“小さな恋物語”にやはり前のめりになっている話
1年ちょっと前に、娘の“小さな恋の物語”に前のめりになった話を書いた。
今日はその続編になるので、良ければ上の記事を読んでいただければ嬉しい。
時間のない方のために、簡単に上記記事をまとめると……
記事の話は1年生の時で、2年は2人違うクラスになっていたので、話にも全然上らず。そして今年3年生で、実はまた2人同じクラスになっていたのだ。
同じクラスと聞いた時は、「あのさとしくん!♡」とまた前のめりになりかけていたのだが、それ以降は特に加速することなく日々を送っていた。
娘はさとしくんを意識している訳でもなく、完全に“男友達の中の1人”と思っているようだったので私の出る幕はない。というか、どうであれ、私の出る幕はどこにもない。目を覚ませ。
さとしくんがどう思っているのかはわからないが、一緒に休み時間はドッジボールなんかをして遊んでいる仲の良い友達、という感じだった。
そんな中、先日さとしくんのお母さんと話をする機会があった。さとしくんは幼稚園出身で重なりもなく、お母さんとは顔見知り程度の間柄。
「いつも遊んでいただいてるみたいで、ありがとうございます~」
「こちらこそです~!〇〇ちゃん(娘)のおかげで色々楽しく過ごしているみたいで~。ほんと、ありがたいです」
「いえいえ、こちらこそです~!」
1年生の時も少し話をしたのだが、娘の話を家でよくしているらしい。さとしくんはお姉ちゃんがいて、娘をお姉ちゃんに重ねている節が見受けられる、みたいなことをおっしゃっていたことを思い出す。
話途中でお母さんがこうおっしゃった。
「実は学年末に引っ越しすることになって……」
「……え~~!本当ですか!??え~寂しい……」
さとしくんが引っ越ししてしまう。
しかも、お父さんの仕事の関係で海外へ引っ越すことになった、とのことだった。この展開にお母さんも戸惑っている様子。軽くお話をして、また遊びましょうね~なんて言ってお母さんとは別れた。
数日後、娘もその情報を本人から聞いたようで、「寂しいわ……」としょんぼりしていた。「海外とか大丈夫なんかな~?」と少し心配している様子。私も関係ないけどセンチメンタルモード。2人で寂しいよなぁ、けど1番不安なのはさとしくんよな……なんて話をしていた。
そして、さらに後日。
日曜夕方に近所の公園へ、娘・息子と3人でサッカーをしに行くことにした。
公園へ着くとどこからともなく「〇〇~!」と娘を呼ぶ声がする。「あ、さとしくん!」と娘が言う。
さとしくん!!!!
センチメンタル前のめりモードに突入している私は、テンションが上がる。お友達と遊びに来ていたさとしくんは、娘のところへ来て一緒にサッカーボールでドッジボールをし始めた。息子も混ぜてくれている。
娘はなかなかの速球をさとしくんに向かって投げ込んでいる。必死で避けるさとしくん。息子に向かって投げる時は両手で優しめに投げてくれていて、私は「優しい♡」と胸キュン(怖)。
私は逸れたボールを拾うボール拾いBBAと化す。
息子は途中で帰り、最終2人で当て合いの勝負のようになっている。
速球を投げ込む娘。結構な至近距離でそれをキャッチするさとしくん。さとしくんも娘に向かって投げる。避ける娘。
何やら点数をつけていて、最終娘が勝利をおさめていた。
ずっと笑ってボールを投げ合う2人が、犬コロみたいで可愛くて。こんな姿を見るのも最後かもしれないなと思うと、胸をキュッと掴まれる。
さとしくんは転勤族なので、海外から戻ってくるとしても、ここにはきっと帰って来ない。
17時を過ぎたので、さとしくんとは別れを告げて家路に着く。私はしんみりした心持ち。
「楽しそうやったな~さとしくん、めっちゃキャッチ上手やったやん!」
娘に話かける。
「……あんなキャッチされたの初めてやわ」
ん?
「悔しい~。もっと練習しよ!!!!」
え?
思わず娘の方を見る。シュッシュッと投げる振りをしている。
「いつもあんなにキャッチされへんねん」
いや、まじか。そこ悔しかったんや。私のしんみりモードは吹き飛んだ。
娘よ。あなたはいつでも自分らしさが全開やな。
「やっぱり寂しいな~」
そう呟く娘を見つめながら、この全開の娘らしさを愛おしいと思ってくれる、そんな相手といつの日が出会えたら良いなぁ……なんてことを考えていた。
後少し、ちょっとでも多くの思い出を、さとしくんと仲良しのみんなで作れますように。勝手に前のめって切なくなってないで、穏やかな気持ちで見守りたいと思う。出会いと別れを繰り返し、心の痛みを知りながら、大人になっていくのだよ。
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