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[心理学]知らないと危険!科学が警鐘する「嫌なことは寝て忘れよう」は間違いかも知れない!

本日は、とりあえず嫌なことは寝て忘れようは間違っているかもしれないと言う話です!
よく「嫌なことは寝れば忘れるよ」と聞いたりしませんか?
私も、仕事上の失敗や私生活の嫌なことに関して寝て忘れようのスタイルをしばしば取ってきました。
しかし、このスタイルは危険で、忘れるどころか逆効果の可能性がある事が最新科学で判明しました。
人間関係、失恋、仕事、子育てなど忘れたいほど嫌な経験は多いと思いますが、その対処法として寝て忘れよう!が正しいのかを論文を用いて観てみましょう!

1 ネガティブな感情に睡眠は逆効果

マサチューセッツ工科大学

近年の研究により、記憶は睡眠を挟むことでより強固に定着する事が分かってきています。
では、その記憶がネガティブな場合はどうなるのかをマサチューセッツ大学の研究チームが調べてくれています。

実験方法
18歳~30歳の被験者106名(男性38名、女性68名)を募り、ネガティブ写真(30枚)とニュートラル写真(30枚)をランダムに観覧してもらいました。
その際に被験者は、自分の感情(1=悲しみ、9=喜び)と心理的な覚醒(冷静、興奮)を写真毎に9段階で自己評価してもらいます。
感情と睡眠との関係を調べる為に以下の2グループに分けました。

1 写真観覧と感情評価を終えた後、12時間後の再テストの間に睡眠を挟んだグループ(PM8時→AM8時)

2 写真観覧と感情評価を終えた後、12時間後の再テストの間に睡眠を取らなかったグループ(AM8時→PM8時)

12時間後にネガティブ写真、ニュートラル写真を見て貰い同じように自分の感情(1=悲しみ、9=喜び)と心理的な覚醒(冷静、興奮)を写真毎に9段階で自己評価してもらいました。
この2回目の画像観覧は前回と同じ写真と新しい写真を混ぜて、前回の写真の記憶があるのかも調査しています。

結果
・睡眠を挟んだグループは、記憶の定着が高い傾向を示した。
・睡眠グループの方が、12時間後の負の感情に対する反応が高まっていた。
・睡眠グループは写真の記憶と負の感情の記憶が保存され強化される傾向を示した。

この様に睡眠は確かに記憶の定着を促し、目にしたことをより多く記憶に留める傾向を示していますが、負の感情に対しても同様に保存されてしまう可能性が考察できます。
つまり、嫌な事があって直ぐに寝てしまうと逆に強化な感情として残ってしまう可能性が高いです。
いままで、常識だった寝て忘れろは科学的にはかなり怪しいと考えられます。

参考文献:Processing of Emotional Reactivity and Emotional Memory over Sleep

嫌な事は寝て忘れろが見違っている可能性が高いのは分かったが、じゃどう対処すれば正しいのでしょうか?
そこで、科学的根拠のある方法を一つ紹介しましょう!

2 対処法・嫌なことは忘れるのではなく記憶に刻み込め!

ミシガン州立大学

ミシガン州立大学の研究論文を紹介しましょう。
ネガティブな感情を抱いた人たちが自分の感情を認識する事によって、ネガティブな感情はどう変化するのかを調べた実験です。

実験方法
まず被験者40名に心理テスト、筆記テスト、フランカータスク(いわゆる脳トレの様な問題)を受けて貰い、そのスコアーが均等になるように2つのグループに分けました。

1 今感じている感情を8分間書き出して貰うグループ(Expressive Writing N=21)
2 その日起きた事を日記の様に8分間書いて貰ったグループ(Unrelated Writing N=19)

両グループ書き終えてから4分間の休憩を挟み再び同様のテストを受けて貰いました。
その際にEEGによって脳波を測定しました。

結果
感情を書き出したグループは出来事を書き出したグループよりも、フランカータスクの得点が上がり、不安に対するスコアーも減少しました。
また、脳波も感情を書き出したグループの方がタスク中に落ち着いた脳波を示していて、タスクに集中している状態を示しました。

以上の事より、ネガティブな感情に対して今感じている感情を書き出すだけで、不安から解放されて冷静になる事が示唆されています。
同時に、脳が冷静さを取り戻すため作業に対するクオリティも上げてくれる(正確には取り戻してくれる)事が判明しました。

負の感情は脳を支配するほど疲弊させます。
その情報を可視化し、自ら考える時間を取る事で冷静に戻る事が可能だと実験の研究者は考察してます。
マルチタスク状態の脳では、冷静さを失ってしまい必要以上に長引いてしまいます。
「あいつがムカつく!」「本当に悔しい!」「腹が立った!」など本当に短い単語で書き殴るだけでも自分の感情としっかりと向き合えるため、問題を解決できます。

表題の寝て忘れろ!よりも圧倒的に効果が高いことが予想できます。
科学は普段大衆が習慣的に言っている事が間違っていることを教えてくれます。
その間違いを正すのはしっかりとした科学的根拠が必要です!
是非、このnoteを参考にしてください。

参考文献:The effect of expressive writing on the error‐related negativity among individuals with chronic worry

3 他にも役立つアーカイブ

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過去の記事を合わせて確認するとメンタル向上に役に立つと思います。
まずは、体調は食から見直すことが超重要なのでいくつか紹介します!

食関連

食を鍛えたら体を体内外から見直しましょう!

トレーニング、瞑想関連

U総括

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今回は不安に対するアプローチ方法を紹介しました。
不安が重なり大きくなると脳が麻痺したような状態になり、冷静さを失ってしまします。
そんな時は、しっかりと科学的根拠のある方法で対処する事が重要です。
いろんな人が自己流の経験談を語ると思いますが、まずは根拠があるのかを確認する事が大事です。
今回の様に寝て忘れろ!と言う根拠のない方法のせいで逆効果な結果に陥ってしまう可能性もあります。
しっかりと自らの頭で考えて、実行する事をお勧めします!

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