第10話 堕ちたプレイヤー編「うわさ 【序】」
二年ほど前、伝説の女マネージャー極細木(ごくぼそき)スガ子と語りつくしたその夜、彼女から
「サンプルを創り、できる範囲で営業もしてみること」
「常に新しい読みの表現を学ぶこと」
「自立したナレーターを目指す事」
の大切さを教わった。
その教えのとおり自作のサンプルを持って営業してみたり、新しい表現を吸収しようとスクールに通ってみた。
やがてフリーのナレーターとして小さい単発の仕事をたまに出来るようになっていた私だが、まだ食うにはとても至っていなかった。
プロローグ:チ