23. 横須賀Artip -横須賀1日美術散歩
なんだか、横須賀に行きたいところが集中して、横須賀 day trip・・・artripになった一日。
1. 春日神霊の旅ー杉本博司常陸から大和へ@金沢文庫
杉本博司さんの小田原文化財団が、神奈川県立金沢文庫、春日大社とともに春日信仰を紹介する特別展。ちょうど、ボランティアの方の展示品ガイドツアーがあって参加。ちょうど、昔、3年ほど住んだ奈良を訪れる予定もあり、予習というか復習のような。
2.カスヤの森現代美術館
こんな素敵な美術館が横須賀にあったとは。
一年以上積読になっていた若江漢字さん著「ヨーゼフボイスの足型」を年明け、大阪国立国際美術館の「ボイス+パレルモ展」に行く前に、ようやくあわてて読んで、初めて知った、本人も現代美術家の若江漢字さんが、ご夫婦で運営される横浜の私設美術館。
こじんまりとした美術館なのだけど、意外と広くて、ヨーゼフボイス、李禹煥、ナムジュンパイク、宮脇愛子などが常設であって(李禹煥にワイン2本で描いてもらったっておっしゃってたけど本当か?)、裏に広がる庭園には、竹林の中に、若江漢字さんがドイツで自ら取って、本の題名にもなっている「ヨーゼフボイスの足型」や宮脇愛子作品もある。
併設のカフェも素敵で、珈琲とケーキをお願いしたら、1杯1杯丁寧にいれた美味しい珈琲と手作りのケーキ。
館長の若江 栄戽(はるこ)さんは、漢字さんの奥様で、ともかく、上品で優しくて暖かい素敵な方。館内と来館者ひとりひとりに気を配っていらっしゃるのがよくわかる。他には男性のスタッフが一人だけ、漢字さんや栄戽さんも普通にそのあたりにいらして、お話でき、準備したばかりで館内マップにもまだのっていないという、若江さんの作品を集めた「第4の?」展示室も見せていただいた。
静かで美しく暖かく整えられている。少人数で運営されているのに行き届いて、というか少人数なだけに丁寧に心をこめて整えられている感じが本当にいい。
1980年代の、喫茶がまだ本格的なカフェになる前の原美術館のような、いやもっと個人的な感じのする場所で、もっと近くにあったら、もっと頻繁にいけるのに。
若江ご夫妻との話の中で、展示品もそんなに多くないし、ヨーゼフボイスはもう、今の若い人はあまり知らないのだろうし。。。というようなことをおっしゃっていたけれど、いやいや、でも、この間、大阪の国立国際美術館で「ボイス+パレルモ」展やっていたし、今ワタリウムで開催中の「視覚トリップ展」でもボイスやっています。
いくつかにわかれた展示室みて、お庭を散策して、カフェで一息ついて、また展示をみて・・・なかなかの充実ぶりです。もっと多くの人に知られて愛されてもいい場所、でも、このままこの静かさあたたかさがなくなりませんように。
3.猿島 第2回「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」
そして、横須賀の無人島・猿島の、第2回「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」、夜の無人島へ。
猿島は、三笠桟橋から船で約10分、東京湾に浮かぶ唯一の無人島、かつ湾内最大の自然島。以前は 旧日本軍の要塞で、緑深い木々の中、レンガ積みのトンネルや砲台跡など旧軍施設が残っていて、仮面ライダーのショッカー基地として撮影されたこともあるらしい。
一部では、ジブリの世界、天空の星ラピュタそのまま、と言われている、1周40分ほどの小さな島。
第一回「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は2019年11~12月にかけて開催され、2年ぶりの第二回は、2021年から延期となって、2022年1月22日から3月6日の金土日及び祝日と2月10日(木)の計22日間。
一昨年2020年夏、コロナ禍が始まって、気分転換に近場で出かけられるところと探して初めて行った猿島自体がよかった、ということに加え「暗闇のなかで自分の感覚を研ぎ澄ませて猿島の自然と作品に対峙する」というコンセプトが、とても気に入った。
清水寺の胎内巡りや、以前にアメリカで行ったヨーロッパ発の視覚障碍者による暗闇レストラン、etc・・・暗闇、暗闇の体験には、興味があって、暗闇の中での感覚というものには、昔から魅かれるものがある。「夜の博物館」だの「夜の動物園」だの参加してきたけど、「夜の無人島」なんて、わくわくするに決まっている。
入島後は、配られた封筒にスマホを入れて封印(割り印まで押される)、写真が撮れるのは桟橋近くの砂浜の作品だけ。それもよし。懐中電灯を借りて暗闇の中、島を巡ってアートと出会う。
18:15三笠ターミナル発。もともと屋外だし思ったよりずっと人も少ない。作品の一部を、参加アーティストの一人のガイド付きで回れるという先着20名のアーティストツアーも、参加者は本当は三笠ターミナルで整理券をもらうこといなっていたらしいけど、人数が少なかったので、猿島で参加させてもらえた。(真っ暗というわけでもないけど)、夜の島を巡りながら、自分の感覚を研ぎ澄ますことはできただろうか? 少なくとも、なんだか、無心に歩き、出会う作品を無心に見ていた気がする。スマートフォンもカメラをもたず、撮影できていたら、ついつい写真を山ほど撮ってしまいそうな状況なだけに、スマホの封印はよかった、と思えた。
本来帰りは時間指定された船なのだけど、アーティストツアーで回ると(はじめの方だけだけど)、時間がかかるだろうからからと、最後の船が出た後、8時半発スタッフ船に乗せてもらって無人島から生還!
///おまけ///
夏の昼間の猿島
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