森 伊織 iori mori

Art のことー絵画も現代アートもStreet Art も野外アートもー、旅のこと、本…

森 伊織 iori mori

Art のことー絵画も現代アートもStreet Art も野外アートもー、旅のこと、本のこと、好きなもののこと、アメリカ西海岸で暮らした日々のこと、いろいろ。 リアルタイムではないことも。

最近の記事

30. 香港 ③ 粵東磁廠のタンタンと青い蓮

多分、香港駐在マダムの間では有名な、粵東磁廠 Yuet Tung China Works。ビルの入り口も倉庫みたいだし、聞いていなかったら絶対にたどりつけない。でも実は90年以上の歴史を持ち、セレブ御用達とか。 1928年にオープンしてから、広州の名産品「彩磁」を生産することで有名に。香港ではじめてできた絵付け工房であり、その後、現在まで唯一残った絵付け工房でもある。現在三代目の曹志雄さんが経営。名物の広州彩磁は90年以上、ずっと手作業による絵付けを徹底、時代の流れか全盛期

    • 29.Reborn-Art Festival ② White DeerからSurf Angelへ

      東日本大震災の復興支援を起点とした活動が結実したといえる宮城県石巻の『Reborn-Art Festival(RAF)』- 2017年「人が生きる術」をキーワードに始まり、2019年は「いのちのてざわり」、3回目の2021-2022は「利他と流動性」をテーマに開催された。 RAFのシンボル White Deer2017年の第一回からRAFのシンボルとなっているのが、名和晃平さんの「White Deer (Oshika)」。 牡蠣の養殖場を抜け、かつて子供たちのピクニックコー

      • 28. 香港 ② “Japan is Cheap” 香港のお値段記録

        久しぶりの香港、何を見ても出てくる言葉は 「高いっ」。 もともとの日本のデフレに加えて昨今の円安。 2014年に10月にLAに赴任した時、物価の高いカリフォルニアで、「日本より安い」と思ったものはほとんどなく何をみても「高いっ」と思ったのだった。 2014年の対米ドル円レートは、年初から2月上旬までは、米国経済の悪化懸念や地政学リスクの高まりなどから101円台まで円高が進み、以後8月下旬まで102円を挟む水準での推移となった後、日米の金融政策の方向性の違いや堅調な米国経済を

        • 27. “初夏になったら大人の遠足”@KRUKKU FIELDS

          初夏、、、ってもう初秋も超えて秋真っ只中だけど、リボーンアートフェスティバルの事を書き始めたら、小林武史さんつながりで、思い出したので、ちょっと6月に戻って。 東京から約1時間、木更津市の約30ha(東京ドーム6.4個分)の広大な土地で「農業」「食」「アート」を中心に、サステナブルな未来に向けた豊かさを表現、“ひとが本質的に生きる心地よさと喜び”を感じていただく場所“を提案するファーム&パーク。 敷地内には、草間彌生、Chim↑Pom、アニッシュ・カプーア、ホックニー、増田

        30. 香港 ③ 粵東磁廠のタンタンと青い蓮

          26. Reborn-Art Festival @石巻 ①日程

          宮城県石巻市街地と牡鹿半島を中心とする東北を舞台にした「アート」「音楽」「食」の “総合芸術祭” 『Reborn-Art Festival RAF』。 Reborn-Art Festivalは東日本大震災の復興支援を機に構想され、被災地で、「Reborn-Art=人が生きる術」をキーワードに、「人が生きる術」を取り戻す、蘇らせるために、2017年に始まり、2年に一度開催されている。 第3回目は、震災から10年という節目に、「利他と流動性」をテーマに掲げ、コロナ禍を見据えて、2

