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「落語と講談」開催のワケ②~なぜ、紙芝居の一座が落語や講談の会を開催するのか?

今回は『紙芝居いっぷく座』が愛してやまない講談との関係についてのお話です。

紙芝居の定期公演を始めるにあたり、発声や口調の勉強をキチンとやりたいと思っていました。
紙芝居にも色んな登場人物が出て来ます。
殿様、武士、江戸っ子、学者、商人、ご隠居・・・
年齢や上級下級で話し方も全然違うのに、なんとなくの真似事では済ませたくない。

師匠が欲しい。

ピアノで言うところの『ハノン』みたいに指の鍛練のために弾くような、剣道の素振りのような、そんな地道な練習法が紙芝居にも欲しい。

そんなとき、寄席で出会ったのが講談。
宝井琴調先生の『徂徠豆腐』でした。

心地よい張扇の音をはさんで、ト書きがサラサラと流れて来る。
登場人物の生活の匂いまで漂って来そうな生き生きとした会話。

求めているすべてが、この芸能にあるような気がしました。

こうして講談の会に足を運ぶようになったわけですが、一般人が習える場所があるんだか?
ありそうなんだけど、ネットで検索しても全く引っ掛からない。

そんなある日のこと。
講談会の開場を待つ間、何気なく目をやった先。
見つけましたよ、貼り紙!

『◯◯演芸スクール』

貼り紙とは、気づかなかった。
きっと生徒さんはみんな、苦労してようやく辿り着いた精鋭ばかりに違いない。
さすが講談。
ちょっとやそっとの思いつきで教えて貰えると思うなよ、ってことなのかな。

かくして『紙芝居いっぷく座』はその屋台骨を講談に求めて、憧れの『三方ヶ原の合戦~五色備え』の稽古に励むようになったのでございます。

→③に続く

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