見出し画像

「ヒッキー・ソトニデテミターノ」

前回⬇︎の続きです。



カンクーントルネードの後に観たのが、
「ヒッキー・ソトニデテミターノ」

「ひきこもり」だった過去を持つ森田登美男(とみお)(岩井秀人)は、現在、外に出るきっかけを作った黒木香織(チャン・リーメイ)の「出張お姉さん※」のアシスタントをしている。その現場で登美男は、自分とは異なるタイプの二人の「ひきこもり」に出会う。日常的に家族を殴り、暴れているが登美男達の前では極めて細やかな社会性を見せる二十歳の太郎(田村健太郎)。四十歳になるが未だに「他人に道を尋ねられたらどう答えれば良いのか分からないのに、外に出て他者と関わることはできない」と家から出ないでいる和夫(古舘寛治)。黒木と登美男は二人を「一時預かり」として、「ひきこもり」たちの寝泊まりする寮に入れる……



先に行ってまっせー!がずっと響いている。


おもらしを直す機械と、ようやく息子の人生に関われたという言葉。この言葉を発した和夫の父の、あの表情、声がとても暖かくて淡くて、すごく、本当にその気持ちだったんだなと思った。

準備してから挑むことしかできない姿、昔の私と今の私を思い出す。そういうふうにできたら楽なんだろうけど、とても難しくて、変わりかけまでですら超時間かかったりとか。

最後の方は人生っぽくなったという言葉。息子が太るということに嬉しくなったり、聞いたことない見たことない声や顔。悲しいけれど、長い間忘れていた感覚に、よほどの喜びを感じられたのかなと思う。思い切り思い出されて、大きな喜びだったのかな。

いつまでも一方的に愛せない、にハッとする。
私の場合はどうだろう。焦ってしまった。
親子だから、家族だからと仕方なく切れず繋がっている、みたいなことを思って苦しんだこともあったけど、逆に、わがままな私にすごく耐えているのではないだろうか。たまには愛し返さないといけない?

太郎の父親のことはどう受け止めたらいいだろう。
合併のために職場を離れることになった父。
パペットになった父親が登場。風が吹いている。
心境、居場所…
久々のクラブでは、懐かしいメンバーに歓迎されるはずだった。(平原テツさんのダンスは見れて楽しかった。)期待して謎のダンス、からの落胆が悲しい。


外に出ること。
出ようとして、出ると伝えて、出て。
どの地点でも思わぬことがあってびっくりもしちゃうけど、そういう刺激的なものが、見方を変えると案外おもしろく思えたりもするから、私はもう少し、外の世界への憧れと執着に引っ張られてみようと思う。


ヒッキーの人と同時に誰かの人生も見えて感じられたことは、単に外の存在としてでなく、様々な人たちが存在していて、それぞれに人生があることを感じて、そういう目線があることも素敵だなと思った。


///////


またアマプラから離れますが、BSにて「世界は一人」の映像も(途中まで)観ました。岩井さんが作・演出した舞台で、出演は松尾スズキさん、松たか子さん、瑛太さんなど。直接観に行きたくて行けなかった作品でした。

海のそば、かつて炭鉱で栄えたが
いまは寂れ切ってシャッター街となった地域に
生まれ育った同級生三人が、
成長し、家族とモメにモメ、
窃盗で捕まったり、自死を計ったり、
上手く立ち回って人生の罠から
逃れたりなどしつつ、東京へ出て成功したり
失敗しながら再び巡り会う、物語。

三人の人生のねじれと交わりを、
<前野健太と世界は一人>が奏でる
オリジナル楽曲にのせてたっぷり描きます。


舞台というもののイメージが広がって、今後の自分の表現(という言葉はしっくりきてはいないけど)にも影響しそうな発見がありました。早く続きが観たい。


///////


「いきなり本読み!」も観ているところ。舞台版と、ロケ版(WOWOWオリジナル版)があり、現在はVimeoとWOWOWで観られます。

豪華俳優陣を迎え《これまでになかった究極の舞台》と好評を博している「いきなり本読み!」。タイトルの通り、集まった俳優たちが、読んだこともない台本の読み合わせをする企画。俳優にはお題となる演目を事前に知らせず、当日ステージ上で台本を渡し、その場で配役をします。「裸一貫」で台本に挑む俳優の姿を覗きに来てください。


プロの皆さんの力の凄いこと。とても面白いです。初見でこんななるのかと、絶望はしないで純粋に楽しんでいます。川上友里さんが(良い意味で)化け物だな、と思った記憶があります。他の方も化け物です。また観よう。


///////


根本宗子さんとのコメンタリーも配信されていた。(YouTube)
「真夏の夜な夜なコメンタリー[岩井秀人×根本宗子]
「夫婦」という作品についてのお二人のトーク。知らないことが沢山、知らない人の話も沢山で、沢山メモを取りました。楽しいし、調べるのも楽しみ。


///////

感想少なめですが、この辺りで。
また書きます。次が割と感想多いです、💭

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

舞台感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?