          26. Reborn-Art Festival @石巻 ①日程

          25. 香港 ① 久しぶりの海外は香港だった

          コロナ禍がはじまった後初めての、久しぶりの海外は2週間半の香港出張だった。 2019年4月下旬にアメリカから帰国、コロナ禍が始まるまでの10か月にほとんどが「弾丸」の旅を9回、出張もいれると16回出国している。 まるで、そのあと、しばらく日本を出ることが難しくなるのを予感していたように。 で、2020年2月26日、成田に帰国―その日の夕方、安倍首相がイベントの人数制限を発表―2022年9月12日に羽田から出国。 香港入国と「3+4」の隔離 香港行きのフライトに乗せてもらう

          25. 香港 ① 久しぶりの海外は香港だった

          24. キッチンのエコな断捨離-Reduce、Reuse、Recycle・・・Rethinkも大事

          完全な「断捨離」とはいかないけれど、プラスチック製の使い捨て保存容器(ラップやZiplock)のReduceに向けて、Reuseできる”エコ容器“「Stasher スタッシャー」を主として野菜保存用に使いはじめてみた。 「Stasher」は、2016年、カリフォルニア・サンフランシスコで誕生、3児の母でもあるキャット・ノーリという女性が、プラスチック素材に代わる、安全で環境に優しいシリコーン素材で、繰り返し何度でも使用できる食用保存容器「stasher」を開発した。 天然資

          24. キッチンのエコな断捨離-Reduce、Reuse、Recycle・・・Rethinkも大事

          23. 横須賀Artip -横須賀1日美術散歩

          なんだか、横須賀に行きたいところが集中して、横須賀 day trip・・・artripになった一日。 1. 春日神霊の旅ー杉本博司常陸から大和へ@金沢文庫 杉本博司さんの小田原文化財団が、神奈川県立金沢文庫、春日大社とともに春日信仰を紹介する特別展。ちょうど、ボランティアの方の展示品ガイドツアーがあって参加。ちょうど、昔、3年ほど住んだ奈良を訪れる予定もあり、予習というか復習のような。 2.カスヤの森現代美術館こんな素敵な美術館が横須賀にあったとは。 一年以上積読になって

          23. 横須賀Artip -横須賀1日美術散歩

          22. プラハのブルーオニオン、ヨーロッパの磁器の話

          1.ブルーオニオン、グリーンオニオンお正月に実家に行ったら、以前、プラハでお土産に買ってきた「ブルーオニオン」ならぬ「グリーンオニオン」のマグを発見。実家では、気に入ってはいるものの、ハンドルが小さくて持ちづらくて、あまり使っていないらしいので、貸して、といって引き取ってきた(笑)。いつだったっけと調べたら2011年の6月だった。。。懐かしいなあ。 ということで、「ブルーオニオン」のこと。 白磁にブルーで描かれた玉葱などをモチーフとした、280年を経て今なお、洋食器を代表す

          22. プラハのブルーオニオン、ヨーロッパの磁器の話

          21.江の浦測候所 「冬至光遥拝の会」

          2021年12月22日、1年のうち最も日が短くなる冬至の朝、小田原にある、大好きな江の浦測候所で日の出を迎えた。 江の浦測候所は、写真、建築、古美術、舞台演出まで幅広い現代美術作家 杉本博司さんが、自らの集大成として構想10年、自ら財団を設立してさらに10年の工期を経て2017年にオープンした「測候所」と名付けられた"アートサイト"、人と自然、そして日本文化を融合した超大作「杉本博司の究極の作品」。 相模湾を望む1万1500坪の元みかん山に、光学硝子能舞台、茶室、庭園、門

          21.江の浦測候所 「冬至光遥拝の会」

          20.早稲田大学の村上春樹と杉原千畝

          国際文学館村上春樹ライブラリー今年10月1日に開館した、早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリーに先日、行ってきた。隈研吾さん建築(というか改修?)。村上春樹さんは、デビュー作からずっと、出ると必ずリアルタイムで読んできた作家のひとりで、特に思い入れのある小説もある。 村上春樹さんが、自分の名前を冠する文学館、いやライブラリーを母校につくるというのは、意外に感じたのだけれど、わたし以上に村上春樹好きな友人が、春樹さんはお子さんもいないし、将来的に、彼の遺産をきちんと残す算

