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ドラッカーが投げかける、超シンプルで、超絶に深い5つの質問

マネジメントの父、ピーター・F・ドラッカーが、存命中にコンサルティングに関わる企業経営者に必ず問うた「5つの質問」がありました。

『「最も大切な5つの質問」とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである。それは、「われわれのミッションは何か?」「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」「われわれの計画は何か?」という5つの問いからなる経営ツールである。すべてが行動につながる。何ごとも行動が伴わなければ意味はない』
(出典:『経営者に贈る5つの質問』ダイヤモンド社、2008年)

上記の通り、ドラッカーが経営者に問うた5つの質問は以下です。

1.われわれのミッションは何か?
2.われわれの顧客は誰か?
3.顧客にとっての価値は何か?
4.われわれにとっての成果は何か?
5.われわれの計画は何か?

あまりにシンプルなために、「何か肩すかしをくらったように感じる経営者や幹部も少なくない」とかねてより言われてきたのが、この5つの質問です。

しかし、これ、実際に書き出してみると、非常に難しいことに気がつきます。

『シンプルな質問ほど答えにくい。なぜか。質問がシンプルならば答えもシンプルなはずである。しかし、そうではない。質問がシンプルであるほど正面から答えなければならない。時には痛みを伴う自己評価が必要となる。私たちは、いかなる組織にあろうと、ドラッカーが問いかける5つのシンプルな質問に答えないかぎり、顧客、組織、自らに対し、やがて害をなすことになる。』──フランシス・ヘッセルバイン(リーダー・トゥー・リーダー財団創立者)

5つの質問と実際に向き合ってみると、これまで自分がなんとなくやってきたことを否定しなければならないことに気が付いたり、捨てたくなかったものを捨てたほうが望ましい(ドラッカーは「破棄」と言います)ことを自覚させられたりします。そこで逡巡するか、一歩踏み出して新しい世界にチャレンジするかは、あなた次第です。

質問への答えは“自分自身をワクワクさせるもの”になっているか?

この5つの質問に対する自分なりの回答を出すには、どのようなことを意識すればよいか。ドラッカーの教えを元に、私なりに大事にしていることをご紹介します。

●本当に大切なことだけ行う
●ミッションを達成するプロセスそのものが、心から楽しめるものである状態にする
●楽しく、生きがいのある時間を最大化し、そうでない活動はやめる
●自分が持っている強みと資源が、顧客のニーズにマッチしているかを確認する
●成果は必ず、計測・評価が可能なかたちに定義する


これらを満たした5つの質問の答えが設定できると、進むべき道がとてもクリアに見え、ブレることがなくなり、何事においても判断が早くなります。5つの質問を成し遂げること、また成し遂げようと日々行動すること自体がワクワクしてならなくなるはずなのです。

“行動につながるマネジメントツール”を携えて進むリーダーは、最強です。それでこそ、経営幹部の皆さんです。そしてそれが何よりも、ドラッカーの究極の質問「私たちは何をもって憶えられたいか?」に対する答えを私たちにもたらしてくれるのです。

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