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手に職、頭に豊かさを

時々ふと、未来の社会はどうなっているだろうなと思いを馳せます。

うちの会社の二本柱の一つである建設業。2015年からかなり本格的に営んできましたが(始めた経緯はまた書いてみたいと思います)、思い出せる限り初期の段階から、既にあまり若い人が業界にいないと言われていました。「職人がいないんだ」。あらゆる業種の人たちから随分とそんな声を聞いてきたなと思います。

日本人はもともと教育水準も高い上に、ものづくりが得意な国民だと言われているので、知的労働と併せてどんどんやっていけばいいのになと思うのですが、社会全体が高学歴化すると(それでも先進国の中で大卒・院卒・博士号の割合は低いと言われていますが...)オフィスワークの方に労働人口が集中してしまい建設業など物理的なマテリアルを扱う職種は少し人気がなくなっていってしまうのかなとも思います。

また、助長するかのように「肉体労働という古くから存在する働き方ではもはや稼ぎに限界がある」という考えもあるように思います。身体を使って得られる対価よりも頭を使った方が大きい収入が得られる。そう一般的に大勢の人が考えているということに関して世の中を見渡すと一理あるなと思いもします。

しかし知的労働に限界がないという逆説は大勢の人間に当てはまるのでしょうか。当てはまらないが故に日本には中産階級が多いわけで、中産階級が多いが故に内需で国が豊かになっているということも否定はできないわけです。


僕は子供の頃から庭づくりやユンボ(重機)が好きだったので、それを運転できるランドスケープを選びましたが、実際は操縦云々よりも測量や計算や何やらで、数学のルート計算と三角関数に結構頭を使っていることが多いです。加えて、近隣の住民の方々とのコミュニケーションも大きな工事を円滑に進める上では不可欠ですし、建物の依頼主や内覧を済ませた見学者の方とお話しする機会もあるので、それらに応えようとするとやはり全体を把握していないといけませんから結局トータルすると脳みそから指先まで全体を駆使して大きな金額の仕事をこなしていることになります。僕は機械化が進み重労働が減ってきている昨今、案外建設業のような業種が一番人間としてバランスの良い働き方ができる職種なのではないかと思ったりもします。

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(2015年 恵比寿)

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(2016年 東京女子医大病院)

※2017〜2019 in 違うパソコン...

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(2020年 幕張駅前)


もちろん、だからと言って建設業界に転職する必要はないですが、デスクワークばかりだという方は日々の暮らしの中に少し身体を動かして何かを作るということを取り入れてみるといいかもしれませんね。イギリスの首相としてみなさんがご存知のウィンストン・チャーチルだって政治の合間にはレンガ積みを楽しんでいたんですから。

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「私たちが建物をつくり、そのあと建物が私たちをつくります」−ウィンストン・チャーチル



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