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頭をめぐる、想いなど

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西澤伊織の今日、考えたこと
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#ビジネス

タバコと宗教

一般常識に則った場合、見えないものの力を信じる様な言及をする際、一般的には前置きが必要になってきます。 例えば「私はアカデミックな人間ですが、この様なご縁は本当に神の計らいだなと思いました」などの前半の部分です。何かの偶然を自分が勝手に神に感謝するのならば、「私はアカデミックだが」、は本来は不要です。それでもやはり人と話す際はその前置きは必要になります。どうしてでしょうか?これは「私はアカデミックという事実に裏付けられたものを対象とする仕事に携わる、物事の分析を極めて公平か

理解度を測るすべ

他者のある物事の理解を測るために「テスト」というものが存在すると思うのですが、その「物事を理解しているかを測るすべ」もまたどのように理解すれば良いかということを考えることができます。つまりテストは何を見るためにどのように作られているのか、ということです。今回は自身のテスト作成の経験からお話を進めていこうと思います。 例えば "china(チャイナ)" という文字を見ると、ほぼ世界中の人がそれは「中国」を指す、ということが分かります。これがもし「中国という国名を英語でなんと言

信頼できる詳しい人たちがくれたキッカケ

僕は格安SIMを長年愛用しています。格安SIMの初期の頃を覚えていらっしゃる方もおられるかなと思いますが、初期は「電波状況が悪くなりやすい」と言われていました。近年殆どそういうことはありませんね。 格安SIMを僕に紹介してくれたのは小学校時代仲良くしてくれた上級生です。もちろんスマホの話なので、それは成人してからのことなんですが、いま思い返せば彼は初期の「テック系」の家の子供で、父親がIBMのエンジニア、家族みんなの趣味がアマチュア無線、シリコンバレー帰りの帰国子女でした。

雨×Uberいない、は豊かな国の証拠では(笑)

今年になって車のコーティングをしまして、非常に気持ちがいいです。僕のシティーコミューターもスポーツカーもコーティングをする上での車体のクラスはSサイズ。旧車の小さなミニクーパーなんかはSSサイズらしいですが、それの1つ上のサイズです。 愛車のコーティングをする方、きっと結構いらっしゃると思うんですがやってないという方のために触れますと、まずコーティングをすると雨の日に雨がボディの上で球になるんですね。で、走ると風で後ろにコロコロと転がっていってくれます。車庫の中に入れた後も

僕は箱の愛好家

先ほど会社の倉庫にいた時、会社のすべての持ち物が倉庫という箱の中に入っているなと思いました。今はスペースの関係上、外の駐車場に停めてある僕の所有する年代物の車もかつては同じ倉庫の中に長年保管されていました。 箱というのはおそらくもう、うんと昔に発明されたのだと思いますが、今に至るまであまり形を変えていません。デザインでたまに(バレンタインの時期など)ハート形とかの箱もありますが、基本的に箱といえば長方形です。ものを収納するにおいて、長方形の箱はおそらく合理性の究極を具現化し

手に職、頭に豊かさを

時々ふと、未来の社会はどうなっているだろうなと思いを馳せます。 うちの会社の二本柱の一つである建設業。2015年からかなり本格的に営んできましたが(始めた経緯はまた書いてみたいと思います)、思い出せる限り初期の段階から、既にあまり若い人が業界にいないと言われていました。「職人がいないんだ」。あらゆる業種の人たちから随分とそんな声を聞いてきたなと思います。 日本人はもともと教育水準も高い上に、ものづくりが得意な国民だと言われているので、知的労働と併せてどんどんやっていけばい

首都高

うちの事務所は三鷹市井の頭にある。 高井戸インターへのアクセスが改善される東八道路の拡張は緑を削る大規模な開発だったため、随分と反対意見があった。実際工事は何年もかかっており、近隣の住民も「通り抜けの車が増えると困るな」とよく言っていたが蓋を開けてみると、今現在、実感としてはそんなこともないような気がする。 結果的に自分の身に何が起きたかというと、井の頭通りを越え、方南通りを中野に抜け新宿に出るよりも、高井戸インターから首都高に乗って都心に出る方がアクセスが良くなった。結

