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#588 教員時代の反省〜ちょっと考えればおかしいとわかるはずなのに〜

 『数学得意で何が悪い。性別を理由に私の得意を「なのに」と言わないで』

 という記事を見つけました。

 私の以前の職場(以下・本校)でも実際にあった話です。本校では、私立の進学校ということで、生徒の進路相談においては進学実績を重視する傾向があった。なので、文系に進んだ方が、より有名な大学に入りやすいという考え方が一般的であり、私もその思考に無意識的に陥っていたという非常に大きな反省があります。

 科目による学力差は性差による遺伝的要因に原因はないということは、最新の科学的研究によって証明されています。

 

 本校の定期テストや模試データを見てみれば、女子生徒の理系科目の成績が、学年が上がるにれて下降気味になるという数字上のデータは確かに存在していました。ここで理解しなければならないのは、その原因が遺伝的な要素ではなく、環境的なものであること。日本の子育ての中で、性別としての「女」と、社会上の「女性」を合致させようとする傾向は今でも強い。社会がイメージする「女性」になるための過程において、どうしても「理系的要素」が排除されがちになってしまうことで、その分、蓄積が段階的に不足する傾向がある。

 だからこそ、教育に関わる人は、その先入観をちゃんと捨てなければならない。自分自身の教員時代の大きな反省の1つです。

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