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頭をめぐる、想いなど

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西澤伊織の今日、考えたこと
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タバコと宗教

一般常識に則った場合、見えないものの力を信じる様な言及をする際、一般的には前置きが必要になってきます。 例えば「私はアカデミックな人間ですが、この様なご縁は本当に神の計らいだなと思いました」などの前半の部分です。何かの偶然を自分が勝手に神に感謝するのならば、「私はアカデミックだが」、は本来は不要です。それでもやはり人と話す際はその前置きは必要になります。どうしてでしょうか?これは「私はアカデミックという事実に裏付けられたものを対象とする仕事に携わる、物事の分析を極めて公平か

ここ最近近所で非常に丁寧な戸建住宅のエクステリアのお仕事をされている職人さんが二人で毎日仕事をしているのだが、年配の親方のほうが向こうから歩いてくるのが窓越しに見えたので下に降りて声をかけたところ、同業ということもあってしばし気さくにお話ししてくださった。 その話の中で僕自身が今後の取引をするお客さんの価値観や感性がこのようにこちらと合致していればと思っているのだけれども、なかなかそうなるとどうにも絞れずにまだ探している最中なんです、という話をした後、これまで携わってきた仕

理解度を測るすべ

他者のある物事の理解を測るために「テスト」というものが存在すると思うのですが、その「物事を理解しているかを測るすべ」もまたどのように理解すれば良いかということを考えることができます。つまりテストは何を見るためにどのように作られているのか、ということです。今回は自身のテスト作成の経験からお話を進めていこうと思います。 例えば "china(チャイナ)" という文字を見ると、ほぼ世界中の人がそれは「中国」を指す、ということが分かります。これがもし「中国という国名を英語でなんと言

突然の訪問をすることは

大人になってから時々「いついつに電話をかけてよろしいか」という連絡を前もってもらいます。仕事をしていると基本的に相手を「忙しい」と仮定することがデフォルトとなっていて「お忙しいところすみません」といった語り口が生まれます。これは一般に言う社会的マナーということだと思いますが、話の内容はせいぜい10分そこらで終わることが大抵ですから、セッティングしようと働きかけてくれるその時にもう話してくれた方がありがたいことが多いと個人的には思います。 実は僕は「失礼ですが、今忙しいのです

やがて減りゆく空気なら

私ごとではありますが(と言いつつここに書く全ては基本的にいつも私ごと)、先々週の土曜日に次男が生まれたので、いつもこれを書いていた東京のコンピューターから遠ざかり1週間ほど滋賀県の自分や妻の実家で過ごしていました。 久しぶりに東京に戻り仕事机のデスクトップを起動させると、瞬間的に「考え事に適しているのはやはり東京だ」と思います。少なくない日本の著名な作家たちがあえて東京に住んでいないという事実がありますが、あのメリットを僕自身が理解するにはまだ少し時間がかかるのかもしれませ

信頼できる詳しい人たちがくれたキッカケ

僕は格安SIMを長年愛用しています。格安SIMの初期の頃を覚えていらっしゃる方もおられるかなと思いますが、初期は「電波状況が悪くなりやすい」と言われていました。近年殆どそういうことはありませんね。 格安SIMを僕に紹介してくれたのは小学校時代仲良くしてくれた上級生です。もちろんスマホの話なので、それは成人してからのことなんですが、いま思い返せば彼は初期の「テック系」の家の子供で、父親がIBMのエンジニア、家族みんなの趣味がアマチュア無線、シリコンバレー帰りの帰国子女でした。

noteって、相手に直接話しかけたい時どうすればいいの?