「好かれる」は「ただの収入」、「愛する」は「資産」。「支出」じゃない。

人に愛されることよりも、自分が愛しているものに注目するほうが幸福感は高い気がします。少しこんな感じに置き換えてみます。 「夜眠る前に思い出してよりよく眠れるのは、自分の稼ぎの多さではなく、自分の財産の多さではないか と。 愛情ってこれと結構似てるなと思います。 例えば素敵な恋人がいて、結婚を考えているとします。 その時に「そういう相手が自分の人生の中にいてくれること」に集中するのと 「その人に20年後も愛されるだろうか」と考えるのでは、幸福感は前者の方が高いはずで

読書は自分のためでもあるけれど

今日の午後、西荻窪の駅前で長年文房具店を営んでいらっしゃる奥様とお話ができました。その奥様は元々鎌倉出身だったので、 「そういえば、小川糸さんのツバキ文具店という小説をお読みになったことはありますか」 と伺いました。小説・「ツバキ文具店」は鎌倉で文房具店を継いだ若い女性の物語だからです。 「いいえ、まだ読んでいません。でもきっと読みますからもう一度本の名前をおっしゃって」とメモ用紙を渡してくださいました。 可愛らしい木の年輪のプリントが施されたブロックメモに本の名前を

自分の三つの郵便箱

思うに人間は基本的に何かを見たり聞いたり知ったりすると、 A. そうあるべきだよね B. そういうもんだよね C. そうじゃないよね という三つのカテゴリーに、自分の感想を落とし込みます。「理想」、「賛同」、「反対」、とも言い換えることができそうです。 「ビフォア・サンセット」という映画が僕は高校生の頃から好きでした。ビフォアサンセットはその9年前に作られた「ビフォア・サンライズ」の続編です。そしてサンセットのさらに9年後、「ビフォア・ミッドナイト」が公開され、「ビ

コーチング進化論

自分がすでに始めていることをこれから始める人のために解説すると、その人はその分野のコーチになる。長年投資をしている人が投資を始めたばかりの人に投資を教えればその人は投資のコーチということだ。 コーヒーの知識や技術を教えようとすると、基本的にはコーヒーの知識や技術がまだ十分にない人たちがやって来なくてはいけない。マナー講師も「そんなことは存じてます」と生徒が思っては生業にならない。ということは「ある程度マナーのない人」がたくさん来なければならないだろう。自動車教習所の営業は基

自分の持ち物は自分の家来

ちょっと極端な語り口ですが僕の考えでは全ての持ち物は家来です。中世とちがうことは、中世では家来は人でした。現代社会で誰かを家来と呼べば怒られます。当たり前のことですね。 持ち物が「家来」とはどういうことか、説明します。 僕はこれまでも少しずつこのnoteで自分の愛用している大切な品々を紹介してきました。紛れもなく昔からもう何年も日々共にあらゆる作業をしてきた仲です。でも僕はこれらのものに愛着はあれど決して自分と対等だとも、自分より崇高だとも思いません。これらのものは全て僕

誤謬について

大晦日に続き2021年の元日も東京は随分と晴れ渡る爽快な空模様だったが、相変わらず日が翳(かげ)り始める頃には随分と冷え込むことに変わりはない。 ちょうど気温が落ち込む夕暮れ時に大学の教員たちが訪ねてきてくれたので、ストーブに火をつけながら「この時期、時刻も夜ほどになると外に出ようとするのはせいぜい喫煙者と野良猫くらいでしょう」と言ったところである別の種類の疑問が頭に浮かんだ: たまに「喫煙者の対義語は何でしょう」と尋ねて「禁煙者」と相手が間違えることを待ち構える人たちが

窓のそば、丁寧な自分

サンフランシスコを旅した際、道向かいの建物を見上げて道ゆく人が立ち止まったり、クスクス笑ったりしていたので、どうしたのかなと思って自分もそちらに目をやると、なんと全裸の人たちが窓辺で愛し合っていた。後にも先にもそれ一回だが、そんな場面に遭遇したことがある。 僕は現在、窓辺の背の高いデスクにコンピューターを置いて仕事をしている。この記事もちなみに同じ場所で書いている。高いデスクを利用している理由は、20代の初め、同じ仕事を座りっぱなしで長時間行ったために首や腰が痛くなってしま