【小説】ふりかえるとよみがえる(#毎週ショートショートnote)
「ふりかえるとよみがえる。
あの日の想い出、あの日の光景。
そんなあなたに、タイムマシン。
東京ビッグパークにて試乗会開催。申し込みはお電話から」
西暦2500年。
人類永年の夢、タイムマシンが完成した。
試乗会に向けて、12月24日夜7時に各局にてテレビCMが放映され、世間はクリスマスイヴに最高のプレゼントを受け取った。
「人生500年時代」と叫ばれる今、平均寿命の長い人類にとって、昔の記憶をどう保存するかが課題となっていた。
過去にヒントがあるのではと考えた人々は、タイムマシンの完成を喜んだ。
SNS全盛期である西暦2000年代は昔のこと。
「伝統への回帰」を合言葉に、人々はすでにスマホやパソコンを捨てていた。
情報を得るには、新聞やテレビしかなかった。
予想外のことが起こった。
試乗会への申し込みが殺到し、電話回線がパンクしたのだ。
人々がパソコン・スマホ・SNS時代へ戻るのは、そのわずか数年後のことである。
《終》(411字)
たらはかに様の企画に参加させていただきます。
お題に合わせて書くショートショート。
今週のお題は『ふりかえるとよみがえる』。
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