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2022年5月の記事一覧

【読書】山狩

【読書】山狩

日本人はやくざが好きなんだろうか? しかし最近の封じ込めでヤクザも元気がないとのことで、やくざの小説を書いてもいまいち人気も現実味もない。そうなると今度は警察の裏話的な小説に流れ着くのだろうか…。

ある山で女性の遺体が見つかり,警察が捜査したが事件を感じられるような不審な点がなく,単なる転落事故として処理されてしまう。ただその女性は地元の有力企業のバカ息子からストーカーされていて,その娘の家族は

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【読書】R.I.P 安らかに眠れ 久坂部羊

【読書】R.I.P 安らかに眠れ 久坂部羊

SNSで自殺願望のある人とコンタクトを取り,実際に自殺の手伝いをして3人を殺してしまったという男の妹の手記みたいな形の小説。
今までに実際の世の中でも似たようえな事件は色々あっているので,そんな事件を考えながら読むと,単に自殺ほう助?と言っても考え方がいろいろあるなぁ…と。

死ぬ(死にたい)理由もまちまち。一人はいじめや失恋に耐え切れず自分なんていなければいいという感じ。もう一人は不治の病でだん

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【読書】犯罪者 太田愛

【読書】犯罪者 太田愛

前に読んだ幻夏の前編みたいな小説。本当はこちを読んでから幻夏を読めばよかったのだが,逆に読んでしまった。またこの本はとんでもなく長い。しかも必然性があって長いわけではなく,エサを撒き過ぎて収拾がつかない感じ。悪く言えば冗長…。そうは言ってもとんでもなく面白いので(笑),「長いなぁ」とか文句言いつつ,ハラハラドキドキしながら読み続ける感じ。

いきなり東京の駅前広場で5人がフルフェイスの暴漢に襲われ

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【読書】幻夏

【読書】幻夏

冤罪がテーマの小説。ただ書いたのがあの水谷豊の「相棒」の脚本家なので,普通の小説とはちょっと違う,映像が意識されているのか,テレビ用と小説用は根本的に書き方が違うのか,とにかく伏線をバラまきまくっている感じで,至る所にネタが転がっている。

ストーリーがとても説明しにくい。20年くらい前に行方不明になった自分の息子を探して欲しいという依頼が探偵の所に。その母親には二人の息子がいてそのうちの一人が行

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