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創作メモ(2023/10/5):創作行為における正気と狂気


1.創作行為における正気と狂気の話の罠

創作行為において、時々作家側の正気と狂気の話がされるじゃないですか。
「正気にては大業ならず」めいた話で(ヘッダの『シグルイ』のように)。
あれ、本当はもう少し気を付けないといけない話なんじゃないか、という気付きがあったんですよ。

2.何で創作行為における正気が軽く見られるか

何で創作行為における正気が軽く見られるかというと、しばしばこれは
「全力投球すべき時に日和ること」
であるからです。
で、創作行為において、全力投球すべき時のリミッターを外すための狂気が求められがちである。

3.創作行為における狂気のデメリット

しかし、今更こんなこと言うのも馬鹿馬鹿しいのですが、狂気、基本的には、メリットよりデメリットの方が大きいんですよね。
一般にもそうだし、創作行為においても、です。

例えば上の話の絡みで言えば、狂気はしばしば
「リソースを温存すべき時に浪費すること」
とかをもたらしてしまいます。
これが創作行為において有益か?
全体的に見たらバテて長期戦を戦えないでしょう。
ダメですよ。こんなの。

その他にも、
「ジリ貧になるようなアカン優先順位に固執して、修正できないこと」
というのもあります。
つまり?
そもそも向かう先すら間違っていて、全力で成功から遠ざかってしまうことすらある。
論外。

じゃあ、やっぱり狂気に頼ってはいけないんですよ。

4.正気や狂気ではなく、それらによって可能になる効果だけを、別の手段で得ることを考えよう

ということで、正気や狂気の軸は、創作行為の作家側の戦法としては、そのままでは採用できません。

じゃあどう考えれば良いのか。どうすれば良いのか。

本当に必要なものは、「正気や狂気」ではなく、「それらによって可能になる効果」だけであるはずです。
つまり、
「優先順位をシビアに整えて、リソースを温存して、チャンスを見極めたら全力投球」
できていればよいのです。

正気や狂気に「乗る」こともできますし、そうしたノリで発せられる勢いがあることは全く否定しませんが、そうではなく己が創作行為の実践の手綱を握っておかないと、いつか(特に狂気の波に呑まれて)破滅してしまいます。というかよく聞く話でしょう。
だから、正気だろうが狂気だろうが、そんなの関係なく、以下の二つをやればよいのです。
つまり?
「優先順位管理」「リソース管理」です。

4.1.優先順位管理

まず、優先度をうすぼんやり程度にでも見極めます。
そして、フワフワ程度にでも「高」「中」「低」くらいに順序付けします。
ここからがポイントで、「高」を片付けない限り「中」は後回しにして、「中」を片付けない限り「低」は後回しにする。ということを徹底します。

実際には、緊急度難易度も加味すると、もうちょっと複雑になって来ます。
しかし、時間に中程度の余裕があるなら、ふつうに優先度のことだけ考えていれば良いはずです。

4.2.リソース管理

まず、ざっくりと自分の体内にある気力のリソース(資源)残存量を把握しておきます。しばらくバテないくらいには元気か、それともそうでないか、という。
同時並行的に、何となく程度でいいので自分の創作における「特にリソースを消耗する工程」を把握しておきます。
ここからがポイントで、「特にリソースを消耗する工程」以外をやる時、頑張るのはともかく、後先考えずに全力投球してバテないように気を付けます。
つまり、そこをやってる最中に、テンションが上がって、
「そんなの関係ねえ。己はここに凝りたいから、凝るぞ!」
という声がまず間違いなく聞こえて来るのですが、
「うるせえ! 特にリソースを消耗する工程をちゃんとやることから逃げるんじゃねえ! そこクリアしないと最終的に全部ゴミになんぞ。そんなの許されねえ!」
と自分に言い聞かせて、中間締め切りを設けて、そこに至ったら
「今回は今まで出た案で一番マシなものを使う。もっといいのが出来そうだ? 現にないじゃねえか。諦めて今あるベストに基づいてベストを尽くせ」
というモードになって、その工程をスパッと終わらせ、この先に挑むことです。

そして、特にリソースを消耗する工程で、黙々と打ち込むこと。
そしてもちろん、最終的には今回の創作行為をキッチリ終わらせることです。

こうすると、さっきも少し触れましたが、
「自分の努力がちゃんと世に出て評価されて名誉か報酬が得られる。ゴミじゃなくなる」
度合いはかなり上がります。
これは非常に大きな自信をもたらしますし、自分に対する不信を大幅に軽減していくことでしょう。

「もっと時間をかければいいものが出来たのに」?
それは次回の締め切りまでに練り上げて、それを流用すればいいのです。
創作行為は一回こっきりではないので、次があります。それに備える。

これで行きましょう。
では、グッドラック! (俺も頑張ります)

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