僕はブログ歴でいうとmixi上がりの人間です。ほぼ同時期にfacebookが当時アメリカの大学支給のメールアドレスを持つ学生だけ登録できるようになり、僕は当時学生でアメリカにいたのでmixiを日本語で、facebookを英語でやってました。やがてfacebookは教員、そのあと一般に開放され、アメリカではそれまで主流だった"myspace"なるものがオワコン化してきて、やがて日本でもmixiがオワコン化して、僕もfacebookだけにしばらくしていましたが、その当時「フォロワ

雨×Uberいない、は豊かな国の証拠では(笑)

今年になって車のコーティングをしまして、非常に気持ちがいいです。僕のシティーコミューターもスポーツカーもコーティングをする上での車体のクラスはSサイズ。旧車の小さなミニクーパーなんかはSSサイズらしいですが、それの1つ上のサイズです。 愛車のコーティングをする方、きっと結構いらっしゃると思うんですがやってないという方のために触れますと、まずコーティングをすると雨の日に雨がボディの上で球になるんですね。で、走ると風で後ろにコロコロと転がっていってくれます。車庫の中に入れた後も

僕は箱の愛好家

先ほど会社の倉庫にいた時、会社のすべての持ち物が倉庫という箱の中に入っているなと思いました。今はスペースの関係上、外の駐車場に停めてある僕の所有する年代物の車もかつては同じ倉庫の中に長年保管されていました。 箱というのはおそらくもう、うんと昔に発明されたのだと思いますが、今に至るまであまり形を変えていません。デザインでたまに(バレンタインの時期など)ハート形とかの箱もありますが、基本的に箱といえば長方形です。ものを収納するにおいて、長方形の箱はおそらく合理性の究極を具現化し

listen vs listening (聞くことと聞いていること)

今週免許の更新で2時間の講習を受けに行ってきました。恐ろしくグッタリとした教室の空気の中で担当の方があおり運転など比較的最近の問題を刑罰の観点から解説していってくれるものなんですが、後ろの方の席で聴きながら、大勢の人が随分と時間を無駄にしていることに気がつきました。大体の人が2時間を長いと感じ、面倒と感じ、早く終わって欲しいと望んでいるんだろうなと。でも本当はそれってすごく勿体無いんですね。 僕は終始ノートを取ってみることにしました。講習が終わった頃、色々書き込んだノートは

する話、しない話

とっておきの話って、あるでしょうか。 僕は最近もう一度ネット上で視聴できるようになったとっても好きな、話し始めるとマニアックな話になってしまうようなドラマがあるんですが、その話はごくごく少数の周りの人とむちゃくちゃ話しています。で、そんなに好きならここにも書けばいいかというと...、そうでもない気がしました。打ち切りになってしまったドラマです。 やはり、不特定多数の人と話すことと、限られた人たちと話すことって、違ってていいし、違っている方がいいと思います。やっぱり「あの人

手に職、頭に豊かさを

時々ふと、未来の社会はどうなっているだろうなと思いを馳せます。 うちの会社の二本柱の一つである建設業。2015年からかなり本格的に営んできましたが(始めた経緯はまた書いてみたいと思います)、思い出せる限り初期の段階から、既にあまり若い人が業界にいないと言われていました。「職人がいないんだ」。あらゆる業種の人たちから随分とそんな声を聞いてきたなと思います。 日本人はもともと教育水準も高い上に、ものづくりが得意な国民だと言われているので、知的労働と併せてどんどんやっていけばい

ネットの世界の動画の危険

ネットが今ほど生活に浸透していなかった頃、人々は何に憧れていたかというと、映画の中の世界や、雑誌の中の世界でした。映画と雑誌に共通することはそれらを「被写体をキャスティングして撮影する」ことです。俳優やモデルを撮影するということはそこに撮影中だけ架空の世界を作り上げるということで、それらは必ずしも観客や読者の生活や現実とは結びついていませんでした。 例えば映画の世界の中に出てこないのは(そして雑誌に絶対出てこない)、「登場人物の自宅のトイレ」です。前述した通り映画の世界は架

医者の選び方

皆、何かしらの職業に従事する中で「その仕事をしていそうな人」になっていきます。 アメリカンエキスプレスのビジネスゴールド営業の人たちは空港の出発ロビーで経営者や個人事業主を見抜くスキルを持っています。このスキルの面白さは「経営者や個人事業主」であることを見抜くスキルに加え、「その人がまだアメリカンエキスプレスの会員でない」であろうことも見事に当てられるということで、彼女たちは(魅力的な女性が多い)人混みからダブルでスクリーニングして高確率でターゲットを当てていることになりま