんな善意に被災者は喜ばれたり助けられたりすることと思います。

しかしながら、

善意が凶器に変わることもあります。

時間軸を意識しましょう。


例えば、現地の惨状では、一刻を争い、命を助け、命を繋ぐ対応をするなか、「災害ボランティアの受付はまだ始まっていないのか?」そんな問合せが殺到するとします。
貴重な戦力が、電話対応に追われます。
善意が凶器になります。

こんな物がほしいという情報を得たから、送ります。
細々とした物は運んだり、積み下ろしたりするのに、とても手がかかります。
大規模運搬ではコンテナごと、パレットごと、トラックごと配送する方が断然早いのです。
また、着いた頃には、ただの荷物の山と化すこともあります。
善意が凶器になります。


今朝見たツイートでこんなことも書かれていました。
被災地からの道路が段々と通れるようになってきたようです。被災地には物がありません。いったん外に補充に出て行って、また戻ってこよう。そんな対策をされている被災者の方でした。
被災地へ向かう道は大渋滞。
戻れないんです。
現地では、余震が続き、崩れかけた家の中で寝るのは不安だそうです。
氷点下の中、車で寝泊まりをしているそうです。でもガソリンスタンドには長蛇の列。さらには、枯渇。
現地の被災者には届きません。

遠くからの支援はありがたいけど、現地の資源を使ってしまっては、元も子もありません。


刻々と変化する時間のなかでの災害対応。

いま、自分が何をしてやれるのか。
もしかしたら、もう少し足踏みして、ウォーミングアップして、勇気をもって待ってあげることも大切かもしれません。

四次元目である時間の流れを意識して、
情報収集。
そして、自分ができることを考えていきたいと思います。



今日もご覧いただきありがとうございます。

冒頭の時計をモチーフにした作品は、詩|noteさんの作品を使用させていただいてます。ありがとうございます。



<1年前の”今日”の記事★>



<2年前の”今日”の記事★>

これも、二次元から三次元へ。三次元から四次元へと示すものですね。

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