          20.早稲田大学の村上春樹と杉原千畝

          19.「光と空間」のアーティスト、ジェームズタレル まとめ(越後妻有 直島豊島 金沢)

          2021年9月14日、世界の優れた芸術家を顕彰する第32回高松宮殿下記念世界文化賞が発表され、ジェームズ・タレルが、彫刻部門で受賞した。 タレルは、光と知覚の関係を一貫して探究している「光と空間のアーティスト」。 この10月の越後妻有は、丸ごとタレルの作品である「光の館」に泊まることが、大きな目的のひとつだった。 日本にもけっこうあって、 直島、金沢21世紀美術館、越後妻有とみてきたタレルの作品リスト 直島 南寺「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」1999年 地中美術館

          19.「光と空間」のアーティスト、ジェームズタレル まとめ(越後妻有 直島豊島 金沢)

          18.トリエンナーレが延期された静かな越後妻有① アートな清津峡トンネル

          第8回目となる今年の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」が延期された、越後妻有へ。でも、越後妻有はちゃんと静かに動いていた。 まず目指したのは、十日町市の清津峡渓谷トンネル。ここにも、2021年4月に新しく公開された作品がある。 清津峡は、1949年に国立公園に指定された上信越高原国立公園内にあり、国の名勝・天然記念物にも指定されている。 信濃川の支流である清津川が形成した全長約12.5キロの渓谷で、マグマが冷却するときの収縮で柱状になった、柱状節理の岩肌

          18.トリエンナーレが延期された静かな越後妻有① アートな清津峡トンネル

          17.「アラバマ物語」と"続編"「さあ、見張りを立てよ」、ハーパー・リーの生涯

          前回のnoteで何冊かあげた、アメリカにおける黒人の苦難の道のりに関連する小説、その“古典”ともいえる「アラバマ物語」。 アラバマ物語 To kill a mocking bird は、1960年に発表され1961年度のピューリッツァー賞を受賞、1962年にはグレゴリーペック主演で映画化もされたアメリカ文学の傑作。 2015年に突然、その「続編」として「さあ、見張りを立てよ Go Set a Watchman」が発表された。行方不明だった原稿が、2014年に発見され55年ぶり

          17.「アラバマ物語」と"続編"「さあ、見張りを立てよ」、ハーパー・リーの生涯

          16. 読んだ本の話、2021年1月~2月から

          前回に続き、本の話。1回目の緊急事態宣言時は、初めてのことで落ち着かなくて、色々なことを試みたりして意外とすすまなかった読書、年末から2月にかけては、1月20冊のペースでかなり集中的に本を読んだので、そのころの備忘録。 ① 「The Death of Truth 真実の終わり」ミチコカクタニとそこから派生したあれこれまず、元旦に読んだのが、これ。全米で最も恐れられ影響力があったといわれた New York Timesの 伝説の超辛口書評家(SATCでキャリーまで恐れていた笑

          16. 読んだ本の話、2021年1月~2月から

          15. ジョン・グリシャム Camino Island/「グレート・ギャツビーを追え」、そしてインディペンデント系書店

          ① Camino Island「グレート・ギャツビーを追え」前回noteで村上春樹さんや「本当の翻訳の話をしよう」の名前がでたので、昨年2020年「グレート・ギャツビーを追え」という邦題で村上春樹訳が出たジョン・グリシャムのCamino Islandの話を。グリシャムと村上春樹・・・ちょっと意外に思った組み合わせだけれど邦題を見ると納得。村上春樹は、新作が出ると必ず読む作家だけど、彼の翻訳は必ずしも全て好きというわけではないし、続編Camino Windsはそのとき、原作も出

          15. ジョン・グリシャム Camino Island/「グレート・ギャツビーを追え」、そしてインディペンデント系書店