見出し画像

昨日、市役所で、DXに関する研修があり、受講してきました。
市の『全所属』から数名ずつが参加しているため、大きなホールが満席の総動員。

一応、この度ぼくも、職場の『DX変革リーダー』なる役目を受けました。

『DX』とは、
最近よく見聞きする言葉ですが、
『デジタルトランスフォーメーション』のことです。

デジタルのDは分かるが、
トランスフォーメーションは頭文字も関係ないXです(笑)
クロスするイメージですかね。

トランスフォーメーションは、『変革する』という意味です。

あ、いま気付きましたが、
ぼくの与えられた『DX変革リーダー』とは、
『Dデジタル・X変革・変革リーダー』ですね(笑)
馬から落馬する的な、二重用語になってますね(笑)

昨日、約半日に及んだ研修を受けさせていただき、いくつかの事例や、抽象的であるものの理念の部分も学びました。
研修内容というよりも、ぼくの感想をアウトプットしていきたいと思います。


一番、イメージしやすい例からすると、
これまでアナログでやっていたことを、デジタル化することによって、効率的なものに変化させていく。というような感じです。

コロナ禍を経て、時代は一層、デジタル化に進んでいます。
色んな技術が産み出されています。
未来を意識して、どんどん変革させていこう!という方向性です。


ここで注意点は、
単なる『IT化』や『デジタル化』とも違うということです。

これに、『X:トランスフォーメーション』が加わるという点です。

D:デジタル化は、単なる手段や表現やツールに過ぎないということです。

いかに、価値観や利用価値や視点をトランスフォーメーションしていくかが重要です。
つまりDXというのは、デジタル化するという手段だけでなく、捉え方やモノの見方そのものから変革させていく必要があるということです。


まず、データのありようについて。

行政は、色んなデータを保有しています。
例えばの話、それらを横繋ぎしていくと、利用価値がさらに広がったり、事前に対応できたりするのではないかという提案です。

行政サービスと言うのは、申請主義が多いです。
つまり、申請を受けてから対応がスタートするというものです。
それを、データを繋ぎ合わせることで、申請前に気付いていこうというアプローチです。

とても素晴らしいことだと思います。
民業であれば今すぐにでも実施した方が良いでしょう。
では、『行政』として、そのテリトリーに踏み込むのか?まずここを変革しなければなりません。

更には、行政での個人情報の取扱いは、『必要最低限』『横流しは絶対NG』です。
縦割りとの批判を受けることが多いですが、それぞれの責任を確実に果たすための、守備的な考え方です。
とりあえずいっぱい顧客データを集めておいて、あっちやこっちの部局にも共有することで、次のサービス展開を考えていこうというような、民業の性質とは全く異なります。

また、紙での資料はもちろんのこと、データにおいても、保存年限に達すれば、廃棄しなければなりません。

こうした考え方そのものを変革していく必要があります。
市民のニーズに対応した行政であると考えれば、まずは市民からの賛同・了承をいただく必要があるとも言えます。

行政は堅いとよく言われますが、行政とは、そんな頑丈で隙間の無いものをつくっていかねばならない組織です。

一例を挙げただけでも、デジタル化よりも、体質やルールそのものを『変革』していくことの方が大変だということを感じます。


一方で、既に保有しているデータを、単にストックしているだけでなく、『利用する』という価値観が重要だと思います。

例えばで、ぼくの経験からすると、
救急車が出動して、各種の報告書をシステムで作成します。
一件ずつ、出動報告を終えていくという作業です。

ここまでがこのデータの役目ではあるのですが、
ここに膨大に集まったデータが蓄積されています。

出動時間が平均何分だとか、軽傷だった人が何割とか、高齢者が増えてきているだとか、そうした統計にも利用されています。

更に、踏み込んで、仮説をもち、いろんな条件式をクロスして調べていくと色んな事が見えてきます。

ちょっと詳細には言えませんが、積極的に調べていくと、膨大なデータから、いろんなことが見えていきます。
このように、既にあるデータを『診る』という視線で、積極的に活用していくことはとても大切だと思います。


研修の中で、最も印象的だったのが、
『暮らしの価値観』について、です。
DXとは少し外れるかもしれませんが。

いや、DXも含めて、ということでしょうか。

これまでは、『衣食住』が暮らしの重要な柱として、「生きていく」ことが時代の最重要事項だった世の中でした。
行政の仕事としても「最低限度の生活を営む」ことへのセーフティネット的なものが重要視されてきました。

いまは、これに『衣食住+情報』の世の中です。
暮らしの価値観、それぞれの人生の価値観、幸せだと思えるものが何か?
という漠然とした抽象的な問いが混じります。

食べる物にも困らない、住むところもある。
何も金持ちだけが幸せではなく、
時代は豊かに飽和しているとも言えるのかもしれません。

(もちろん、貧困の連鎖や、様々な事情からの生活保護など、そうしたことを軽視するわけではないです)

『SDGs』に代表されるような、みんなが、これからの時代を生きていくための『最低限の目標』ということでなく、

食や、学びや、遊びや、文化などの、
無形の幸せとも言えるのかもしれませんね。
何だかそんな価値観が一層重要な時代になってくるように思います。


ぼくの少し前の世代では、学歴社会、競争社会、大企業に就職しての高収入が重要視されていたように思います。

いま、子ども達を見ていても、
そこそこに生きていけるぐらいの収入があったら、ギスギス戦って傷ついて、競争していかなくても、ずっとゲームなんかして、楽しく暮らしていけた方が幸せなんじゃないかと思います。

これは極端な話かもしれませんが。
コモンなんか言う考え方も出てきていますが。


「競争より共創」の時代にはきていると思います。
共有し合って、効率的・効果的に、ともに進歩できるような仕組みづくり、社会づくりが重要になってくるんだろうと思います。


行政において、DXを進めていこうという流れですが、
デジタル化よりも、もっともっと根深い『変革』をまずはもっと考えていきたいと思いました。

そして、すぐに立ちはだかった壁としての
「行政のありようとは?」
「行政の役割とは?」
「行政のテリトリーとは?」

まずここを捉えて、考えてから、変革していかないといけないと思いました。

もし、ですが、
万が一、ですが、
これからの時代の、人生や暮らしの価値観にフィットするような価値を、DXを含めて生み出し、住民が実感できるような新たな行政に成り得るとすれば、時代の先進をいく北九州市になるのかもしれません。


あ、ダメ。
「DX変革リーダー」ですから、こんな他人事のような言い方をしてはいけませんね。

まずは、自分の目の前のことから、視点を変えて、捉えてみようと思います。

そして、最終的には市民の幸せのために、トライしていってみたいと思います。
すぐに大きなステップは不可能です。
スモールステップから、ひとつずつ。



今日もご覧いただきありがとうございます。
冒頭のイラストは、出雲千代|デザイナー|noteさんの作品を使用さえていただいています。ありがとうございます。


<1年前の”今日”の記事★>

昨年度実施した講座の宣伝記事です。
男女共同参画に関することにも、随分と声をかけていただくようになりました。



<2年前の”今日”の記事★>

おぉ!!
筆が進まないとき!!
重要なキーワードが書かれています。
『40点で良い』というものです。


いいなと思ったら応援しよう!

入門真生/認定NPO法人好きっちゃ北九州/学びと気付きのアウトプット
いただいたサポートは、NPO法人好きっちゃ北九州の活動費に、大切に活用させていただきます!!