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英語学習地としてのアイルランド: メリットとデメリット


アイルランドは、英語学習のための魅力的な場所です。が、もちろんデメリットもあります。メリットデメリットを比較勘案し、ご自分のニーズにあった留学先を見つけることができるといいですね。
以下に、アイルランドで英語を学ぶことのメリットとデメリットを解説します。

メリット


ヨーロッパ旅行に便利

アイルランドはヨーロッパ北部に位置する島ですが、航空網は非常に発展しており、格安航空会社等を利用し、他のヨーロッパ諸国へ非常に簡単・安価に旅行できます。そのため、週末や休暇を利用して、様々な国を訪れることができます。人気の観光地、パリやロンドン、バルセロナなどへのフライトも短時間、かつダブリン空港は市街地から30分と非常に近いため、気軽に週末旅行を楽しめます。
滞在中に特にお勧めなのは、日本からは行かないようなマイナー国や場所に行くこと。スカンジナビア半島や、バルト三国、はたまた大西洋に浮かぶカナリア諸島や、地中海のバレアレス諸島、イタリアのシチリア、サルデーニャ島。日本からは行きづらい場所にも2-4時間程度で訪れることができます。日本人の感覚としては、ほとんど国内旅行レベルで、ヨーロッパ観光を行うことができます。

気候が穏やか

アイルランドの気候は暑すぎず寒すぎず、極端な気候が苦手な人に最適です。夏は20度から25度程度で涼しく、冬も暖流の影響により緯度のわりに比較的温暖で、雪が積もることもあまりありません。しかし雨が多いこと、また冬は午後4時ごろから暗くなる点はデメリットかもしれません。それでも、過酷な暑さや寒さに悩まされることなく過ごせるのは大きな魅力です。逆に夏は、22時ごろまで陽が高く、パブのテラスでにぎやかに飲んでいるアイルランド人たちは夏の風物詩です。

フレンドリーなアイルランド人

アイルランド人は親しみやすく、移民にも寛容です。パブやミートアップなどの社交の場で友人を作りやすく、英語学習に適しています。話すことが大好きなので、信号待ちや通りすがりなどで話しかけられることもよくあります。もちろん最低限の英語能力がないとコミュニケーションをとれませんが、基本的にその機会は街中に多く転がっています。ネットワーキングイベントなども盛んです。日本はテクノロジー面でクール、日本食面でヘルシーというイメージが根付いており、さらに漫画アニメというポップカルチャーも豊富なので、日本の面白ネタなどを話すと喜ばれます。
また、南ヨーロッパの国々に比べると、比較的アイルランドは時間を守る人が多く、ストレスの少ない生活が送れます。現地の人々との交流を通じて、自然な英語を学ぶことができるでしょう。

比較的安全

アイルランドは比較的安全な国です。昨年、市内でバスやタクシーへの放火などの暴動が起きましたが、これは異常事態で、通常はのんびりとした平和な国です。
私も10年超住んでいますが、卵を投げられる、街中で怒鳴られる等の外国人差別は2回しか受けたことはありません。これは日本人があまり外国人差別対象に上がらないことによるものかもしれません。アフリカ系移民の知り合いは、バス内などでしょっちゅう被害にあうと言っていました。
但し、人混みの多い市街地ではスリが頻発していますし、クリスマスシーズンが近づくと空き巣や強盗も増えます。所有物や自宅への警戒は怠らないようにしましょう。

ビザの取得が容易

アイルランドでは、語学学習ビザやワーホリビザが比較的簡単に取得できます。
また、他のEU諸国と比べて就労ビザも取りやすいと言われています。このため、長期的な滞在を希望する人にも適しています。

就労ビザの種類についてはこちらをご参照ください。
https://note.com/ireland1/n/n821c61f8fd95

日本人が少ない

アイルランドの語学学校にはヨーロッパや他の国からの留学生が多く、日本人が少ないため、日本語環境から離れた英語による国際交流を楽しむことができます。人気の留学先はやはり日本人が多くなるため、日本語環境だけで生活している日本人は本当に多いです。本人がそれでいいならそれも選択肢ですが、英語スキルアップにはあまりいい環境とは言えないでしょう。
アイルランドの良くも悪くも孤立した環境で、異文化交流を通じ、より実践的な英語を学ぶことができるでしょう。

美しくのどかな自然

アイルランドは人口密度も低く、こぢんまりした国なので、豊かな自然が身近にあります。首都のダブリン市街地に住んでいても、車で30分程度で海や山に出かけることができます。
週末には少し遠出して、森林浴、古城探索、遺跡訪問など自然や文化遺産を楽しむことが可能です。大都市の喧騒に疲れた人にはぴったりの滞在先になります。私もその1人でした。今でも木漏れ日の中の豊かなアイルランドの森林を歩くたびに、アイルランドに住めて幸せだなぁと感じる日々です。

デメリット

アイルランドなまり

アイルランドには独特のなまりがあります。特に地方に行くほどなまりが強く、かなり聞き取りづらいことも。しかし、都市部ではGAFAなどに駐在する外国人労働者も多く、特に若い世代は外国人と英語を話すことに慣れています。大学等の外国人比率も日本とは比べ物にならないくらい高いです。そのため、若者はあまりなまっていないことも多く、何より外国人慣れしている人が多いので話しやすいです。

就職の難しさ

アイルランドには日系企業が少なく、日本関連企業での就職は非常に困難です。現地企業や外資企業に就職するためには、英語ネイティブや幼少期から英語を習得しているEUの優秀な人材と競争しポジションを獲得しなければなりません。強いスキルや経験がないと現地就職は難しいでしょう。しかし、日本絡みの副業やフリーランスとしての働き方を模索することも一つの手ですね。

賃貸環境の悪さ

アイルランドの賃貸市場は超需要過多で、1件のルームビューイングに100人、200人が殺到することも珍しくありません。お金を払えば賃貸できる日本とは異なり、大家やシェアルームメイトの面談で自分が良い住居者であることをアピールする必要があります。
日本人は金払いが良く、パーティアニマルが少ないため、大家には好かれやすいので、1件2件のビューイングでめげずにがんばって家探ししましょう。

しかし、清潔な環境での一人暮らしに慣れている日本人にはシェアハウスはストレスが溜まりやすいかもしれません。初めての渡愛時にはシェアハウスでネットワーク作りをするのも良いですが、金銭感覚、衛星観念、食事など合わない部分も多々あるので、長期的には難しいかもしれません。私も好奇心からシェアハウスには住みましたが、楽しいことより面倒なことの方が多かったので、二度と住みません。

ヨーロッパは基本的には賃貸環境が劣悪な印象です。古き良き景観の街並みを残し、高層ビル建築などの制限が多いヨーロッパでは仕方ないことなのかもしれませんが。

生活費の高騰

コロナ後のインフレとユーロ高により、生活費は非常に高騰しています。例えば、通常のレストランでの食事でもアルコール無しで€20-30程度かかります。また、家賃や光熱費も高く、生活費の目安として、Dublin市内だとワンルーム家賃が€1,200〜€1,800、光熱費が月€100〜€200程度かかることが予想されます​​。フィリピンなどの語学留学と比べるとコストが高いため、予算に余裕がある方に向いています。

結論


アイルランドは英語学習地として多くの魅力を持っていますが、いくつかのデメリットもあります。旅行やフレンドリーな環境を楽しみたい人には最適ですが、就職や生活費の高さについては事前に十分な準備が必要です。
あなたの目標やライフスタイルに合った選択に役立てば幸いです。

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