紙芝居いっぷく座

『紙芝居いっぷく座』主宰。 紙芝居を描いたり書いたり演じたりしております。 紙芝居を入…

紙芝居いっぷく座

『紙芝居いっぷく座』主宰。 紙芝居を描いたり書いたり演じたりしております。 紙芝居を入口に、落語、講談などの日本伝統文化を三世代で愉しむ会を開催。

最近の記事

『小山田猿馬奇譚~妖怪ギバ退治』制作・ネタおろし御礼

いっぷく座として初めてストーリーから描いた紙芝居「小山田猿馬奇譚~妖怪ギバ退治」先日ようやくネタおろしできました。 ようやく。まさか構想から三年もかかるとは。それでも描かずにはいられなかったのにはワケがありまして。 兎にも角にも、お暑い中ご来場下さいました皆様、ありがとうございました。 物語の舞台は平安時代末期の町田市あたり。当時は馬を育てる牧がありました。 弓馬の時代である。武士の相棒であり流通を支えていた馬。 町田市に「小山田緑地」という里山の保全地帯がある。平安時代

    • 『小山田兄弟猿馬奇譚~妖怪ギバ退治』制作に寄せて

      東京都町田市の住宅地に残された茅葺き屋根のおうち『みんなの古民家(石川邸)』で紙芝居の定期公演を始めて、おかげさまで5年が経ちます。子供のころ大好きだった昔話、大人になって出会った落語と講談。それらをオリジナルの紙芝居に仕立てて、こちらでお取次ぎしております。 それにしても、これら長く語り継がれる物語の何と力強いことか。100回、200回と演じても登場人物は生き生きと瑞々しい。大好きな登場人物たちにまた会えた喜びで、演じる私たちもいつも心踊る気持ちです。 そんな骨太の物語が

      • 紙芝居いっぷく座の「ハコ」

        紙芝居の「ハコ」 ・・・紙芝居の界隈では「舞台」と言うのだそうですが。 ホールやステージのある建物を「ハコ」と言ったりするし、何となく「ハコ」という呼び方が気に入ってるので、ここでもそのまま紙芝居の「ハコ」と呼ぶことにします。 見ていないようでも目に入っている、このハコ。 裸の紙芝居でも成り立たないことは無いのでしょうが、やっぱりハコがあるだけで「これからこの中でお話が始まるよ」という雰囲気になって、紙芝居への期待も高まるというもの。 いっぷく座の紙芝居は日本の昔話・落語

        • 『古民家で愉しむ紙芝居』~春・夏・冬の巻

          紙芝居いっぷく座の自主公演『古民家で愉しむ紙芝居』は、春・夏・冬と1年に3回開催してます。 そのスタートとなった公演が2017年の冬の巻。あれから4年が経ちました。 会場の『みんなの古民家』は、入口を一歩またぐともう昔話の世界。 鶴が機織りしたり、お地蔵さまがお正月のご馳走を届けに来てくれそうな古民家での紙芝居は、演じる方も毎度ワクワクします。 こちらの会では昔話と落語の紙芝居を4話。季節のお話と馬鹿馬鹿しい話を織りまぜながら、後に残るのは「ああ、楽しかった。」これで充分

        『小山田猿馬奇譚~妖怪ギバ退治』制作・ネタおろし御礼

          古民家で愉しむ紙芝居~『みんなの古民家』のこと②

          『みんなの古民家』の季節の営みに、紙芝居いっぷく座もちょこんと加えて頂いて4年。 もうすぐ5回目の『冬の巻』を迎えます。 「こんなときに会を開催しても良いものか?」 ある時期そう思うことも勿論ありました。 緊急事態宣言とかまん延防止とか。 そんなとき、季節の様子を撮らせて頂こうと立ち寄った『みんなの古民家』には、次の季節の準備が。 種芋の芽出し。 挿し木の養生。 土おこしに草むしり。 何だかフッと、気持ちが軽くなりました。 そうか。 ここでの紙芝居は、季節の行事。

          古民家で愉しむ紙芝居~『みんなの古民家』のこと②

          古民家で愉しむ紙芝居~『みんなの古民家』のこと①

          紙芝居いっぷく座として初めて開催した『古民家で愉しむ紙芝居~冬の巻』から、丸4年 が経とうとしています。 年の瀬、『みんなの古民家』がお正月の準備をするころでした。 『みんなの古民家』は、土間やカマドが昔話そのままに残っている茅葺き屋根のおうち。 代々ここで暮らす家族を守り育み、慈しんで来たこの大御所は、御歳150年以上にもなります。 40年前からは、寝食の住みかとしては使われなくなったものの、畑仕事のあれこれや書斎として使われている大切な場所。 そんな生きた空間であるこ

          古民家で愉しむ紙芝居~『みんなの古民家』のこと①

          「落語と講談」開催のワケ③~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

          落語と紙芝居。 そして講談。 子育てを通して落語の水たまりに遊び、紙芝居というポータブルなエンターテイメントの舞台監督ごっこから、とうとう講談に辿り着いたわけですが、やはり本物を見せたくなるのは落語の時と同じ。 演者としてド素人な紙芝居の会に、こんなにも足を運んでくれるお客さん達。 絶対好きになる確信がありました。 講談。 落語を柳家小はぜさんにお願いしたときもそうでしたが、紙芝居のお客さまにとっては恐らく初めてナマで聞く講談ですから「誰を入口にするか」は非常に重要な

          「落語と講談」開催のワケ③~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

          「落語と講談」開催のワケ②~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

          今回は『紙芝居いっぷく座』が愛してやまない講談との関係についてのお話です。 紙芝居の定期公演を始めるにあたり、発声や口調の勉強をキチンとやりたいと思っていました。 紙芝居にも色んな登場人物が出て来ます。 殿様、武士、江戸っ子、学者、商人、ご隠居・・・ 年齢や上級下級で話し方も全然違うのに、なんとなくの真似事では済ませたくない。 師匠が欲しい。 ピアノで言うところの『ハノン』みたいに指の鍛練のために弾くような、剣道の素振りのような、そんな地道な練習法が紙芝居にも欲しい。

          「落語と講談」開催のワケ②~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

          「落語と講談」開催のワケ①~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

          『いっぷく座』という紙芝居の一座を立ち上げてから5年が経ちました。 もともと『小学5年生の外で遊ぶ派』の子たちを、夢中にさせる目的で作り始めた紙芝居。 落語の絵本も本屋でチラホラしか見かけなかった頃、落語の前座噺を紙芝居にしたら息子のクラスで子どもたち大喜びするんで、せっせと作っては小学校の朝の読み聞かせの時間、笑わせに行ってました。 子どもたちの口コミのおかげで他のクラスにもお呼ばれされるようになって、元演劇部のおばさんは嬉々として紙芝居制作に励むようになったわけです。

          「落語と講談」開催のワケ①~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?