現役銭湯経営者が考える銭湯の未来と現実
まいど!
大阪市平野区で小さな町の銭湯「入船温泉」、東大阪でウマイヤサイを扱う小さな八百屋「MiKAN屋」を経営しております、オオツボです(^^)
2021年は「希望の1年」にすると決めております。
入船温泉
MiKAN屋
今日は「銭湯の未来と現実」についてお話しようかなと思います。
その前に!
8/7に1本の動画を上げました。(編集なしなので字幕等はありません)
この度8月末に大阪府の銭湯の入浴料金が値上げされる件についてです。
詳しくは動画で話しておりますのでぜひ観てみてください。
さて、銭湯の未来についてですが、
この度の値上げの件もそうですが、今のところ未来は明るくないと思っています。
入船温泉でいうとコロナ前とコロナ禍では数字はだいぶ変わりました。
うちは全員他人で成り立っている銭湯で家族経営ではないので、ちょっと甘えさせて。。。は通用しません。
どんな状況であろうとしっかりお給料をお支払いする義務があります。
現状家族経営の銭湯が多く、家族に我慢してもらっている所も多いのではないでしょうか。
金銭的にも体力的にも精神的にも経営者が身を削らないといけない→割に合わないからもうしんどい・・・。
こういう悩みは尽きないと思います。(僕も一時期は病んだし、今でも悩みは尽きません)
一方メディアなどでは銭湯やサウナが盛り上がっていて、ついには仮面ライダー?か何かにも銭湯が舞台として登場するそうで。。。
実際ここの温度差はかなりデカいです。
盛り上がっている風に見えるのはあくまでも都会の銭湯であって、
その都会の銭湯ですらコロナ前よりは厳しい状況になっていると思うので、
地方の銭湯は・・・・。って所です。
廃業が増えるのも当然といえば当然ですよね。
大阪の場合、そういった廃業を進ませないために今回値上げに踏み切ったということです。
いや~なんとも世知辛い。
仮に「はい、コロナ終わり―!!!」となっても以前のお客さんは簡単には戻ってきません。
僕は戻ってこないということを前提に考えています。
コロナは今までの当たり前の生活を精査しました。
自分達の生活にとって必要か不必要か。
コロナ禍において不必要だと判断したものに関してはなかなかまた必要枠に戻るのは難しい。
日本人の気質を考えると余計にこれが難しいと言えるんじゃないかなと思っています。
ここ数年でまた廃業が増えるでしょう。
実際に銭湯経営している身として言えるのは、
「銭湯だけで食っていく」っていうのはめちゃくちゃ難しい。
そんなところです。
どうですか?悲壮感出てますか?(笑)
それでも僕が経営を続けている理由は自分自身にまだ体力があること、複業ができていること、
自分自身そしていつも頑張ってくれているみんなの生活を守ること、
そしてこんな状況でも必要としてくれているお客さんがいてくれること。
どれかが欠けてしまうorバランスが崩れてしまうと一気にガタが来る可能性も充分あります。
「2021年を希望の一年にする」と決めているので、
その気合いでなんとか保てているといった具合で決して調子は良くありません。
僕のようにこうやってブログを書いたり、結構発信している銭湯って極端に少ないので現状がわかりませんが、
みんなギリギリのラインなんじゃないかなと思っています。
現場とメディアやサウナブーム的なモノとの温度差はえぐいです。
唯一言えることは今の状況を耐えるというよりも、
今の状況をそれぞれの角度でプラスに捉えて未来を見据える銭湯は残っていくんじゃないかなと。
家にお風呂がある時代に左うちわで経営できるほど銭湯は甘くない。
今できることを精一杯やることでやっとこさ一歩進む。
こういうマインドを持たないことには廃業は進んで行くでしょう。
本質はそこだと思います。
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