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海外でのしごと。購買→マーチャンダイザー(MD)~海外キャリア遍歴②~

ブランクを超え、再就職し、購買の仕事を海外で始めましたが、わたしがのタイトルが名刺にマーチャンダイザー(MD)と書かれるようになりました。

「マーチャンダイザー(MD)の仕事って?」

それが第一印象だったと思います。

一般的に日本ではマーチャンダイザー(MD)は、商品の企画・開発や商品構成の決定、販売・サービスの計画立案、価格設定、予算管理などを専門とする職業。

わたしの場合は、メインのクライアントが日本にいらしたので、商品企画などは日本で行われていたので、日本側本社の営業が担当してくれていました。会社やどこの国、ビジネスフローで仕事の内容等もかわってくるでしょうが、今回は、海外で私の仕事としていた「マーチャンダイザー(MD)」の仕事がどんなものだったか?というのを書いていきます。

海外で働くってどんな感じなのか?マーチャンダイザーってどんな仕事なのか?アパレルの業界を垣間見たい方にとって、イメージができる内容になっていますので、ぜひ、参考にしてみてください。


▪️マーチャンダイザーの求められるスキル

わたしのマーチャンダイザーの仕事としては、以下のスキルが求められました。
勤務先は香港。よく中国広東省に出張で行きました。

・原価・利益のコストコントロール能力
・商品開発・販売における専門知識
・工場の生産管理(品質・価格・納期・価格)

・語学力(英語・中国語・広東語)


分析力(年間生産数量、4半期ごとの生産数量を確定)
・コミュニケーション能力
(国内外クライアント・海外工場・日本本社・海外拠点などとのやりとりなど、調整ややり取りは非常に多い)
・マネジメント力

ざっと書きましたが、最初からこれらのスキルがあったわけじゃないし、出来たわけでもありません。毎日、仕事をしていく中で学んでいきましたし、失敗も随分と重ねています。

▪️マーチャンダイザーのやりがい

マーチャンダザーの仕事を通して非常にやりがいがあると思ったのは、自分の関わった商品が市場に流れ、それが日本国内だけでなく、世界に広がっていく様を目のあたりにできたことです。クライアント様がグローバルにどんどん進出を広げていく様はすさまじく、わたしたちも多忙極まりなかったのですが、そのダイナミクスを肌で感じていました。

他に

・トレンドを誰よりも早く知ることができる

 アパレルの業界は、常に先のデザインが動いているので、次のトレンドを早く触れることができることは、とても新鮮で刺激的でした。何よりも店頭に並ぶ前にデザインに触れることができたのは、本当に楽しかったです。

・商品の評価を色々な媒体で見られる

 作っていた商品はクライアント様の商品(衣類)に付属でつけるものでしたが、なくてはならないもの。クライアント様の商品の評価が良ければそれが一番。貢献できていることがうれしかったです。

▪️難しいと感じたところ

・海外生産管理/品質への感性が違いすぎた件

海外で生産をし始めた最初のころ、日本の人の品質への意識と海外とでは感覚がとても違いました。日本では限りなくいいものを作ろうという意識が働きますが、いい商品にあまり触れたことがない工員にとって、高い基準の品質を教えること、その生産の工程を整えることは、少し時間が必要なことでした。

例えば、中国の田舎の人たちが洗練されていない、品質も良くない製品を日頃から見ているとするならば、品質もデザインも良い商品を作るとなると、その基準値やセンスが最初は大幅にちがうもの…。自社のスタッフならコントロールができますが、中国の工場の現場に入ると、正直そういった方々がいたものでした。そんな中で日本製にも負けない商品を作るために

コツはいろいろありましたが

・現場に直接入ること
・現場で直接見せて、教えること(技術、スキル、製品など)
・フィードバックを頻繁にしていた(行動やルールなど)
・最初から基準は高め設定(商品品質に妥協なし)

短期間の間は安定している品質にも、ブレが生じてきます。なので、特に工場の長や社長に対しては、特に意思疎通を頻繁に行いました。

・コミニュケーション/異文化理解が必要

コミニュケーションには、基本は英語。中国国内では、中国語(普通語)。香港では、広東語。日本とは、日本語で行います。

言葉の違いでコミニュケーションの難しさを感じるのではなくて、海外では文化やもっている背景によって、常識が違うこと、商文化にも違いがあること、意識にも違いがあり、仕事のやり方、取り組み方、品質基準など、なかなか同じ基準、同じ方向性を持ってビジョンを遂行することは難しいと思っていました。

しかし、そこは”郷に入れば、郷に従え”で学びながら、現場にどっぷり入っていき、現場だけでなく企業のトップと交渉を重ね、勝てる、協力し合う関係を構築していくことが出来るようになりました。

・生産量の読み/先を読む力。まちがえば大量の赤字

生産する数量を時に読み間違える時があります。あれほど、こわいことはありません。一度、読みがアマかったこと、クライアントが予定生産数量を急遽大幅に減少させたことで、商品に大量の不良在庫を抱えてしまったことがあります。最終的には、それを廃棄処分しました。

その時ばかりは、社長に呼び出されました。「どうして、こんなことになったんだ?」始末書だな…とおもっていましたが、その時の社長の態度は全く違っていたのです。

「あれだけのアイテム数を扱っていたら、ひとつくらい読み間違いはあるだろう。ミスであることは間違いないが、反対にひとつで済んでいるのは優秀とも言えます。損失は出してしまいましたが、これを高い勉強代だと思って、これからも頑張ってくれ!期待しているよ!」と言ってくれたのでした。

確にわたしが扱うアイテム数は、半年だけでも100は超えていましたから、少なくはないでしょう。その時は、クビになっても仕方ないと覚悟してましたが、反対に「優秀」と言ってもらえたのですから、申し訳ない気持ちを持ちながらも、必ず恩返ししようと決めました。笑

在庫管理も仕事

▪️まとめ/マーチャンダイザー

この仕事に出会ったことで、わたしのその後のキャリア人生は大きく変わって行ったと言っても過言ではありません。そして、熱意をもって取り組み、夢中になった仕事です。

マーチャンダイザーといっても置かれている職場によって、仕事の内容というのは違ってくるのも当然でしょう。わたしは香港で働き、さまざまな国や背景の方と仕事をしていたので、言葉(言語)としては、英語・広東語・中国語・日本語が必須でした。また、企画・営業は日本側にあったので、主に生産に関わることに重点を置いた働き方になっていました。

興味のある方は、実際にこの職業の詳細をその会社で働いている人に聞くのが一番確実でしょう。また、今回の内容がお役に立てたら幸いです。

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